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杞憂に終わるビットコイン分裂懸念。バブルではない本格相場は目の前だ=メダカ

ビットコイン分裂の懸念は杞憂に終わり、ここから右肩上がりの相場に転じると見ています。でもそれは決して「暗号通貨バブル」ではありません。(『【確定版】メダカの仮想通貨・ビットコイン投資』メダカ)

※本記事は有料メルマガ『【確定版】メダカの仮想通貨・ビットコイン投資』2017年7月17日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:メダカ
横浜在住の会社員。学生時代から株や商品相場を追いかけ、最近は仮想通貨(暗号通貨)投資に重点を置いている。仮想通貨取引所「コインチェック」のチャットにときどき出没。国際情勢についても造詣が深い。

収束に向かう規格分裂懸念。ビットコイン相場の今後の見通しは?

反転上昇へ

足下のビットコイン相場は下落基調を続けてきましたが、早ければ来週(7/23~週)には「混乱は収束へ」という報告ができるかもしれません。というのは、懸念されているビットコイン分裂に対する解決案の1つである「Segwit 2X」が21日にリリースされるからです。

私はこの案で決着する可能性が高いと考えています。波乱の原因をつくっていたJihan Wu氏率いる中国の最大手マイナー「Bitmain」も受け入れを表明しているため、新たな問題点が指摘されなければ解決という見方が急速に広まり、相場が反転するシナリオを予想しています。
※参考:Jihan Wu氏のTwitterアカウント

今月30日発行の当メルマガでは、8月1日を待たずに、今とはまったく違う様相について書いていること期待しています(※注:本稿執筆時点 7月17日 00:00)。

(※7月20日追記:ここ数日、分裂懸念について様々な動きが新たに伝えられていますが、ビットコインがどのような形になるにせよ方針が決着することが最大の買い材料になるため、8月になれば相場は反転する確信があります。著者:メダカ)

ただ、世間では悲観的な見方も依然として根強いものがあります。メディアでも現在の調整がバブルの破たんであるとか、その日が近いという捉え方が伝えられています。
※参考:今は崩壊必至の仮想通貨バブル、それでも投資検討-アバディーン – Bloomberg(2017年6月26日配信)

そこで、今回は暗号通貨バブル説について考えてみたいと思います。

「バブル」とは何か?

私が大学生だった頃、集中講義にやってきた東大の小宮隆太郎教授の授業で、初めてバブル経済という言葉に接したのを覚えています。「実態が伴わないのに泡のように膨らんだ経済は、やはり泡のようにぱんとはじけてしまう」という考え方は、非常にインパクトがありました。当時、日本はバブル経済の真っただ中でしたが、まだバブルという言葉は日経などメディアには出ていなかったと思います。

たまに誤解されますが、バブル経済は好景気とは別のものです。景気が良いのは共通していますが、過度な信用創出によって、実態以上に経済規模が膨らんでいるところがポイントです。

Next: ビットコイン相場と、平成バブルや17世紀チューリップバブルの違い



17世紀オランダのチューリップ・バブルはなぜ弾けたのか?

世界史で最初のバブルとして知られているのは、17世紀前半のオランダで起きたチューリップ相場でしょう。その頃の日本は江戸時代初期、徳川家康が亡くなった時代です。

当時、ヨーロッパに持ち込まれたチューリップは、美しさだけが価格の基準ではなく、突然変異で現れた変わった模様の花に希少性があって貴族や豪商に高く売れました。このため多くの人が一攫千金を夢見て、花ではなく球根を買いに走りました。完全な投機ですね。

チューリップの適正な価格がどの程度かはわかりませんが、レア品種からできた球根には豪邸1軒分の値がついたと言いますから、狂乱ぶりが目に浮かびます。

球根が品薄になると、ある人が農家に球根の予約を申し入れました。代金の一部を予約金として先払いし、春になったら球根を残金で買い取るというものです。一部の証拠金で大きな取引を行う、まさに先物取引ですね。この方法はすぐに広まり、やがて予約証書の転売も始まりました。

予約証書も現物の数分の1の値段で買えます。投機の参加者はさらに増えて、予約証書の価格は高騰を続けました。さらに、家を担保に借金をして証書を買う者まで現れました。80年代のバブル経済の頃に聞いたような話です。

資金の流入はいつか必ずピークを迎えます。そしてオランダでは、ある日突然、球根の値段が下がりだします。買い手がつかないままどんどん下げてしまい、家を担保に買っていたものは家をとられ、投資家の手元には二束三文になった証書が残り、農家には引き取り手のない球根が残りました。

こうしてみると、80年代のバブル景気と共通するのは、過剰な信用創造(簡単に言えば借金経済)だということに気づきます。手元の資金力以上に大きな取引をするようになると要注意です。どこかで歯車が止まると返済が行き詰まり、ドミノ式に不渡りが発生して、その経済共同体が収縮してしまう、まさにバブルがはじけた状態になるわけです。

信用・先物取引がバブルを起こす

オランダのチューリップバブルでは、人々は酒場などで当事者同士の相対(あいたい)取引きで売買を行っていました。しかし遅れること1世紀、1730年に大阪の堂島で米の先物取引所ができました。これが世界最初の公式の先物取引所と言われています。

将来の価格のヘッジのためばかりでなく、博打好きの武士や商人が投機も行いましたが、堂島の取引所ができても米がバブル相場になることはありませんでした

つまり、信用・先物取引や借入金による証券・不動産への投資はバブル経済に欠かせないものですが、信用・先物取引が適正に管理されていれば経済は循環を続けるのです。
※参考:『チューリップ・バブル─人間を狂わせた花の物語』(著:マイク・ダッシュ/刊:文春文庫)、『狂気とバブル なぜ人は集団になると愚行に走るのか』(著:チャールズ・マッケイ/刊:パンローリング)、Wikipedia「チューリップ・バブル

Next: 今の暗号通貨相場はバブルなのか? 時価総額で考える今後の見通し



暗号通貨は買う人がいなくなれば価値を失う

では、現在の暗号通貨をめぐる状況はどうでしょうか?

暗号通貨は、適正値を算出する経済理論が開発されていないため、買う人がいなくなれば価値を失います。ここが、政府が価値を保証するフィアット(法定通貨=普通のおかね)と大きく違うところです。

フィアットか暗号通貨か、どちらかしか保有できないのなら、私も現状では前者を選ぶでしょうね。生活がありますから。

しかし、政府が信用を失った国の場合は、その国の通貨よりも暗号通貨の方が信用力で勝るという現象も起こります。これは、過去のキプロスや現在のベネズエラなど、通貨不安が発生した国の人々がビットコインを買い求めていることで実証されています。

政府保証がないことを弱点だとする専門家もいますが、それは暗号通貨の特性であって弱点とは言えないと私は考えています。

時価総額から考える暗号通貨全体の「バブル度」

買う人が「多ければ」相場は上がる、これは相場の常識です(買う人が「いる」だけでは下がることがよくあります)。

現状はどうでしょうか?

暗号通貨市場に流入する資金と流出する資金の量の比較、すなわち需給が中長期的な価格に最も大きく影響します。暗号通貨にはダウ平均や日経平均などのように市場の値動きを示す指数がまだないので、時価総額で代用します。

全体の時価総額は、本稿執筆時点で626億ドル。これは6月20日につけた1165憶ドルの半分近くまで減少しており、厳しい下落局面であることがはっきりと現れています。

直近では5月下旬にも大きな下げがありましたが、この時は時価総額が2日間で約35%減少、つまり約3分の2になりました。

2017年:908憶ドル(5月25日)→ 600憶ドル(5月27日)

今回のような時価総額の急低下は、2013年にもありました。この時は12月4日の高値から18日の安値まで2週間で半分にまで減少しました。

2013年:157憶ドル(12月4日)→ 77憶ドル(12月18日)

今回の下落は、これに相当する下落ということになります。
※参考:CoinMarketCap – Global Charts

ただ、需給の見通しは(私が再三強調していることですが)極めて良好です。つまり、潜在的な巨大な買い方が控えている状況なので、暗号通貨は目先の調整があっても、1~2年先は順調に市場が拡大すると考えています。

なかなか具体的に示しにくいですが、少し前までの暗号通貨の時価総額は1000億ドル(10兆円あまり)ですが、世界最大の株式の時価総額を誇るアップルは約8000憶ドルです。日本最大のトヨタが20兆円というところ。

東証やNY証取全体ではなく、それぞれ1社の時価総額ですからね!それを考えると、暗号通貨がいかに小さな市場であるかということがわかります。このため、まとまった資金が入ると1日で2倍以上、1か月で10倍以上になる銘柄が後を絶たないのです。

価格が10倍以上になった銘柄は数多くありますが、公開後数日間の乱高下を別にすれば、10分の1になった銘柄はあるでしょうか? 乱高下は仕手筋などによるマネーゲームの一面も否定できませんが、基本的には、現在の市場規模が本来あるべき規模に比べて極めて小さいことが原因だと私は考えています。

つまり、より適正な規模に成長するまでは波乱はあるにせよ、基本的には右肩上がりの相場になると需給の点から予想しています。投資しているから上がることを期待しているのではなく、上がると確信しているから投資しているのです。

つまり、暗号通貨はバブルというにはほど遠いよちよち歩きの状態で、だからこそ波乱もあるけれど、長期では大きく成長すると私は考えています。
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※本記事は有料メルマガ『【確定版】メダカの仮想通貨・ビットコイン投資』2017年7月17日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に当月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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・「暗号通貨バブル」説を考える(7/18)
・【号外】急落をどう乗り切るか(7/11)
・「借金で投資」はあり?なし?(7/11)
・含み損にはこう対処する(7/4)

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【確定版】メダカの仮想通貨・ビットコイン投資』(2017年7月17日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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