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「働いたら負け」は本当だった。ほとんど働かずに生きた男が見つけた搾取されない生き方=鈴木傾城

「まじめに働けば報われる」――この常識を疑ったことはあるだろうか。社会に出てからほとんど働かずに生きてきた筆者がたどり着いた結論は、「働いたら負け」という一見過激な認識だった。資本主義の本質を理解すれば、労働は富を生むのではなく、むしろ搾取され続ける人生になる。では、この仕組みの中でどう生きるべきなのか。(『 鈴木傾城の「フルインベスト」メルマガ編 鈴木傾城の「フルインベスト」メルマガ編 』鈴木傾城)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

「働いて稼ぐ」は正しいか?

私は社会に出てほとんど働くこともなくぶらぶらしながら生きていて、結局はこのまま基礎年金(厚生年金は、ほぼない)をもらえる節目に突入することになる。人生の最期まで「まとも」に働かないままになりそうだ。

我ながら、なかなか奇妙な生き様になったと思っているが、安堵しているのは、働かなかったわりに、経済的に困窮するとか、誰かにカネを借りるとか、誰かをカネのために騙すとか、怪しい仕事に従事するとか、させられるとか、そういうのがいっさいなかったことだ。

私は自分の生きている世界は民主主義でもなく、社会主義でもなく、「資本主義」であることを、まわりの女性たちに叩き込まれていた。「No Money, No Honey(カネがなければ、蜜もない)」と呪文のように言われ、それが私の座右の銘になった。

若い頃から、その「No Money, No Honey」の世界に生きていたので、資本主義については思うことがいろいろある。

現代の資本主義社会では、「働いて稼ぐ」という行為が当たり前のように奨励されている。学校教育でも、企業に雇われて安定した収入を得ることが「正しい人生」として教えられる。

しかしこの考え方は、制度の設計そのものに根本的な欠陥があると私は思う。

企業は利益を最大化するために、つねに人件費を「コスト」として削減しようとする。働く人間がどれほど努力し、成果を上げたとしても、その報酬は会社の都合次第で制限される。これは資本主義の基本構造であり、例外は存在しない。

つまり「より多く働いても、より貧しくなる」という逆説的な構造が、すでに社会の前提となっている。これが意味するのは、労働そのものが富を生むのではなく、むしろ資本に奉仕する手段として利用されているという現実である。

つまり「働いたら負け」は正しい認識なのだ。

資本に近い者ほど収益の取り分が多くなる

世の中、まったく働かなくても金を手に入れている層が存在する。それが「資本を持つ者」である。企業の株式を保有する者、すなわち株主は、従業員が必死に働いて得た利益の一部を「配当金」として受け取る。

この配当金は、実際には企業の売上から得た利益の分配であり、その原資はすべて労働者と消費者によって生み出されたものだ。つまり、株主は他人の労働によって生み出された価値を、合法的に吸い上げている。

この構造を理解せず、ひたすら「まじめに働けば報われる」と信じている者は、資本主義の本質を見誤っている。労働そのものは尊いかもしれない。だが、報酬を決めるのはつねに資本なのだ。

だから、資本に近い者ほど収益の取り分が多くなる。

これは偶然ではなく、意図された「設計」である。株式会社制度の誕生以来、資本を持つ者が利益を優先的に確保し、労働者にはコストとしての役割が押し付けられる構図は、今日に至るまで変わっていない。

Next: 働けば働くほど搾取される私たち…資本主義で優位に立つ方法は?



どれだけ高収入の職業であっても、1日は24時間しかなく、働ける時間には限界がある。体力や年齢の制約もある。病気や事故、リストラといったリスクにもつねにさらされている。これは非常に不安定な収入形態である。

一方、資本収入は時間の制限を受けない。株を持っているだけで、配当金は自動的に入ってくる。働く必要はないし、体力も必要ない。

このように、資本主義においては「労働=稼ぐ手段」と考えること自体が、すでに大きな間違いなのだ。テストで言うと「0点」だ。労働しか選択肢を持たない人間は、制度によって搾取される側に固定されてしまう。

資本を持たない者は、つねに劣位に置かれる。この現実を直視しなければ、貧困の再生産からは永遠に抜け出すことができない。これが、資本主義だったのだ。

私たちはこれを手に入れてしまえばいいのだ

それならば、資本主義のもっとも合理的な戦略として、「企業の所有者側」に回ればいいという単純な話になる。

現代の資本主義の総本山はアメリカだが、そのアメリカの株式市場に上場しているトップ500企業なんかは、だいたい過去数十年にわたり継続的に利益を生み出し、それを株主に還元してきた経緯がある。

配当とは、こうした企業が上げた純利益を、株主に現金として還元する仕組みである。S&P500を構成する優良企業は、不景気でも潰れず、売上を維持し、配当を続ける。とすれば、私たちはこれを手に入れてしまえばいいのだ。

個別企業への投資に不安を感じる者にとっては、「優良企業だけを集めたETF」という選択肢がある。米国ではVIG(連続増配企業ETF)、VYM(高配当株ETF)などが代表的な例であり、これらはすでに構成銘柄の質で実績を証明している。

これを手に入れることで、企業の純利益の一部を「所有者の権利」として受け取れることになる。その際、所有者の学歴・職歴・年齢・人種・犯罪歴・性別などはいっさい問われることがない。カネを出せば、誰でも株主になれる。

殺人鬼でも、レイプ魔でも、チンピラでも、ゴロツキでも、詐欺師でも、カネさえ持ってくれば受け入れてくれる。徹底的に「平等」だ。これが株式市場のルールであり、倫理的にどうかという問題ではない。

カネを持ってきて、最終的にはそのカネで不労所得をもらう。

Next: 働いても勝てない。資本主義の仕組みをうまく利用したほうがいい



重要なのは、ここで得られる配当金というのは、他人の労働によって生み出された価値の一部であるという点である。消費者が商品を買い、労働者が働き、経営陣が利益を確保する。その利益の最終的な受け手が株主である。

この流れの中で、株主はなにもしなくてもカネを得る立場にいる。これを「企業の内部から金を抜き取る構造」と定義しても誇張ではない。この事実が理解できたら、もはや労働者でいることは馬鹿馬鹿しいと思うだろう。

株式市場にアクセスできるにもかかわらず、それを放棄している人は、自ら資本主義で搾取される側に立つに等しい。これは、とても単純な構図でもある。

もらえるものはもらっておけばいいのだ

どうせなら、資本主義の仕組みをうまく利用したほうがいい。配当金という仕組みは、資本主義のなかで唯一「何もしていない人間にカネが入ってくる構造」である。うだうだ言ってないで、さっさと手に入れたほうがいい。

配当は不労所得という言葉で表現されるが、完全に合法なのだから何も遠慮する必要はない。買えるものは買い、もらえるものはもらっておけばいいのだ。企業の業績が安定しているかぎり、その収益は定期的に手元に入ってくる。

たとえば――

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image by: Matej Kastelic / Shutterstock.com

マンさんの経済あらかると マンさんの経済あらかると 』(2025年7月13日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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