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また北朝鮮がミサイル発射!いま個人投資家が知るべき本当の敵は?=児島康孝

北朝鮮による14日早朝の弾道ミサイル発射が意外感をもって受け止められています。こんな時こそ投資家は「両にらみ」の姿勢で市場に対峙することが重要です。(『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』児島康孝)

リスク回避ですべてを現金化する…本当にその投資戦略で大丈夫?

北朝鮮が弾道ミサイル発射

聯合ニュースによると、北朝鮮は5月14日早朝に弾道ミサイルを発射、菅官房長官が午前6時半から官邸で記者会見を行いました。

菅長官の発表によると、北朝鮮は5時28分頃に北朝鮮西岸から弾道ミサイルを発射。ミサイルは30分程度飛んで日本海に落下した模様ですが、6時半現在、日本での被害はみられません。6時40分過ぎには安倍総理大臣が緊急の会見を官邸入口で行い、北朝鮮を非難しました。

さて、今回の北朝鮮の弾道ミサイル発射は意外感をもって受け止められていますが、それはなぜでしょうか?

それは、韓国で「親北」とみられる文在寅(ムン・ジェイン)氏が大統領に選出され、アメリカと北朝鮮も北欧で水面下の交渉を行ったばかりで、融和ムードが一部でみられていたからです。

また、中国ではきょうから「一帯一路」サミットが開かれるというタイミングでもあり、北朝鮮もこれに参加するため、代表団が中国入りしていました。
※一帯一路:中国と欧州を結ぶ内陸ルートと海側ルートで経済開発を行う計画

このようなタイミングなので、北朝鮮のミサイル発射は意外感をもって受け止められているのです。

【関連】米国の北朝鮮攻撃は期待薄?トランプのシナリオに翻弄される日本=近藤駿介

サイバー攻撃との関連は?

きのう13日には、世界各国への大規模なサイバー攻撃が明らかになっています。このサイバー攻撃は、メール添付などの手口で利用者のパソコンをロックさせ、その回復費用を請求するというものです。

アメリカのテレビなどではトップニュース扱いで大きく報じられており、大きな波紋を呼んでいます。

世界規模でのサイバー攻撃に続き、北朝鮮がミサイルを発射するなど不穏な状況。北朝鮮のミサイル発射にアメリカがどう反応するのかなど、きょうは注意が必要でしょう。

しかしこんな時こそ、投資家は「両にらみ」の姿勢でマーケットに対峙することが重要になってきます。

Next: 「言うことと、やることが全然違う」海外ファンド勢に騙されるな



海外ファンドや著名投資家のコメントに騙されるな

マーケットでは、市場が崩壊するとか、大恐慌とか、いかにも恐ろしい局面が定期的に発生しますね。そんなときは、欧米のファンド著名な投資家も、メディアのインタビューに応えて、市場の見通しについて売り煽るかのようなコメントを出します。

それを見聞きする側の個人投資家としては、「これはすべてをキャッシュポジションにしなければ大変だ!」と、つい思ってしまいますよね。

ところがこんなときでも、欧米のファンド運用者は、実はそれほど売っていないのです。いわゆる「買い」「保有」「値上がり追求」の株式ファンドの場合ですと、緊急対応でもキャッシュは3割が普通です。

言っていることと、やっていることは違う。または違うように見える、ということです。

素人がハマる「逆に危険なパターン」

恐ろしい話のオンパレードという状況では、一般的な感覚では、キャッシュ7割とか、キャッシュ10割にしますよね。保有株式を全部売り払ってリスクを避けるわけですが、実はこれが逆にリスクとなる場合があるのです。

このメルマガでは常々、北朝鮮情勢について、大きなリスクをお伝えすると同時に、「両にらみ」をするよう勧めています。

具体的には、日本が核ミサイル攻撃を受けるようなワースト局面と、南北朝鮮が平和的に統一するようなベスト局面です。これは「どちらもあり得る」という意味です。

リスク対応で保有株式をすべて現金に替えてしまった場合、南北統一が電撃的に実現して株価が暴騰する、といった局面に対応できません。ですから、大きなリスクに対応する場合でも、キャッシュポジションは3割とか、よほど大きなリスクでも4割までなのです。

仮に欧米のファンド運用者に話を聞く機会があれば、「恐ろしい話」を盲信するだけでなく、「それで、キャッシュポジションは何割にしたの?」と聞くべきです。

それでもし「3割にした」という回答が返ってくるとしたら、あなたも「何じゃそりゃ?」と思いますよね。でも、それが現実なのです。ファンド運用関係者の話は、それがたとえ恐ろしい内容であっても、「で、実際どうなの?」の部分が重要であることを覚えておいてください。

超長期の景気サイクルは上昇転換中

これがこのメルマガで「両にらみ」をお勧めしている理由ですが、さらに現在のように、超長期の景気サイクル「コンドラチェフサイクル」が上昇転換している局面では、「空売り」や「リスク回避の円買い」はなかなか厳しいわけです。

【関連】やはり日本の「バブル景気」は始まっている!2つのシグナル=児島康孝

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ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』(2017年5月14日)より抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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