福島から自主避難する人たちへの支援を国が打ち切る問題で、今村雅弘復興大臣が会見をしたのですが、記者から責任を問われて激高し、「撤回しなさい」「出て行きなさい」と上から目線の発言を連発しました。安倍内閣が人材難なのか、それとも無能を復興大臣にしているのか。本来であれば一発レッドカードを喰らうレベルの話ですが、辞任が囁かれることはありません。
かつては原発事故で人がいなくなった街を「死の街」と表現して辞任させられた大臣もいましたが、それよりもよほど酷い今村復興大臣。そのファッションセンスにもイカれたお人柄がよく表れていましたので、緊急コラムを書かせていただきます。（『原発ニュース最新情報』ちだい）
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記者会見場の中心で「自己責任」を叫んだ今村雅弘復興大臣
閣議、逃げ出した後
「原発ニュース最新情報」などというメルマガを書くほど原発問題に強い関心がある僕のような人間を除き、本来であれば、まったく脚光を浴びるはずのなかった記者会見。その記者会見が、突如として注目されるようになったのは、今村復興大臣が記者に激高したためでした。
なぜ、今村復興大臣は激高したのでしょう？まずは事の経緯を遡ってみると、この記者会見は、日頃から行われている閣議後の記者会見でした。今村復興大臣に質問したのは、どこかの新聞記者ではなく、フリーのジャーナリストです。
大臣を怒らせて取材を受けてもらえなくなったらメシが食えなくなってしまう大新聞の記者たちは、突っ込んだ質問なんてしません。
なので、この日もいつものように大した質問もせず、突っ込みもせず、シャンシャンで普通に終わる予定だったのですが、会社に迷惑をかける心配のないフリーのジャーナリストが紛れ込み、しつこく責任を追及してきたため、今村復興大臣はうっかり激高してしまったのでした。あんまり勉強していない、もしくはポンコツなので、突っ込まれたことに対してロジカルに切り返すことができず、思わずキレてしまったのです。
嘘と逆ギレ
人はキレると、つい本音を言ってしまうもの。この記者会見で激高した今村復興大臣は、「自主避難している人は、自分の判断で（勝手に）避難しているのだから、自己責任だ」と言い放ちました。
「被災者のことは福島県の人が一番詳しいのだから、外部である国の関係者があれやこれやするより、福島県の人が主体となって動いて、国が福島県をサポートした方がいい」というのが今村復興大臣の言い分でしたが、福島県は人口や税収が減ることを心配し、とにかく帰還させる政策を進めています。
自主避難している人たちは「今はまだ帰還できない」と考えている人たちであり、国がその人たちの支援を止め、福島県に任せて帰還を求めるのは、あまりにも無責任ではないかというのが記者の言い分です。
本来であれば、「今はまだ帰還できないと考える人たちには、これこれこういうサポートを用意しているので、福島県に任せても大丈夫なんです」と答えてこそ、復興大臣としての「責任」が見えてくるのです。
しかし先ほども申し上げたように、今村復興大臣は自主避難者の実状なんて1ミリも知らない、もしくはポンコツなので、ロジカルに説明することができず、とうとう「今村大臣が自主避難者の実状を知らないからじゃないですか？」という図星の言葉を向けられ、「失礼だな、君は！撤回しなさい！出て行きなさい！」と激高してしまったのでした。
「復興大臣」というぐらいですから、福島第一原発事故を含む東日本大震災からの「復興」を誰より考えなければならないポジションにいるわけですし、当然、「自主避難者の今後」というテーマについても考えなければならないはずです。
国の造りしもの
あれだけの事故を起こしてなお「原子力発電を国の重要なベースロード電源として位置づける」などとホザているのですから、これが国策であることは明らかです。これまでもこれからも国策として進めている原発が事故を起こし、人々が避難せざるを得なくなっているのだから、当然、国にも責任があるでしょう。
リニアモーターカーを建設するお金はあっても、被災者を助けるお金がないことを理由に「年間20ミリシーベルト以下であれば人々は帰れる」という原子力利権でウマウマしている商業科学の科学者が示す根拠をもとに、拒否したら「自己責任」だと放り出される国。
この理論がまかり通るようになれば、そのうち「病気になるのは自己責任だ」と言われて、お金がない人が医療を受けられなくなる日も近いでしょう。もう既に「透析患者は自己責任で、金を払えない奴は死ね」と言い放つアナウンサーが日本維新の会の公認を受けて国会議員に立候補しようとしているぐらいですから、リアルな話です。
実際に福島第一原発事故のせいで困っている被災者はいるわけですから、復興庁が中心となって考えなければならないはずです。それを「自己責任」という言葉で片づけることが、果たして国の責任を果たしていると言えるのでしょうか。
何人目の不適格者？
今回の一件で、今村復興大臣がポンコツジジイであることが可視化されてしまいましたが、そういえば前任の復興大臣は高木毅先生で、高木先生と言えば、若かりし頃に女性のお宅に侵入してパンティーを盗んでしまったことが報じられ、「パンツ高木」の愛称で親しまれる原発王国・福井県が選出した国会議員。
一度は否定したパンティー疑惑ですが、自民党の権力争いによって、お仲間の議員に「私が調べましたが、パンティーの事件は本当です」と売られてしまう始末。変態のパンツ泥棒が復興大臣なんて世も末だと思っていましたが、新たに就任した今村雅弘先生も老害100％だと分かり、安倍内閣は人材難である、もしくは、あえてポンコツを復興大臣に据えていると言えるのではないでしょうか。
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被災者の心配より『エヴァンゲリオン』今村復興大臣の痛すぎるセンス
今シーズンは、僕の大好きな桐谷美玲ちゃんが『人は見た目が100パーセント』というドラマに出演しますが、ファッションが人柄を示すことはよく知られています。そして、ファッションというのは時にTPOによって使い分ける必要が生じます。
葬式にキンキラキンの派手な格好で行く人がいたとすれば、それはあまりに非常識だし、紅白のおめでたいネクタイで葬式に参列しているのだとしたら、それは「メッセージ」として受け止められることでしょう。
百歩譲って、ただ純粋に社会常識がないだけならバカの一言で片付けられますが、あえて「紅白のしましまネクタイ」で葬式に来た人がいれば、「死者に対してよほどの恨みがある」と受け取られてもおかしくありません。
折しも、記者会見が開かれた4月4日は、国が原発事故による自主避難者への支援を打ち切った直後。被災者に寄り添った具体的なサポートもないまま、「住む」という生活基盤を奪い去る、被災者の生き死ににも関わる重大な決断をしたわけですから、こんなふうに激高する場面がなかったとしても、ファッションにはそれなりの気を遣っていただきたいと思うのです。
いや、厳密に言うと、別の方向に気を遣ったから、こんなクソみたいなファッションで登場したと思うのですが、今村復興大臣がこの日の会見で着けていたネクタイ、それはオタクでさえ恥ずかしくてつけられないような「エヴァンゲリオン」のネクタイでした。
ビジネスの場でさえ、あんなネクタイをつけていたら怒られるレベルでしょう。それを被災者の生死に関わる決断の直後につけたのですから、イカれているとしか言いようがありません。国の政策に従わない者は「自己責任」なので、路頭に迷おうが、明日死のうが知ったこっちゃないと言わんばかりの支援打ち切りを進め、少しくらい被災者に対して心苦しいと思っているのかと思ったら、そのネクタイが『エヴァンゲリオン』なのです。
今村雅弘先生、御年70歳。綾波レイが好きで好きでたまらなくて、家に等身大フィギュアの一つも飾り、抱きしめながらペロペロしていると言うなら平常運転ということで納得しましょう。しかし、おそらく先生はチョコ菓子の「エクレア」と「アスカ・ラングレー」の区別もおつきにならないんじゃないかと思うのです。
このファッションが何を意味しているのかと言えば、福島ガイナックス様の宣伝です。「被災地のネクタイだから」とか「福島を応援しているから」とか、一生懸命美談で取り繕おうとしていますが、自主避難している人も被災者なのです。被災者の生死がかかった問題に、エヴァンゲリオンのネクタイで出てくる神経。帰還しない人は明日死んでも関係なく、被災地に会社を作ってくださった福島ガイナックス様の売上の方が大切だということです。
この日に限っては落ち着いた色のネクタイにしようなんてことは微塵も考えなかったわけなので、こんなクソみたいなネクタイをつけて記者会見をしている時点で、人間としてクソ野郎です。人格を否定されても文句を言えないと思います。
あえて『エヴァンゲリオン』からセリフを借りるなら、今村復興大臣に「あんたバカァ？」と言ってやりたい。こんなに人の気持ちを考えられない人間に復興なんてできるはずがないので、今すぐにお辞めいただきたいというのが一国民の声でございます。ありがとうございました。
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2017年4月4日号 目次
［最新情報1］政府が森友学園が送った手紙を提出
［最新情報2］森友学園の理事長宅が仮差し押さえ
［最新情報3］総理大臣夫人付の職員にはノーコメント
［最新情報4］松井一郎が百条委員会不要と示唆
［最新情報5］安倍首相は余裕のゴルフをぶちかます
［最新情報6］今村復興大臣が記者に激高する
［最新情報7］川内原発の外部電源の１系統が止まる
［最新情報8］玄海原発再稼働が13日にも可決
［最新情報9］4歳男児に「甲状腺がん」が確認される
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです（2017年4月6日）
※太字はMONEY VOICE編集部による
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