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金塊密輸事件と日本の裏社会~地下経済の玄関口「九州」でいま起きていること

2016年の夏頃から「金塊」の密輸・強奪事件が相次いでいます。これら一連の事件の舞台は北九州。この地域が地下経済の新たな入り口であることを暗示しています。(『カレイドスコープのメルマガ』)

※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2017年6月8日第209号パート1の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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九州が地下経済の入り口に? 生き残りをかけて金塊へ走るヤクザ

金塊密輸ルートの点と線

2016年の夏頃から、「金塊」の密輸・強奪事件が相次いで起こっています。

これら一連の事件の舞台となっているのは北九州

それぞれの金塊密輸事例は、この地域が、地下経済の新たな入り口になっていることを暗示しています。<中略>

九州ヤクザの新たな資金源

2016年夏から立て続けに起こっている金塊強奪事件を時系列に並べて見ると以下のようになります。

・2016年7月8日 福岡市博多区のビルで、貴金属会社役員の男性らが金塊160キロ(約7億6000万円相当)を警察官を装ったグループに盗まれる。

・2017年3月21日 大阪市職員の男が韓国から福岡空港に金塊約3キロを持ち込もうとして関税法違反容疑で逮捕される。

・2017年4月20日 福岡市・天神で会社員男性が金塊取引のため銀行で現金を引き出した直後に襲撃され、現金約3億8400万円を奪われる。

・2017年4月21日 東京・銀座の路上で自営業男性が金塊売却後現金4000万円が入ったバッグを奪われる。

・2017年5月22日 金塊160キロが盗まれた事件で、6人が窃盗容疑などで逮捕(29日までに更に4人逮捕)。

・2017年5月24日 韓国から福岡空港に金塊6キロを密輸しようとしたとして、韓国人4人が関税法違反容疑で再逮捕。この4人は、4月に約7億3500万円を所持して香港行きの航空機に搭乗しようとして同容疑で逮捕。

そして、今回の佐賀県唐津市の漁港で金塊とみられる貴金属の塊206キロを積んだ漁船が差し押さえられた事件…

東京・銀座の路上で金塊を売却した代金4000万円が奪われた事件以外は、すべて九州で起きています。

Next: 生き残りをかけて何でもやるヤクザ。なぜ日本警察は沈黙?



生き残りをかけて何でもやるヤクザ。なぜ日本警察は沈黙?

貴金属取引の専門家によれば、「日本の地下組織“ヤクザ”が新たな収入源を求めて、より実入りの良い新しい犯罪ビジネスに移っているに過ぎない。こんなものは氷山の一角に過ぎない」とのこと。

こうした一連の「金塊」強奪事件について、警察庁の組織犯罪担当者は多くを語りたがらないようです。さらに、日本の捜査当局は、韓国、中国本土、台湾、香港に地理的に近い九州が、明らかに日本で増大している金密輸ビジネスの拠点となっているにもかかわらず、これについて徹底的に沈黙を守っています。

暴対法で「みかじめ料」や「恐喝」では稼げなくなった

『Tokyo Vice』の著者で、日本の「ヤクザの地下経済」に詳しい、ジェイク・エーデルスタイン(Jake Adelstein)は、「金の強奪と密輸犯罪が急激に増加しているのは、日本のヤクザが新たな資金源を金(ゴールド)の非合法な取引に求めるようになったからだ」と言っています。

5年前に、「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(通称:暴対法)」に、「特定危険指定暴力団」「特定抗争指定暴力団」を指定するなどの対策が盛り込まれてから、ゆすり恐喝みかじめ料といった、過去何十年もの間、ヤクザの生計を支えてきた伝統的な収入源に対する取締りがいっそう強化されて以来、日本の暴力団は、生き残りのために何でもやってきました。

西日本、特に九州の暴力団は、金(ゴールド)の非合法取引に、その活路を見出そうとしているのです。

Next: ヤクザが「金(ゴールド)」に目をつけた本当の理由とは?



銀行がヤクザの口座をシャットアウト、頼りはゴールドだけ

ジェイク・エーデルスタインは、「日本の銀行は、組織犯罪グループのメンバーによって運営されている口座に対する規制を冷酷に実施している」と述べ、「金(ゴールド)は銀行口座を持っていない場合に非常に有用な通貨として機能しており、さまざまな大きさに分割して持ち運びができるため、犯罪組織にとってはなくてはならないものになりつつある」と言います。

全容解明に及び腰の警察とマスコミ

金(ゴールド)は、何千年もの間、「正貨」であり続けてきました。

一時期、日本やメキシコのように、銀(シルバー)で代替えされた時代もありましたが、金(ゴールド)は現代でも「正貨」であることに変わりはないのです。ところが――
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共謀罪の強行採決との関連性

日本円は奴隷の通貨

変化しているのは金(ゴールド)の価値ではなく通貨の価値のほう

※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2017年6月8日第209号パート1の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した全文や、6月10日に配信された「第209号パート2 地下経済に流れ込む闇の金(ゴールド)と忍び足で近づく金融崩壊(その2)」もすぐ読めます。

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・米国の経済指標は信用に値しない
・景気の実態を反映していない米国の「つくられた」経済指標
・インフレ調整すると、金(ゴールド)の値はほとんど変わっていない
・貴金属投資コンサルタントは口をそろえて「1万ドルになる」と言う
・4~5年後には、金(ゴールド)鉱山の生産量が劇的に落ちる
・金(ゴールド)の生産は、2015年がピークだったかもしれない
・アリゾナ州は経済崩壊に備えて金貨に課税する法律を撤廃した
・「大不況の回避地として、アリゾナ州は魅力的だ」-ロン・ポール

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「カレイドスコープ」のメルマガ』(2017年6月8日第209号パート1より一部抜粋、再構成

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