マネーボイス メニュー

北朝鮮ミサイル発射を「国民に知らせない」日本政府の言い分と錯誤=武田邦彦

日本政府は、北朝鮮のミサイル発射タイミングを事前に把握しながら、国民に知らせていないのではないか?そう指摘するのは『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』の著者で中部大学教授の武田邦彦氏だ。7月29日深夜のミサイル発射を武田教授が分析したところ、政府はおろか「NHKも知っていた可能性」があるという。

日本政府は北のミサイル発射を「事前に知っている」可能性が高い

韓国ですら事前に把握

北朝鮮が深夜にミサイルを撃った2017年7月29日の2日前、韓国大統領は北朝鮮がミサイルを撃つ態勢に入ったことを知っていました。このことは韓国大統領が正式なコメントをしていますので、確実です。

そうなると日本、アメリカ、韓国は同盟国であり、日本はアメリカと集団的自衛権の範囲にありますから、当然、日本が情報を把握していなくてもアメリカから連絡が来るでしょう。

つまり、日本の首相、防衛大臣、官房長官の3人の政治家と、自衛隊のトップの司令官は7月27日前後には近日中に北朝鮮からミサイルが発射され日本の排他的経済水域(EEZ)に落下することを知っていたに相違ありません。

しかし、それは発表されませんでした。そして事後にNHKなどが北海道の西方海上に落下するミサイルの映像を捕らえているところをみると、NHKも知っていた可能性があります。

現実に、ミサイルが空から降ってきて、イカつり船に落下したら多くの犠牲者を出すところでした。事実、東シャコタン漁協はミサイルのあと、政府に厳重に抗議をしています。また、敵国からのミサイルの攻撃の時には日本政府は情報をキャッチしたら直ちに空襲警報を発することになっていて、そのシステムに膨大な税金(国民からの)を費やしています

でも、すべては実施されず国民はよらしむべしの状態にあったのです。

Next: 日本国民の命より北朝鮮との外交を優先する「反日論理」



日本国民の命より北朝鮮との外交を優先する「反日論理」

政府は国民の命を守る義務があり、自衛隊はミサイルを撃墜する任務があり、地方自治体は空襲警報を流すようになっており、さらにはメディアは情報を時々刻々と国民に知らせるために多くの特権を持っています。でも、まったく事前には動きませんでした

それでは、「ミサイルが7月18日の深夜か29日の未明に打ち上げられ、日本の領域(EEZは漁民の仕事場で農民の畑に相当する)に落下する」という国民が命を守るために必要な情報をなぜ流せなかったのでしょうか?

第1に考えられる理由は(信じられませんが)、ミサイルのテストをする時期を明かしては北朝鮮に悪い(刺激する)という論理です。この奇妙な論理は朝日新聞がすでに記事を出していることでもあり、また、NHKなども同意しているもので、日本国民の命より北朝鮮との外交を優先するという反日論理が考えられます。

第2の理由は「自分がバッシングされることを恐れた」ということもあるでしょう。もしミサイルが発射されるといって現実には発射されなかったり、打ち上げに失敗したりすると「イカつりに出漁する機会を失った」などと言われるのではないかという責任逃れです。北朝鮮が打ち上げたあともせっかく準備されている空襲警報を流さなかったのも、「空襲警報など大げさだ。犠牲者がでても一部の漁民だけではないか」という避難からの責任逃れかも知れません。

でも、本当の理由はおそらく第1でも第2でもなく、日本の戦後の教育にあると思います。

Next: 武田教授が考える新システムとは?



政府広報やメディアが不要になる新システム「ダダ漏れ方式」

つまり、戦後になってから国家主義が否定され、「親、家庭、地域、国家などより自己を大切にする教育」が行われ、何かに直面すると、言い訳ができる範囲で自己に有利に行動する人間がほとんどになったからと思われます。

個人主義の教育の流れを昔に戻すのはなかなか難しく、非現実的といっても良いでしょう。このような現代的な問題は「それを防止するシステム」で対抗しなければなりません。

ちょうど、コンピュータや画像処理が進歩し、これまで公にできなかったことをオンタイムで国民が知る方法があります。極端に言うと、新しいシステムを導入すれば政府広報はもとよりメディアさえ要らなくなる可能性があります。

それは「ダダ漏れ方式」です。

最近、街角に多くの監視カメラがついていて、24時間の監視を行っています。そのおかげでコンビニの付近などで犯罪を犯すとすぐ犯人が捕まる時代になりました。これを、政府、官庁、放送局、教育現場などの公共的なところに全部取り付けるのです。

たとえば、首相官邸、首相の執務室、会議室、大臣や局長の執務室、会議室、お役所の各部屋、衆議院議員会館、参議院議員会館などの議員の執務室、指定された料亭の指定された部屋(ここで政治家が会合をもってもお金を明らかにしないなどの特典あり)、テレビ局や新聞社の社長、局長、政策責任者、制作現場、会議室、大学の講義室、高等学校の講義室の先生の講義(生徒の映像は若干の問題あり)などにカメラを設置し、24時間放映するのです。

ネットですからチャンネル数などに制限はありません。おそらくは5000チャンネルぐらいになると思いますが、国民は誰かの執務室とか、講義を聴こうとしたらネットでそれを指定するとすべて見ることができます。

もちろん、執務室や会議室以外で秘密に相談したりできますが、そんなことばかりしていたらいつも映像に本人がいないので、それも批判の対象になるでしょう。たとえば北朝鮮からのミサイルについて、大臣がいつ知ったのか、それに対して警報を出すのを止めた人は誰かなどすべてが分かります。

「そんなことをしたら仕事ができない」という人がいるでしょうが、その人こそ、「知らしむべからず」という考えを持った人です。私個人は大丈夫で、いつでも公表できることしか発言していませんし、やましいことはしていないので、このようなシステムができれば率先して参加します。

そしてある程度の人が参加したら参加しないで重要な仕事をすることができなくなるでしょう。
続きはご購読ください。初月無料です


※本記事は有料メルマガ『武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』』2017年8月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

【関連】日本人が知らない「コレステロールの嘘」と健康利権の不都合な真実=武田邦彦

<初月無料購読ですぐ読める! 8月配信済みバックナンバー>

・変わりそうな日本社会(10)~自然豊かで忘れ物がない社会へ(8/23)
・変わりそうな日本社会(9)~「知らしむべからず」から「ダダ漏れ」へ(8/16)
・変わりそうな日本社会(8)~「お金がすべて」から「人がすべて」へ回帰する(8/9)
・変わりそうな日本社会(7)~「決まってから知らせる」から「刻々、情報」に変わる(8/2)

<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>

8月分すべて無料の定期購読手続きを完了後、各月バックナンバーをお求めください。

・変わりそうな日本社会(6)~「誰もが同じ勉強」から「その人にあった勉強」へ(7/26)
・変わりそうな日本社会(5)~交通取締より納得して車を運転するようになる(7/19)
・変わりそうな日本社会(4)~命令的な治療からその人の人生の目的に沿った健康維持へ(7/13)
・変わりそうな日本社会(3)~クールビズ、タバコ等の規制が緩み自由で明るい社会へ(7/5)
・変わりそうな日本社会(2)~誰もいない公園が賑わいを取り戻す(6/28)
・変わりそうな日本社会(1)~シャッター通りがなくなって明るい街に(6/21)
・憲法を深く考える(4)最終回~明るい憲法改正(6/14)
・憲法を深く考える(3)~「戦争」や「軍隊」の定義(6/7)
・憲法を深く考える(2)~憲法の限界(5/31)
・憲法を深く考える(1)~憲法前文と自衛権(5/24)
・すぐ給料を2倍にする方法(8)~未来の日本社会の像(5/17)
・すぐ給料を2倍にする方法(7)~お金持ちの生活(5/10)
・すぐ給料を2倍にする方法(6)~ドンドン捨てても大丈夫?(5/3)
・すぐ給料を2倍にする方法(5)~「給料を2倍にしたい」と思うこと(4/29)
・すぐ給料を2倍にする方法(4)~なぜ、政府は欺したか?(4/19)
・すぐ給料を2倍にする方法(3)~第2に、隠しているお金を出させること(4/12)
・すぐ給料を2倍にする方法(2)~政府以外にどこに赤字があるのか?(4/5)
・すぐ給料を2倍にする方法(1)~まず、ダマシを見抜くことから(3/29)
・メディアの錯覚を切る!(7)~「反権力」の妄想(3/22)
・メディアの錯覚を切る!(6)~地球の環境と利権(3/15)
・メディアの錯覚を切る!(5)~私たちの健康と病院経営(3/8)
・メディアの錯覚を切る!(4)~反日国家に塩を送る(3/1)
・メディアの錯覚を切る!(3)~反日国家に塩を送る(2/22)
・メディアの錯覚を切る!(2)~反日国家に塩を送る(2/15)
・メディアの錯覚を切る!(1)~反日国家に塩を送る(2/8)
・分別は役に立っているのか?(8)~私たちの希望を実現するゴミの捨て方(2/1)

【関連】今あえて「北朝鮮とアメリカの戦争」を画策しているのは何者なのか?=斎藤満

【関連】積水ハウスはなぜ騙されたのか? 西五反田「地面師詐欺事件」の真相=山岡俊介

【関連】永遠に続く格差の正体。死ぬ前に脱出するにはこの「うまい話」に気付け=鈴木傾城

武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』』(2017年8月16日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』

[月額880円(税込) 毎週水曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。また、皆様のご質問にもお答えしますので、気軽にお尋ねください。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。