マネーボイス メニュー

DRN134 / Shutterstock.com

やはり日本の「バブル景気」は始まっている!2つのシグナル=児島康孝

国交省が発表した公示地価によると、商業地で最も高い銀座4丁目が前年比25.9%上昇の1平米=5050万円に。今の日本には、これ以外にも明らかな「バブルの兆し」が複数見られます。(『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』児島康孝)

押し目は絶好のチャンス。日本は明らかにバブル景気に向かっている

兆候(1)公示地価が商業地で2~3割上昇も

商業地で最も高かったのは、銀座4丁目の「山野楽器銀座本店」です。前年比25.9%上昇の、1平方メートル=5050万円でした。

また、同じく商業地で価格3位の銀座2丁目「明治屋銀座ビル」も前年比28.9%上昇して、1平方メートル=3700万円。商業地の価格4位の銀座7丁目「ZARA」も27.1%上昇、1平方メートル=3660万円です。
※商業地の価格2位「銀座5丁目」は前年比なし、1平方メートル=4300万円。

こうした高価格の商業地で2割から3割近い上昇というのは、価格のボリュームを伴っていますから、本物です。

また、商業地の変動率だけでみますと、大阪の道頓堀1丁目「づぼらや」が41.3%上昇の1平方メートル=400万円。宗右衛門町46番の「CROESUS(クリサス)心斎橋」が35.1%上昇の1平方メートル=1290万円です。

このように、東京や大阪の商業地で、2割から3割以上の上昇があるということは、バブルの始まりを示しています。

一般庶民には、まだ波及していないが…

一般庶民にはまだバブル景気は波及しておらず、戦後最悪レベルの厳しい経済状態が続いています。ですが、日本経済の方向としては、バブル景気に向かっています。

※2016年参考記事「日本は、バブル景気へと向かう
※2016年参考記事「日本は、バブル景気へと向かう2
※2016年参考記事「暴落は、熱狂の中で起き、バブルは不安の中で起きる

以前、上記のメルマガで書いた時は「本当かな?」と思われたと思いますが、商業地の2割、3割の上昇で、バブル景気は明らかになってきました。これは、超長期の景気サイクルが上昇転換しているためで、大きな経済クラッシュは今後30年程度はないでしょう。

※参考記事「超長期の景気循環、コンドラチェフサイクル
※参考記事「大きな経済危機は、もう来ない

誤解がないように補足しますと、超長期の景気が上昇していた1945年~1990年の日本にも不況はありました。しかし、今後数十年の日本は、山一證券や長銀、日債銀がつぶれたり、リーマンショックがあったような大きな経済危機はないだろうという意味です(もちろん通常の不況期はあります)。

日本では、雇用の派遣労働化や企業の内部留保の問題で景気の上昇が遅れていますが、時間の経過とともに好況が訪れるでしょう。

Next: 兆候(2)あのラーメンの『一風堂』にもバブル景気のシグナルが



兆候(2)『一風堂』の初値2230円、

バブルといえば、新規上場株の初値が高額になるのが特徴です。

先日IPOしたラーメンの『一風堂』(力の源ホールディングス<3561>)は、マザーズ上場初日は買いが殺到して値がつかず、2日目に2230円で初値。公募・売り出し価格が600円なので、約3.7倍。これを単純化しますと、60万円が223万円になった、600万円が2230万円になった、ということです。

もちろん、保有する株式の数によって実際の具体的な金額は異なるわけですが、カネがカネを生みはじめているわけです。

力の源ホールディングス<3561> 15分足(SBI証券提供)

前述の「銀座一等地」は、さすがに売買単位が大きいですが、商業地の売買に比べて金額が小さめの株式売買でも、バブルの兆候がはっきりと現れているのです。

懸念(1)でも、アメリカ経済は大丈夫?

週末の市場は、アメリカでオバマケアの代替案が可決されるか否決されるかが、注目を集めていました。結果は、可決は厳しいとして採決見送りになりました。

オバマケアの代替案の見送り自体は、それほどアメリカの景気に影響はありません。しかし、トランプ政権が今後の景気対策でも難局を繰り返すのではないかと、ニュース報道では危惧されています。

とはいえ、景気対策では共和党も一致してくるでしょうから、景気対策ではあまり危惧する必要はないでしょう。

これまでは反トランプの国民が声を上げていましたが、あまり議会の抵抗が続くと、従来とは逆に、トランプ大統領に政策を進めてほしい国民が声を上げ始める可能性もあります。

アメリカについては、こうして、これから景気が上昇した後、2017年の終わりごろからは、景気が一時的に停滞するという景気サイクルにそった動きとなりそうです。

Next: 一方、日本は明らかにバブル景気に向かっている。直近の注目点は?



結論:日本は明らかにバブル景気に向かっている

日本は、明らかにバブル景気に向かっています。多くの国民にとっては、まだ恩恵はないのですが、銀座の商業地の地価上昇や、新規公開株の高い初値など、特徴ははっきり出ています。

これからは、1990年のバブル崩壊後にその先の不況がどうなるかまったくわからなかったように、景気上昇についても予想外の動きとなりそうです。

つまり、時間の経過とともに、考えられないくらい景気が良くなることがあり得るということです。

ただし、金融機関の貸し渋りが解消してマネーが行き渡るようになれば景気の上昇は早いのですが、まだ不動産取引以外はそうはなっていないので、時間はかかるでしょう。

これまでのデフレ不況があまりにも長かったので、金融機関の貸し渋りと非正規雇用の問題が長引いており、景気回復をなかなか実感できないわけですが、銀座の地価や新規公開株にみられるように、景気上昇のエネルギーとマネーのエネルギーは高まってきています。

マーケットも、短期的な上下の動きはあっても、長期的な景気サイクルの上昇を徐々に織り込んでゆくでしょう。

2017年の年央(6月ごろ)までの予想としては、為替は円高傾向。ドルの「ひっ迫感」が薄れ、ドル安となりやすいためです。株式は上下動。政局が絡むと、株式市場も、期的な振幅が大きくなる可能性はあります。

それでも、その後2017年の年央からは、為替は円安、株価も上昇となりそうです。

【関連】今のトランプラリーはきたる「超大型バブル相場」の前哨戦なのか?=藤井まり子

【関連】逆説の日本復活論。「トランプの関税」は我が国を再びバブルに導くか=児島康孝

【関連】「日本のホワイトカラーは生産性が低い」という都市伝説に騙されるな=児島康孝

ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』(2017年3月22・23日)より抜粋・再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

無料メルマガ好評配信中

ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!

[無料 日刊]
FRB緊急利下げへ」「日銀マイナス金利」をヒットさせた腕を生かし、海外投機筋、米・欧・日の中央銀行の最新情報をメルマガで!まぐまぐ殿堂入り、MONEY VOICE掲載メルマガ。為替FX・株式・資産運用のヒントに、一味違うメルマガ情報。※号外広告あり

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。