熱狂的な健康ブームが過ぎ去り、人々は冷静さを取り戻しつつありますが、メルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』の著者で中部大学の武田教授が病院や医師に対して疑問を呈しています。武田教授は、病院や製薬会社の利権でしかない「コレステロールの嘘」が明かになったことは良いが、医師が「適正な血圧」を答えられなくなったり、コレステロールを減らしたためにガンや認知症が増えるなど、多くの問題点が残されたままになっているとの持論を展開しています。
コレステロールの嘘と、健康ブームの後に残された「7つの問題」
基準値の見直しに病院側が猛反対「薬が出せなくなる」
今から15年ほど前のテレビを思い出してください。テレビの人気番組が「◯◯は健康に良い」というと、主婦がスーパーに殺到してあっと言う間に商品がなくなるということもありました。でもしばらく経つとそれもほとんど根拠がないことがわかり、最近では影を潜めています。当時は健康ばかりではなくNHKが数時間ごとに「今からでは間に合わない」と環境破壊を煽っていたのも記憶に残っています。
今から10年ほど前のテレビを思い出してください。テレビはさらに踏み込んで、血圧、コレステロール、生活習慣病などの改善を呼び掛け、上から目線で「ああしろ、こうしろ」と「視聴者を指導」したものです。
でも、ウソはそれほど長く続かず、3年前には血圧の基準(130)がおかしいという声明が日本ドッグ学会から出て、2年前には厚労省が「コレステロールは食事によらない。卵や油っぽいものを食べてもコレステロールは変化しない」と発表するまでになりました。8年ほど前の厚労省内部の検討会では「コレステロールの基準を高くするべきではないか」との意見に対して、病院側から「薬が出せなくなり病院経営が破綻する」との反対意見が出ていました。
言うまでも無く、医療は病院の経営のために(いやらしく言えば、医者のゴルフ代のために)存在するのではなく、国民の健康のためですから、必要も無い規制をして薬を売り、病院経営を成り立たせるなどは論外ですが、このような議論が非公式にせよ、国の会合レベルで出ることに問題があります。
そうして「健康ブーム」の嵐が去ってみると、次のようなことが問題になっています。
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