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まさに無政府状態。朴槿恵大統領を「断頭台」に送り込み自滅する韓国

今回は朴槿恵大統領の一連の事件について見ていく。今月9日、与野党の議員234名が賛成し、弾劾案が可決された。これによって朴槿恵大統領の職権は停止、大統領の地位から引きずり下ろされた。(『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』)

※本記事は、『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』2016年12月11日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

現実には「承認されそうにない」弾劾案が万一通ったら何が起こる?

大統領の座から引きずり下ろされた朴槿恵氏

朴槿恵大統領の一連の事件について見ていく。今月9日、与野党の議員234名が賛成し、弾劾案が可決された。これによって朴槿恵大統領の職権は停止、大統領の地位から引きずり下ろされた。また、大統領の代わりは首相が務めることになるのだが、野党は大統領に選ばれた首相には協力しないと発言している。

「弾劾」という法律に則った制度を使ったのに、その法律で定められた大統領の代行には協力しないというダブルスタンダード。私はこれを見て、韓国で1番問題なのは次期政権を担うであろう野党の議員だと痛感した。だが、もう遅い。匙は投げられて、後は憲法裁判所の判断待ちとなった。最長で180日。早ければ数ヶ月以内でも、弾劾案を承認するかが決まるらしい。

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憲法裁判所は了承するのか

この弾劾案の承認に必要な裁判官は、9人中6人となっている。しかも、任期切れで2人の裁判官は投票できないらしく、実質は7人のうちの6人というハードルである。ただでさえ、弾劾の承認ハードルは高いわけだが、2人が反対すれば弾劾は取り消しとなり、朴槿恵大統領が復権する。情緒主義の韓国人なので、弾劾案が通る可能性も大いにある。

私は弾劾案が通るとは考えていない。そもそも、朴槿恵大統領の法律違反はどこまでかという問題がある。逮捕されるほどの重罪を犯しているようには到底思えない。朴槿恵大統領は取り調べを受けたわけでもない。セウォル号の惨事の初日、空白の7時間で何をしていたのかは未だにわかっていない。新しく整形手術疑惑が浮上しているが、それが真相かはわからない。

どのような罪で弾劾を了承するかは非常に難しいだろう。しかも、その判断は今後の韓国の大統領が弾劾される度に、通例として残り続ける。不用意な理由付けで弾劾を了承すれば、今後、国民が抗議デモを起こせば大統領が代わるという誤解を生む。いや、誤解はもうすでに起きているわけだが。

日中韓首脳会談は延期

朴槿恵大統領の弾劾案可決により、事実上「無政府状態」となった韓国。12月に行われる予定だった日中韓首脳会談は延期となった。こうして朴槿恵大統領の訪日は叶わぬまま、水泡と化した。日本の管官房長官は「特に影響はない」「何ら影響はない」と述べている通り、実際に影響はない。韓国なんかより、世界はトランプ大統領の誕生を注視している。

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北朝鮮と中国の情報操作

私はくだらない抗議デモでまさか弾劾まで進むとは思ってもいなかったのだが、北朝鮮と中国の情報操作が実に巧みだったとしか言いようがない。この弾劾を勝ち取った抗議デモを、韓国人は「名誉革命」と呼んでいるそうだ。しかし、自分たちで選んでおいて、気に入らないから降ろすのが名誉ある革命なのか。到底、民主主義とはかけ離れている

しかも、弾劾が決まっても、未だに「朴槿恵大統領を自ら辞任せよ」という声がある。逮捕してギロチンにかけない限り、怒りは収まらないらしい。名誉革命などという話ではない。どう見ても、韓国人は朴槿恵大統領が断頭台で消えるのを待っているかのようだ。大統領をどうにかしたところで、自国の経済危機はどうしようもないのだが…。

北朝鮮は大喜び

朴槿恵大統領の弾劾が決まり、北朝鮮は大喜びである。その理由は、次の政権では確実に北朝鮮・中国・反日寄りとなり、THAAD配備決定も白紙にされる可能性が高いからだ。

朴槿恵大統領は、北朝鮮に対して(歴代大統領と比べると)厳しい対処をしていた。しかし、今年の初めに起きた北朝鮮の水爆実験の時に、中国がホットラインに出なかったことがとてもショックだったようだ。そのことから、THAAD配備を決定した。中国寄りに立っても国民を守れないという英断だったわけだが、それが正しく評価されることはなかった。しかし私は、韓国人も20年後にはきっと正しく評価すると考えている。それまで国があればの話だが。

今週の韓国市場

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)
5日 1989.86 1171.40 581.35 255.45 -44億
6日 1991.48 1169.60 581.56 255.75 858億
7日 1991.89 1167.90 578.52 256.15 779億
8日 2031.07 1158.50 584.62 260.80 357億
9日 2024.69 1165.90 594.35 258.20 569億

先週の韓国市場は、KOSPIが2000台を回復するなど好調だった。弾劾案が可決されたことで今週はどうなるのか注目だが、市場にそれほど大きな影響はなさそうだ。それよりも、米国の利上げである。利上げの時期は13日・14日という意見が多い。市場に影響が出るのは今週ということになる。利上げは確実であり、しかも、来年は利上げのペースが早まるという。韓国経済にとって利上げは死活問題なので、今後も利上げ情報は注目だ。
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※本記事は、『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』2016年12月11日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』(2016年12月11日号)より一部抜粋・再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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数年ごとに起きるデフォルト危機。世界経済が後退すれば、投資家が真っ先に資金を引き揚げていく新興国市場。輸出依存が96%という恐ろしい経済構造。ヘッジファンドに玩具にされる韓国市場。中国の属国化へと突き進む2014年。並行してスタグフに悩まされる現実。そして、1100兆ウォンを超え、雪だるま式に膨らむ家計債務の恐るべき実態。経済の問題点とは何なのか?なぜ、また、第四次経済危機が迫っているといえるのか。それは読めばわかる!投資、ビジネス、教養、雑談ネタにも最適な、最も韓国経済の実情を知ることが出来るメルマガ。

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