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8月末は暴落危険期。それでも米ドル/円の反転上昇が近いと言える理由=長谷川雅一

8月下旬は暴落の危険期。月末にかけては円高が進行し、相場が真っ暗になる可能性もあります。それでも僕は「米ドル/円反転上昇の日は近い」と考えています。(『長谷川雅一のハッピーライフマガジン』2017/8/24号より)

プロフィール:長谷川雅一(はせがわまさかず)
1959年、岐阜県生まれ。株式会社プレコオンライン(金融商品取引業)代表取締役社長。2000年より株式投資の研究を始め、日本で初めて「株の自動売買」という言葉を使った著書を出版。株式投資の世界では、「株の自動売買」ブームの火付け役として知られている。現在は、自動売買ソフトの開発、投資教室、メルマガの執筆など、多忙な日々を送っている。

あの悪夢が再来?それでも米ドル/円相場「反転上昇」の日は近い

8月下旬は「暴落」の危険期

あなたは覚えておられるでしょうか?2015年の8月24日を。あの日、米ドル/円は1日で、122円付近から116円付近まで、最大で6円ほど下落しました。

相場では、よく、同じ日付で暴落や急落が起きることがあります。それは偶然ばかりではなく、投資家が「その日付」を覚えていて恐怖感を抱くために売りが出やすくなり、同じ日に下落が起きる確率が高まるのだろうと、僕は考えています。そうです。今日8月24日は「暴落危険日」なのです(※編注:本稿執筆時点)。

ご存知のように今、米ドル/円は「しつこい」円高局面に入っています。最近の米ドル/円は、20日~25日ほどの周期で、上昇から下落へ、下落から上昇へと局面転換するサイクルをくり返していますが、今回の「円高(下落)局面」はもう25日間以上続いており、「下落が長すぎる」印象です。

そろそろ上昇に転換するタイミングなのに、なかなか上昇できないまま、売りに押される動きが続いている(本誌のドル円の「上昇」は、ドル高、円安を意味します。レートをそのまま見て「高安」を表現しています)。

こうなると、投資家の心理は、

もうドル高(円安)局面など来ないのではないか?
もっと下がる(円高になる)のではないか?

と弱気に傾きます。

投資家の「恐怖感」が高まっている今は、暴落、急落が起こりやすい状況である、と言えます。

そして迎えた今日、8月24日。2015年の8月24日は、アメリカ時間(夜)に暴落しましたが、もしかしたら今晩、あるいは今月末にかけてのどこかで、米ドル/円の暴落があるかもしれないと、僕も身構えています。

米ドル/円 週足(SBI証券提供)

この円高はいつまで続くのか?

今の円高には、もう書き切れないほど、いろいろな要因がからんでいます。北朝鮮リスクトランプの悪政ユーロの高騰、などなど。

今日(24日)は、「格付け会社のフィッチが、アメリカ国債の格下げを検討している」というニュースが飛び込みましたが、これまた、円高要因です。

こうした中、アメリカの長期金利が低下傾向となり、加えて、日本の長期金利は固定化されていて下がらないため、リスクオフになると、日米金利差が縮んでしまう。それによって、また円高が助長されるという、まさに「円高スパイラル」と言うべき状況になっています。

「もう円高の出口はない。105円、100円と円高が進むのではないか?」とさえ思えてしまうほどの、根強い円高。

さて、この円高は、いったいいつまで続くのでしょうか?

Next: 米ドル/円は「一気にドル買いに傾く」可能性を秘めている



米ドル/円のスワップ金利は40円/日

FXをやっている方ならご存知でしょうが、今、主要な通貨ペアの中でも、米ドル/円のスワップ金利の「高さ」が目立っています。

証券会社によってスワップ金利はかなり異なりますが、主要な証券会社における米ドル/円の「買い」スワップ金利は、現在、40円~50円/日、といったところでしょうか。証券会社によっては、豪ドル/円より、米ドル/円のスワップ金利の方が高い場合すらあります。

アメリカが金融緩和のまっただ中にあった頃(リーマンショック後)、米ドル/円の買いスワップ金利は「マイナス」だったこともありました。40円/日というスワップ金利は、「メチャクチャ高い!」わけです。つまり、「なんだかんだ言っても米ドル/円の買いは有利だ」ということです。

今、米ドルを10,000通貨買うのに必要な証拠金は、44,000円ほどです。これに対して、買いのスワップ金利=40円/日として、「買って持っているだけ」で年に14,400円ほど、年率にして32.7%ほどの金利が付くわけです。

もしも勇気を出して、米ドルを1,000万通貨買えば、1日、40,000円のスワップ金利が入ることになりますから、それだけで生活できる可能性があります。

ただし、米ドル/円相場が1円動くごとに、1,000万円の損益が発生しますから、気が気ではありませんけどね(笑)

僕が言いたいのは、「なんだかんだ言っても、米ドル/円の金利はこんなに高いんだから、キッカケひとつで、相場が一気にドル買いに傾く可能性がある。おそらく、今の円高も、そうそう長くは続かないだろう」ということです。

Next: さらなる円高は格好の押し目、米ドル/円反転上昇の日は近い



米ドル/円反転上昇の日は近い

しかしながら、今回の円高は、本当にいろいろな悪材料が複合的にからみあって起こっているもので、相当に「根強い」ことは間違いありません。

僕は、もしかしたら、近々、いったん107円~106円程度まで、円高が進む場面があるかもしれない、と考えています。

それが今日(8月24日に)起こるかもしれないし、今月末あたりまでは要注意というのは、冒頭にも書いた通りです。

ただ、米ドル/円には「テクニカル的な周期」があります。「情勢だけ」でレートが決まるわけではありません。

僕は独自に、米ドル/円のテクニカル分析をしていますが、「円高局面はすでに末期に入っており、いつ反発上昇しても(ドル高になっても)おかしくないタイミングに来ている。米ドル/円のトレンド転換は近い」と見ています。

巷間、言われているように、ジャクソンホールのイエレン講演がキッカケになるのか、はたまた、ほかの材料が出てくるのか、あるいは、とくだんの材料なしに反転上昇するのか、それはわかりません。

反転前にいったん大きく沈む場面があって、アメリカで先日話題になった日食のように、一瞬、相場が「真っ暗」になる可能性もあります。

それでも僕は、「米ドル/円反転上昇の日は近い」と考えています。

ただし、トレンドが反転したとしても「華々しいドル高」や「継続的なドル高(円安)の流れ」は期待薄です。あまりにも悪材料が多すぎるからです。

今日の段階では、「米ドル/円は、よく戻しても114円程度までだろう」と思っています。しばらくの間は、慎重な姿勢で控えめにトレードする必要がありそうです。

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長谷川雅一のハッピーライフマガジン』2017/8/24号より一部抜粋
※記事タイトル・太字はMONEY VOICE編集部による

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