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普通の人でも明日から使える「すごい企画書」の作り方・通し方=久恒啓一

よい企画を立て、それを組織の中で通し、実現するためには何が必要?企画感覚の磨き方から、すごい企画の具体的な立て方、周囲の協力の得方まで、詳しく図解します。(『久恒啓一メールマガジン 図解達人への道』)

※本記事は有料メルマガ『久恒啓一メールマガジン 図解達人への道』2017年4月6日、13日、20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

一目置かれる「すごい企画書」は何が違うのか?作り方大図解

企画感覚の磨き方

企画力を身につけるには、まず、「企画感覚」を磨くことが必要です。この「企画感覚」には、情報に対する感度である「感知力」と、事件や事象の意味や本質をつかみとる「解読力」があります。

(1)「感知力」を身につける

五感を研ぎすます」という言葉があります。五感とは、視覚(見る)、聴覚(聞く)、触覚(触れる)、味覚(味わう)、嗅覚(嗅ぐ)の5つの感覚のことです。

人間は考えるより先に、まず、これらの感覚が働きます。感覚が鋭ければ鋭いほど、情報を取り込む力が大きくなります。五感の鋭い人は、普通なら見逃してしまうような小さな事象を、瞬時にアンテナでキャッチできます。そして、それが価値のある情報かどうかをすばやく判断してしまいます。

このように、五感を磨いておくことは、情報に対する感度である「感知力」を身につけることになります。

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(2)「解読力」を身につける

「企画感覚」には、五感による「感知力」とともに、もう1つ重要な能力があります。ものごとの意味・本質をつかみとる「解読力」がそれです。

頭脳をフル回転させて、事件や事象の意味や本質を表面的な解釈に惑わされることなく把握する訓練をしてください。

ここで、「企画感覚」を磨くための「感知力」と「解読力」の関係について、図解してみましょう。

ビジュアルな図解は、こうした「解読力」をつけるうえで、とても有効です。図解を活用して、「解読力」を高めるようにしたいものです。

Next: 「すごい企画」を立てるための、4つの必須スキルとは?



すごい企画の立て方

(1)「発想力」を身につける

よい企画を立てるには、優れたテーマ設定が重要な決め手になります。平凡なテーマからは、やはり平凡な企画しか出てきません。きらりと光る問題意識や、優れたテーマ設定ができる「発想力」を身につけることが求められます。

優れた発想や斬新な発想は、世の中の優れた企画やアイデアになるべく多く接することで、おのずと身につくことが多いようです。

「発想力」を身につけて、よい企画づくりに挑戦したいものです。

(2)「情報力」を身につける

企画力のポイントの1つに「情報力」があります。企画のよしあしは、企画に役立つ情報を効率的に収集できるかどうかで決まってしまいます。

情報には、書籍・雑誌や資料類などで手に入る文字情報や、関係者へのインタビュー記事などによって得られる音声情報、図解やテレビ・ビデオなどから入手できる視覚情報などがあります。

短時間で要領よく情報を集めるには、文字情報だけでは限界があります。上記のような音声情報や視覚情報がうまく活用できるようになれば、「情報力」が高まり、効率的に情報収集できるようになります。

(3)「編集・構築力」を身につける

収集した情報を整理し、1つのまとまった体系に組み上げていく作業を「編集・構築作業」といいます。これらの作業では、相互の情報を関係づけながら、わかりやすい全体像を取り出す能力が問われます。

多種多様な情報群を整理し、編集するときも、ビジュアルな図解が大いに役立ちます。ビジュアル化に慣れ親しむことで、「編集・構築力」が大きく高まるからです。

ビジュアル化を手がかりに、「編集・構築力」をつけ、企画に役立ててください。

(4)「デザイン力」を身につける

「編集・構築力」が、集めた情報を組み立てて、1つの体系にまとめていくのに対して、テーマに沿って戦略的に大きく絵を描く能力も必要になります。そうした能力を、ここでは「デザイン力」と呼びます。

企画を立てることは、新しい考え方を提示することです。そのためには、戦略的な構想に基づいて大きな絵が描ける「デザイン力」がないと、インパクトのある企画になりません。

ここで説明してきた能力を高め、それを総合することで、「よい企画」が立てられるようになるのです。

Next: 「すごい企画」も通らなければ無意味。組織の中でどう立ち回る?



企画を実現する方法

(1)「組織力」を身につける

せっかく立てた企画も、採用されなければ意味がありません。できあがった企画を、自分の組織や相手の組織に合った形で通す力を、ここでは「組織力」と呼ぶことにします。

自分の持っている資源を総点検し、最大のパワーを発揮するよう組織化します。また、相手側の組織を研究し、意思決定のメカニズムを熟知したうえで、だれに、いつ企画を説明するかを決めましょう。

(2)「伝達力」を身につける

企画を相手に売り込む「伝達力」についても同じことがいえます。いくらすばらしい企画を立てても、その趣旨を相手に適切に伝えられなければ、相手の賛同を得ることは難しくなります。

自分の企画に自己満足しているだけでは、何にもなりません。その企画がいかに優れているか、その特長をわかりやすく相手に伝える努力が重要になるわけです。

この点についてはまた別の機会に解説しますが、ここでは、図解化が企画を売り込む「伝達力」の決め手になるということを理解しておいてください。

(3)「総括力」を身につける

どんなに優れた企画も、実行段階に入ると予期しなかったトラブルが発生したりするものです。実行段階で、さまざまなトラブルに対処することは必要なことですが、同時に教訓を蓄積していくことが大切になります。

企画は、実行されたら終わりではありません。企画のもたらした効果を冷静に把握し、評価し、総括することが、つぎの企画に向けての準備にもつながります。

ここでは、企画のもたらした効果を把握し、評価し、総括する能力を「総括力」と呼ぶことにします。

以上、企画を実現するための「組織力」「伝達力」「総括力」の関係を表した図が下になります。


※本記事は有料メルマガ『久恒啓一メールマガジン 図解達人への道』2017年4月6日、13日、20日号日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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久恒啓一メールマガジン 図解達人への道』(2017年4月6日、13日、20日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による

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文章と箇条書きを中心とするコミュニケーションは、組織の生産性を3割ほどもダウンさせているのではないか。こういった観点から私は過去20年にわたって、「図解コミュニケーション」という考え方を提唱して活動を続けてまいりました。図解コミュニケーションの核心は、理解力や伝達力の向上以上に「考える力」の獲得にあります。企画力、構想力、思考力を鍛えることが個人にとっても組織にとっても喫緊の課題です。受講者との交流を大事にしながら、図解コミュニケーションの達人を数多く輩出していく場にしたいと念願しています。

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