この世には選挙を「ヤラセ」だと思っている人がいる。投票の集計に使われる機械が一社独占となっていて、その機械が自民党の票を増やしているというのだ。本当だろうか?(『原発ニュース最新情報』ちだい)
※本記事は、『原発ニュース最新情報』2016年6月14,24日号の一部抜粋です。興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。月初の購読は特にお得です!
「自民党の支持者ってそんなに多い?」本当に多いのだ
選挙で「ヤラセ」は起こるのか
この世には、選挙を「ヤラセ」だと思っている人がいる。
理由は、投票の集計に使われる機械が一社独占となっていて、その機械が自民党の票を増やしていると考えているからだ。自分の周りに自民党を支持している人は少ないのに、いつも自民党が圧勝するのはおかしいというわけだ。
しかし、「選挙ウォッチャー」という職業を始めた僕は、今のところ、選挙に「ヤラセ」は存在しないと考えている。オリンピックの開催地は八百長だったかもしれないが、集計システムを使ったヤラセは起こっていないと考えているのだ。
もし、本当にそんな「ヤラセ」をするなら、この秘密が漏れないように少人数で運営する必要があるし、「なぜ毎回、自民党が圧勝するのか」という答えは、純粋に自民党に投票している人が多いからだ。
もしかしたら、「本当にそんなに多い?」と思うかもしれないが、本当に多いのだ。
キャバクラ嬢の「3大タブー」
キャバクラなどの水商売で働く人たちが古くから「3大NG」としている話題は、「政治・宗教・野球」だという。大阪のキャバクラで「今日は巨人が勝って嬉しい」なんて言ったら、きっと多くの客が不快になるように、政治や宗教の話も触れてはならないとされている。
これは水商売ならずとも、人間関係を円滑に進めるためには必要なことで、いちいち「あなたは何教のどの宗派を信仰していますか?」とか「あなたは自民党支持者ですか?」なんて質問はしない。だから知らないだけで、自民党を支持している人は意外と多く、世論調査の結果を正しいとすると、国民の約3割は自民党を支持している。
ただし、ここからが面白いところだが、「なぜ自民党を支持しているのか」という理由については、実にふわっとしている。「だって自民党じゃないと回らないでしょ」とか「民進党なんて嫌いだもん」みたいな話だったりするのだ。
世界的に経済が回復している中で、強烈に貧富の差を拡大しただけで、庶民の生活がろくすっぽ改善されていないアベノミクスにご満悦な人々が、国民の約3割を占め、そのほとんどはイメージで語っているということだ。
イメージがどれだけ大切かがよくわかる。安倍政権がメディアのボスたちに寿司を食わせる理由もわかる。
ホリエモンと中卒ニート
日本人は、ホリエモンが好きだ。かなり過激なことを言っているが、東大卒で、事業で一時代を築くほどの大成功を収めた人物ということで、「この人の言うことは面白い」と思っている人は多い。
しかし、まったく同じことを中卒のニートが語っていたと考えてほしい。同じことを言っていたとしても、人々は「黙って働けよ、クズ!」の一言で片づけてしまい、誰も相手にしないことだろう。
僕もまた最初に「選挙ウォッチャーという職業を始めた」という断りから始めているので、読者の皆様に多少は受け入れられるかもしれない。「中卒のニートですが語らせてもらいます」から始めたら、やはり「黙って働けよ、クズ!」の一言で片づけられたあげく、「選挙はヤラセだよ!」と思われてしまうかもしれない。
世の中は誰が語るかも大事で、その人のイメージも大事なのだ。嫌いな人の意見はどんなに面白くても受け入れてもらえない。
その最たるものが政治家であり、例えば、国民から壮大なスケールで嫌われてしまっている舛添要一氏は、もう何を言っても信用してもらえない。今さら舛添氏が都知事としての仕事はちゃんとしていたかもしれないことを触れる人はいない。
これからの政治家は、企業と同じように宣伝が必要だ。そういう意味で言うと、メディアも巧みに使い、最もイメージ戦略にこだわっているのは、安倍晋三や橋下徹かもしれない。これからは政治家がどんどんテレビに出てくるようになるかもしれない。さまざまなバラエティー番組に出演するようになってきたら、日本は終わりだろう。
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それでも若者が「自民党」を選ぶたった1つの理由
18~19歳の若者は、多くが「自民党」に投票すると予想されています。当たり前です。
自民党に投票する若者が少ないとわかっていれば、そもそも18歳や19歳に選挙権を解禁しようとは言いません。自分たちに有利になるから解禁されたのです。
しかし、18歳や19歳の若者は、自民党に何か良い思い出があるわけではありません。政治のことをよく知らない若者が、投票した時に一番バカにされない政党が「自民党」であるというだけです。
「どこに投票したの?」と聞かれて「共産党」と答えた日には、「どうしてそんな政党に投票したんだ!」と言われるに違いありません。
あるいは「民進党」と言っても、「どうせ政権交代しても何もできないような無意味な政党に入れるんじゃない!」と言われるだけです。
本当は「自民党」だって目クソ鼻クソですし、創価学会とくっつき、自分たちは「神道連盟」や「日本会議」、安倍晋三にいたっては「統一協会」から支援を受けているカルトまみれの政党なのに、誰もそんなことに興味がないし、「やっぱ自民党しかないよねぇ!」ぐらいになっている現実。
18~19歳の若者に自民党の正体を教えてくれる人はいないし、未成年の男性を議員宿舎に呼んで、お金を払ってケツの穴を掘らせてもらっている議員もいたのに、若者たちはそんなの知らないんです。
フジロックに「音楽に政治を持ち込むな!」という批判が殺到するぐらい日常生活に政治の話を持ち込むのがタブーになりつつある日本。これだから日本の政治は腐敗するし、アホみたいな政治家が堂々とアホみたいな政治をしてしまうのです。
やはり日常的に政治の話をしていくしかないのではないかと僕は思うのです。
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日本国民とイギリス国民、本当に「愚か」なのはどっち?
ご存知の通り、イギリスはEUを離脱することが決定しました。連日、イギリスがEUを離脱するなんて愚の骨頂だと言わんばかりの報道がなされていますが、こうなった時は逆に気をつけた方がいいと思います。
確かに、イギリスがEUを離脱することは、デメリットも大きく、特に日本にとってはデメリットが大きいです。「何なんだよ、イギリス!」と言いたいのも分かりますが、まるで愚の骨頂であるかのような報道を続けるというのは、いかがなものかと思います。
安倍政権に対しては、どんなに愚の骨頂のような政治をしていても、だんまりを決め込むくせに、イギリスに対しては罵詈雑言の数々を投げかけるかのごとく、徹底的に糾弾しているようにすら見えてきます。
「日本のデメリットが大きいじゃないか!」と怒るだけなら、僕はまだ理解できるのです。だって、その通りですし、憤る気持ちは分かるから。しかし、「イギリスは間違えている!」という論調は、理解ができません。
それはイギリスの選択であって、彼らは正しいと思ってやっていて、どこにも答えのない問題だからです。だから気をつけるべきです。
少なくとも、イギリスがEUを離脱するまでには2~3年かかると言われていますが、しばらくはEU圏が不安定な状態になると思います。そうなれば円高が進み、円高になれば株安が進みます。
僕たちの年金を突っ込んで株を上げようと試み、結果としては、僕たちの年金を溶かしただけで終わったアベノミクス。年金をリスクの高い株で運用していくなんて、頭がイカれているのです。
日本だって愚の骨頂みたいな政治をしているくせに、まるでイギリスが愚かであるかのような報道を繰り返し、まるでEU離脱が不正解のように言っていますが、もしかして長期的に見れば、離脱は正解かもしれません。目先のものだけを見て批判していないでしょうか。
どうせ批判をするなら、しっかりと奥の方まで見て批判するべきで、世の中の論調に同調して批判しているようなことだと、大切なことを見失ってしまうように思うのです。僕は「選挙ウォッチ!(仮)」という本を執筆中ですが、イギリスの国民投票についても触れていこうと思っていますので、楽しみにしていてください。
※本記事は、『原発ニュース最新情報』2016年6月14,24日号の一部抜粋です。興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。月初の購読は特にお得です!
『原発ニュース最新情報』(2016年6月14,24日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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