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想定外の株高も? トランプ大統領は吼えるがリスクオンは進む=長谷川雅一

僕は、米大統領選挙でトランプが勝つと予想しています。その場合もちろん一時的にはリスクオフとなりますが、円高・株安はさほど進まず、リスクオンが再開するでしょう。(『長谷川雅一のハッピーライフマガジン』長谷川雅一)

プロフィール:長谷川雅一(はせがわまさかず)
1959年、岐阜県生まれ。株式会社プレコオンライン(金融商品取引業)代表取締役社長。2000年より株式投資の研究を始め、日本で初めて「株の自動売買」という言葉を使った著書を出版。株式投資の世界では、「株の自動売買」ブームの火付け役として知られている。現在は、自動売買ソフトの開発、投資教室、メルマガの執筆など、多忙な日々を送っている。

16,000円割れならラッキー? トランプ・ショックの下値メドを予想する

最大の「危険日」は11月9日(水)

日経平均が調整(下落)開始となりました。リスクオフになった原因は、ご存知の通り「米大統領選挙」で、勝利が確実だと思われてたクリントン候補の「メール問題」が再燃し、選挙戦の行方がわからなくなったことです。

前回の記事で、11月1日(火)や11月8日(火)が「暴落の危険日」であると書きました。現在は、このあと、その「11月8日(火)」をはさんで、11月7日(月)~10日(木)のどこかで、株、為替とも、大きく下落する場面がありそうな状況になっています。

最も大きく下落する可能性があるのは、選挙戦の結果が明らかになる9日(水)でしょう。もしも「トランプ勝利」となれば、その瞬間、株、為替とも暴落する可能性大です。

ただ、開票状況によっては11月9日(水)の「場中(午前9時~午後3時)」には、結果が判明しない可能性があります。

その場合は10日(木)に、選挙戦の結果を受けた「暴落」があるかもしれませんが、こうなれば「直撃」は避けられるため、いくぶんマイナスの影響は和らぐでしょう。

12月中旬の「選挙人による投票」で「逆転」も?

今回の米大統領選挙は、とても「入り組んだ」選挙戦になっています。そのため、11月8日の「一般投票(選挙人への投票)」で勝った候補が、12月中旬の「選挙人による投票」で破れる「逆転」があるかもしれない、とも言われています。

つまり、たとえば11月8日に「クリントン勝利」が決まったとしても、12月中旬にトランプが逆転勝利、という「まさかの逆転劇」があり得るということです。

事実、過去にも、こうした「逆転劇」がありました。2000年の米大統領選挙では、一般投票(11月)でゴアが勝利後、選挙人による投票(12月)でブッシュが逆転勝利したのです。

また、今回の米大統領選挙では、FBIによる「メール問題」の捜査の進展しだいでは、クリントン候補が勝利しても、彼女が大統領になれない恐れがあります。あるいは、大統領になった直後に、クリントン大統領が罷免となる(辞めさせられる)可能性もあります。

とにかく、何が起こるかわからない、波乱含みの米大統領選挙になってしまったわけです。で、この選挙、どうなるのでしょうか?そして、株、為替は、どう動くのでしょうか?

Next: 「トランプが選挙に勝ち、その後は円安・株高が再開する」大胆な予想!



トランプが勝ち選挙後はリスクオンになる――長谷川の予想

外すのを覚悟の上で、大胆に予想します(笑)

まず、大統領選挙ですが、僕は「トランプが勝つ」と予想しています。

アメリカは何かにつけ「革新的」な国です。アメリカ国民は、安定路線の、しかも何かと危なっかしいクリントンではなく、まったく政治家としての経験のない「ど素人」であるトランプ氏に、大統領をやらせてみるのではないか、と考えるのです。

そして、僕の予想通りトランプ大統領誕生となった場合、もちろん一時的にはリスクオフとなりますが、為替レートはそれほど大きく下落せず(円高にならず)、株の下落幅も、それほど大きくならないのではないかと予想しています。

トランプ大統領になった場合、選挙後に失職する恐れはないし、クリントンに比べて大胆な政策が出やすくなります。

まったく新しいタイプの大統領への期待感もあって、選挙後、米経済は上向き、株、為替ともに上昇するのではないか?というのが、僕の予想です(なお、ここで言う「為替の上昇」とは「円安」を意味します)。

株と為替の底値は?

前回の記事で、「日経平均は簡単に1,000円下がる」と書きました。17,500円付近からの調整があれば、16,500円まで下げるのは簡単だ、と。

現在、すでに日経平均は16,850円付近まで下げていますが(225先物の値)、トランプ大統領の誕生となり、マーケットに激震が走った場合、そのタイミングにもよりますが、為替(ドル円)は瞬間的に98円程度まで下落する(円高が進む)可能性がありそうです。

この場合、日経平均は15,500円付近まで下落することになります。暴落時の予想値である16,500円から、さらに1,000円下がる可能性がある、ということです。

Next: 今のドル円は底堅い。1ドル100円割れ、日経16,000円割れは買いだ



今のドル円は底堅い

ただ、このところ、リスクオフになってもドル円は底堅い(下がらない)傾向があります。

ですから僕は、意外に、100円接近か瞬間的に100円を割る程度で「もちこたえる」可能性があるのでは、と見ています。その場合(それほど下げない場合)ですと、日経平均は16,000円付近で下げ止まるでしょう。

僕は、どちらかと言うと、後の(それほど下げない)パターンになるのでは?と予想しているわけです。つまり、為替(ドル円)で100円付近までの下落、日経平均で16,000円付近までの下落でリスクオフの局面が終わるのでは?と見ています。

そして、前述のように、選挙後はリスクオン(為替、株ともに上昇)となるのでは、と予想しています。

大きく下げれば「買い」

どんなリスクオフの局面でも、大きく下げきったあとは反発します。

今回の米大統領選挙では、トランプ大統領の誕生というサプライズがあったとしても、無難にクリントン大統領に決まったとしても、「大統領選挙後の相場も、引き続き不透明だ」ということで、「(選挙後も)しばらく様子見した方がいいのではないか」という意見があるようです。

しかし、どんなリスクオフ要因も、どこかで落ち着きます。「解消」はされないとしても、「落ち着く」か、その材料が「飽きられる」のです。

ですから、日経平均で16,000円割れがあったり、ドル円の100円割れがあったりすれば「買い」でいいと思います。

Next: ヒラリー・クリントンの勝利が、むしろ「やっかい」である理由



クリントン大統領はかえって「やっかい」

逆に、クリントン大統領が誕生した場合のことを考えてみましょう。

クリントン大統領になった場合、メール問題は引きずるわ、健康問題も怪しいわで、なんだかスッキリしません。選挙後もリスクオフが続く可能性があるわけです。

政治の路線も、「クリントン大統領」だと、従来のパターンを踏襲する保守的なものになりがちでしょう。政治は安定するでしょうが、「活気」や「面白み」に欠けます。

そういった意味もあって、僕は最近、トランプ大統領の方がいいんじゃないの?と思い始めています(以前はトランプ大統領なんて「とんでもない!」と思っていましたが)。

アメリカ国民の中にも、こうした感覚(=トランプ大統領の容認+期待感)が、徐々に強まっているような印象を持っています。

ただ、彼が大統領になったら、最悪「第三次世界大戦」が勃発するかもしれませんので、そうならないように祈りつつ、ですが。

最後に

以上、大胆に予想しましたが、「いつ何があるかわからない」のがマーケットです。

「こうなる」と決めつけず、また、自分に都合のいい「ストーリー」を組み立ててしまわず、いつ何があっても対応できる態勢でトレードすることが重要だと思います。

次号のメルマガは、大統領選挙後に出す予定です。さて、どんな結果が待っているのでしょうか。次号では、その「結果」を踏まえてコメントしたいと思います。

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長谷川雅一のハッピーライフマガジン』2016/11/5号より一部抜粋、再構成
※記事タイトル・太字はMONEY VOICE編集部による

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