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日本の個人投資家が知るべき「ワガママな母国」と縁を切る4つの戦略

投資家が、自分の資産を1つのバスケットに入れるのは危険です。特に、政府の権限拡大が世界的な趨勢となり、厄介な規制が増えている現状での経済サバイバルは容易ではありません。(『カレイドスコープのメルマガ』)

※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2017年6月29日第212号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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投資家が自分らしく生きるには、国の支配の外側に出る必要がある

制御できない政府から身を守る最善の方法

米国の社会秩序の崩壊が時間の問題であることを前提として、ケイシー研究所(Casey Research)は、経済的サバイバルに余念のない人々のために、「制御できない政府から身を守る最善の方法」を公開しています。

この「制御できない政府から身を守る最善の方法」をまとめたジャスティン・スピットラー(Justin Spittler)は、ケイシー研究所のスタッフです。<中略>

まず、この記事は、「資産を1つのバスケットに入れておくことの危険」を説明するところから始まっています。

特に重点を置いているのが、米国政府の現在の不穏な動きに対応したもので、「資産の多様化」、「政治的多様化」、「収入源の多様化」などを基本として、ますます締め付けが厳しくなる政府の支配の外側に出るための方法です。

それは、改善が絶望視されている財政難の中で、深く沈んで行く一方の政府のコントロール下で生きる人々にとっては、原理原則ともいえる方法です。

ほとんどの警告は、中央銀行システムを採用する西側諸国政府が必然的に吸い込まれていく全体主義化の陥穽に、人々が落ち込まないようにするヒントにつながっています(特に米国、そして、日本の場合には)。

まず、貯蓄、市民権、収入、およびデジタル・プレゼンスの4つの重要な点に分けて説明しています。

1. 「貯蓄の多様化」を図る

原理原則は、資産の多寡が問題ではなく、人としての尊厳を守るために、あなたのスキルを発揮して得た労働の正当な対価を政府に奪われないように、自国政府の手の届かない場所に置くことです。

具体的には、自国政府が資本規制または完全な資産没収に踏み切ろうとしている場合、その資産を没収されないようにすることです。

現在、どんな国の政府でも、一切の警告なしで突然、こうした措置に踏み切るトレーニングを始めているようです。

預金の多様化――それは以下のようなことです。

これらは筆者にとって、ほとんど縁のない話ですが、すでに裕福なメルマガ読者、そして近い将来、裕福になることを夢見ている読者、そして、それを実現できるかもしれない読者のために少し詳しく書きましょう。

この中でも、外国の不動産所有は、資産を安全に逃避させる上で特に役に立ちます

不動産は大型の実物資産で、それ自体の正当な評価が難しい上に、政府も海外には手が及ばないので、ケイシー研究所のCrisis Investingの編集者であるニック・ギアムブルーノは、これをテニスの4大大会になぞらえて「多様化グランドスラム」と呼んでいます。

外国で不動産を所有すると、貯蓄のかなりの部分をハード・アセット(土地などの実物資産)に移転することになります。それは、母国の政府が手を出すことができない外国に実物資産として貯蓄を移転することを意味します。

さらに理想を言えば、その「外国」は、これからの余生を楽しく過ごせたり、バリバリのビジネスマンとして自分が活躍できる国であれば幸いです。

シリコンバレーの若手IT長者たちは、むしろ経済サバイバルを楽しむかのように、オーストラリア、ニュージーランド、北米の孤島の広大な土地を買い漁り、ビジネスの拠点を移し始めています。

【関連】「世界の終わり」に本気で備え始めたシリコンバレーのIT長者たち

株や債券、ペーパー・ゴールドや暗号通貨のようなデジタル金融資産とは異なり、外国の不動産を押収することはおそらく、どの国の政府でも不可能に近いはずです。

外国の不動産を所有することは、合法的に個人の富のプライバシーを保持することができる数少ない方法の1つです。

そうした意味では、外国の不動産は“新しいスイスの秘密の銀行口座”と同じ役割を果たしてくれます。

また、外国に不動産を所有することは、しばしば他の多様化オプションの道をひらくことに繋がります。

多くの国の場合、外国の不動産を所有することで、その国の銀行口座を開設することが容易になります。

ちなみに、映画「渚にて」の最後の避難場所とされているニュージーランドの場合、銀行口座を開設するには現地の知人なり友人の紹介が必要とされていますが、不動産を所有していれば、こうした面倒なことは一切クリアされます。

また、外国で居住するという選択肢は、その国の永住権を獲得して市民権を得る近道になる場合があります。

Next: 普通の日本人が知らない「第2のパスポート」の様々なメリット



2. 「市民権の多様化」を図る

市民権を2国以上に多様化する有効な方法は、第一に「第2のパスポート」を持つことです。

しかし、残念ながら、簡単、迅速、安価、かつ合法的な第2パスポート取得へのルートはありません。

日本の国会議員の二重国籍問題が取り沙汰されたことがありましたが、おそらく島国根性の日本固有の問題なのかも知れません。

台湾のような革命の歴史を乗り越えてきた国の富裕層が、子息を西側の国に留学させたりして人脈を築かせたり、あるいは、ハワイやグアムで高額な出産費用を負担して赤ちゃんを産むのも、政変などが勃発したときに二重国籍を取得させておくことが子どもの将来の保険になると考えているからです。

とりわけ、第2のパスポートを持っていると、自国がいよいよ危なくなったとき、2番目の国で投資行動や銀行口座の開設、自由な旅行、人権が保証された生活を実現することができます。

さらに、第2のパスポートを得るもう1つの重要な理由があります。

その前に、まずパスポートとは何かを理解することが必要です。あなたのパスポートは実際にあなたのものではありません。それは母国の政府に属するものです。

ですから、あなたが地球のどこに住んでいても、あなたの母国の政府はいつでも適当な難癖をつけてパスポートを取り消すことができます

ですから、2番目のパスポートを持つことによって、いざというときに難民のような生活を強制されるリスクから解放されるのです。いとも簡単に母国から脱出することが可能になるということです。

Next: 「所得とデジタル・プレゼンスの多様化」で国家の横暴に対抗する



3. 「所得の多様化」を図る

「所得の多様化」とは、キャッシュフローを構造化して、所得に関して特定国への依存度を低減させることを意味します。目標は、国際的な投資機会と傾向から複数の収益源を創出することです。

有利な管轄地域にオフショア会社を設立すれば、これを通じて限定的ではあるものの、安全な投資などによって臨時収入の道をひらくことが可能になります。

パナマのモサック・フォンセカ法律事務所のサーバーがハッキングされたことによって、パナマ文書がリークされました。世界中の「99%」は、課税回避のための犯罪行為であると断罪しましたが、その後、うんともすんとも言わなくなりました。

これからはリスクが高くなるとは言え、個人レベルでも暗号通貨による国際取引が頻繁に行われるようになると、パナマ文書の暴露が、果たして、どれほど意味のあるものなのか疑問符が付けられるようになるでしょう。

その国の通貨に両替しなくとも暗号通貨のままで投資することが可能になるのですから、政府がトランザクションを追跡するのは、ますます困難になります。

ただし、再三言っているように、あくまでも中央銀行が発行する暗号通貨ではなく、完全に分散化された台帳技術によって発行される暗号通貨に限ります

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4. 「デジタル・プレゼンスの多様化」を図る

デジタル・プレゼンスとは、「ネット上における人格や存在」を意味する言葉です。

これは母国で、いわゆる一流大学を卒業していようが、多くの賞を受賞していようが、過去にどんな業績を収めてきたのかが問われるのではなく、いま実際にインターネット上で、どれほど影響力のある活動をしているかが問われ、評価されることを意味します。

理想的な外国の管轄区域に、自身のデジタル・プレゼンスを移すことで、政治的多様化のメリットも大きくなります。

これには通常、IPアドレス(正確な物理アドレス)、電子メールアカウント、オンラインファイルストレージ、個人および法人のビジネスウェブサイトのコンポーネントなどが含まれます。

政治的には、母国政府がインターネットの閲覧禁止や課金制度をユーザーに押し付けて、その国の国民がネットから政治情報を得ることができなくなったとき、海外の自由なネット環境を保証してくれる管轄区域に自身のデジタル・プレゼンスを移しておけば、海の向こうからのオピニオン発信によって、母国の政治的な窮状を改善することができるかもしれません。

Next: 政府の権限拡大は世界的な趨勢。サバイバルの前提条件とは?



政府の権限拡大は世界的な趨勢

どの国の政府も、どういうわけか、個人レベルでの収入源を把握し続けることによって政府に服従させ続け、恣意的で厄介な規制や制限に国民を晒そうとしています。

共謀罪の強行採決は、政府の権限拡大によって、より少ない自由(つまり不自由)を国民に強いることになります。ですから、あなたの人間性を守るために、あらかじめ多くの窓を開放しておくことが必要です。

やがて、政府は、あなたの窓を1つ2つと閉じて、政府以外が与える情報から遠ざけようとするでしょう。

歴史を参考にして、そうした難局を逃れる?

そのアイデアと意欲は素晴らしいのですが、それは意味がありません。これからの歴史は、あなたが開放しておいた窓がいったん閉じられてしまえば、永遠に開かれない知の暗闇の中で刻まれるからです。

国際的な多様化を図ることは、絶望的で制御不能な政府からあなたを守るための「試練」なのかもしれません。

「お金儲けをしたいからブロックチェーンをもっと勉強する?」あるいは「注目を浴びたいから人工知能を勉強する?」そうした動機を決して不純とは言いますまい。この非人間的な世界政府と対峙するためなら、どんなインセンティブでも働かせるべきです。

あなたは生き残れるか?

人工知能とフィンテックの一体化の道筋は見えています。暗号通貨による中央銀行システムの大幅な変更も不可避でしょう。それは、経済崩壊とともに訪れるでしょう。

今では、おおかがりなプランニングでさえ、ネット上で完結することができるようになりました。そして、それはリアルな世界に反映されます。

しかし、ここで気づかなければならない重大なことがあります。

人工知能のシステムに、無自覚のうちに生活スタイルまで合わせようとしている自分がいることに。

人工知能は人間を豊かにしません。人工知能によって統合的に制御される社会では、個人の価値観までもがロードローラーによって押しつぶされます。

そこでは母国語が死に、他国との文化が少しずつ溶け合っていく過程で、日本人としてのアイデンティティが徐々に失われていくでしょう。

人工知能は、人間に画一化を押し付けます。むしろ、人間のほうが、人工知能のルールに知らないうちに合せようとしてしまうからです。単に、人々はそれに気がつかないだけです。

あなたは、連勝記録をいつまで更新し続けるのか、マスコミが過熱している一方で、あの天才少年棋士の将来が心配になったことはないでしょうか。

もし、そうであれば、あなたは人間の尊厳が奪われるかもしれない未来世界においても、人間性を喪失することなく自己の役割を果たすことができる人でしょう。

それに最後の望みを懸けるべきです。あなたも私も――
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※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2017年6月29日第212号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。7/6に配信された最新号もすぐ読めます。

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「カレイドスコープ」のメルマガ』(2017年6月29日第212号より一部抜粋、再構成

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