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値上がり中の不動産に「いま投資するべき人、してはいけない人」の違い=姫野秀喜

このところの不動産物件価格を見て、相変わらず高止まりしているなぁと感じている方は多いと思います。リーマンショック後の安値時期の物件価格を100%とすると、現状は120%~130%くらい。このような時期は、人によって戦略と動き方が変わってきます。具体的には、「購入すべき人」と「購入してはいけない人」がいるということです。(『1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』姫野秀喜)

プロフィール:姫野秀喜(ひめの ひでき)
姫屋不動産コンサルティング(株)代表。1978年生まれ、福岡市出身。九州大学経済学部卒。アクセンチュア(株)で売上3,000億円超え企業の会計・経営計画策定などコンサルティングに従事。合間の不動産投資で資産1億円を達成し独立。年間100件以上行う現地調査の情報と高い問題解決力で、顧客ごとに戦略策定から実行までを一貫してサポートしている。

あなたはどっち?いま不動産を買うべき人、買うべきではない人

リーマン直後は東京23区内に利回り13%の物件がゴロゴロしていた

リーマンショック後の最安値を100とした場合、現状の不動産は120%~130%くらいの価格で推移しています(首都圏の相場)。つまり、現状利回り8%の物件は、リーマンショック後だと9.6%~10.4%程度の利回りを出していたということです。現状で10%のものは、12%~13%程度もはじき出していたということです。

信じられますか? 東京23区内でまともな物件が、利回り13%を出すって。まともなというのは、再建築不可でもなく建蔽率容積率オーバーでもなく借地でもなく、違法民泊でもシェアハウスでもなくて、銀行評価がまっとうに出るということです。

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一般的には、今は買う時期ではない

最近、1年前に売り出された物件が、値上がりして売られているのをちらほら見かけます。業者は強気の姿勢を崩してはいません(まぁその物件は売れないでしょうけどね)。

商売の原則は、安く仕入れて高く売ることです。不動産投資も広い意味では商売と言えますので、この原則にあてはまります。安く仕入れて高く売る(家賃をもらう)、これができないと商売は成り立ちません。そういう意味では、今は安く仕入れられない時期ということになります。

面白いもので、土地の値段は5年・10年単位で動きます。絶対とは言い切れませんが、あと5年・10年経ったら、結構値下がりしている可能性は高いです。

つまり一般論で言えば、今は買う時期ではないということになります。

しかし、そんな時期でも「買うべき人」というのがいます。また、逆に「買うべきではない人」もいます。

Next: 買い時とは言えない現在でも「買うべき人」がいる? その特徴とは



いま、不動産を買うべき人

今は値上がりしている時期です。一般論としては買ってはいけない時期です。でも、買うべきか買わざるべきかは、それぞれの置かれた立場によって変わります。

では、いま「不動産を買うべき人」の特徴を見てみましょう。

【買うべき人の特徴】

・年収が低い人
・年齢が高い人
・サラリーマンを早くリタイアしたい人

年収が低い人は、融資の緩い今の時期に1棟でも実績を重ねる必要があります。今は比較的に融資が出やすいので、そういう時期に失敗しないレベルの利回りの物件を買っておく必要があります。将来、融資が厳しくなったときでも融資をしてもらえるかは、投資家の実績次第になります。よって、この時期は5年後の将来への布石、実績作りとして、失敗しない物を買うのが良いと思います。

また、年齢が高い人は、ローンの期間が問題になります。融資は30年近いローンを組みますので、年齢が高いと不利になります。それなりの年齢だが、これから何棟も増やしていきたいと思っている方は、1年でも2年でもムダにしないように早めに行動する必要があります。

次にサラリーマンを早くリタイアしたい人ですが、これも本人の意志の問題です。ゆったりと構えていたくない、アーリーリタイアしたい、そういう意志を持っている人であれば、やはり1~2年をムダにするわけにはいかないので、早めに行動した方が良いです。

上記の人たちはライフイベント上、早めに行動しなくてはいけないわけですが、死中に活を求めるレベルで物件を見抜いて購入していかなくてはなりません。決して、業者の持ってくる案件を鵜呑みにして買ってはいけません

いま、不動産を買うべきではない人

次に「買うべきではない人」の特徴を見ていきます。

【買うべきではない人の特徴】

・年収が高い人
・年齢が若い人
・既に資産がある人(地主等)

年収が高い人は、今から5年が経って融資が厳しくなったとしても、まだ融資を引き出せる可能性は高いです。

また年齢が若い人は、あと5年経ってもまだまだ30年の長期ローンを引き出せる年齢ですし、その時に出世していれば年収も上がってより有利な条件になりますので、無理して今割高な物件を購入しなくても良いでしょう。

最後に、地主や一代で資産を築き上げた富豪なども、現時点では買うべきではない人です。資産を持っている人は、その資産を担保に、どんな時代でも銀行から融資を引き出すことができます。しかも、地主であればどんな年齢でも、息子達に相続させる前提で長期のローンを組むことが可能です。つまり、今、高値づかみで不動産を買う必要はないということです。

ただしあまりに高齢で、いつ相続が発生するかわからない状況にもかかわらず、相続対策ができていない人は、急ぐ必要があります。とはいえ、相続が必要なほど資産を持っている人は、生まれたときから相続対策をしているものですので、焦る必要はありません。

また、最近、相続税の課税対象が広がったからギリギリ相続税が課税される人たちは、実は何も対策などせずに、相続税を支払った方が結果として安い可能性が高いです。結局、相続対策として急いで今の高値の不動産を買うべき人は、資産家の中にはいないと言ってもいいでしょう。

高値でも安値でも不動産を買うべきかどうかは、自分自身のライフイベントに照らし合わせて考えてくださいね。

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1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』(2017年3月24日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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