そろそろ選挙本番、ネット工作員の動向は?先日ある実験をしたところ、面白い現象に遭遇しました。リベラル叩きだけでなく、自民の石破さん叩きが目立つのです。(『三宅雪子の「こわいものしらず」』三宅雪子)
※本記事は有料メルマガ『三宅雪子の「こわいものしらず」』2017年10月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
元衆議院議員。玉川学園女子短大、共立女子大学を卒業。テレビ局勤務を経て、2009年群馬4区で民主党から立候補し、比例復活当選。現在は、執筆やネット配信、福祉や介護のアドバイザーなどをしながら政治活動を行っている。
ネット工作員の存在は今や常識。あなたは騙されていませんか?
「ネット工作員」を釣る実験
私は日頃から、ネットの世論調査や投票の結果はまったく信用していません。多くのアカウントで何回でもアクセスできてしまいますから、いくらでも操作できてしまいます。と言いつつ、私もたまにやりますが(笑)。まあ、だいたいアカウント主の要望通りの結果になります。「癒し」になってしまっていますが、普通は自分のフォロワーが投票しますから当然のことですよね。
さて、そろそろ選挙本番です。ネットで言われる、いわゆる「工作員」って、もう動きだしているのだろうか?と、ふと興味を持ちました。そこで、「支持をする勢力はどこですか?」という、ごくごくありふれた投票をやってみました。
そうしたら…、最初の半日はいつも通り。そして、「ある時間」を境に、投票数と「ある政党の支持」が極端に増えました。
そうですね。それまでのおよそ10倍といったかんじでしょうか? 先にやった東京新聞、ヤフーの調査とほぼ同じ動きだったそうです。1クリックいくらのアルバイトの仕業というのが定説ですが、どうなんでしょうね。
とにかく1日で8000件という異常値です。普段は1000前後ですから「動員」があると疑われます。ついこのあいだ、そのバイト募集が発見され、話題になりました。
なぜか自民党の石破茂氏が叩かれる流れに
リベラル叩きが中心でしたが、名指しされていたのが、なぜか自民党の石破さん。石破さんは2012年の総裁選挙で党員票では1位になっていますから、現政権周辺の人からすればおそらく脅威なんでしょうね。
別のアンケートで「自民党政権が続くとして、次に総理になって欲しい人」と投げかけたら、今のところ岸田さんがトップです。与野党双方に与しやすいと思われているんでしょうか? この世界、出る杭は叩かれる、です。
「ネット工作員」はやはり存在している
陰謀論は好きではありません。以前は「工作員、工作員ってなんだかなあ」と思っていました。しかし、同時刻に始まり同時刻に終わる「定型文」の投稿を経験すると、その存在を否定できなくなりました。頼んだ側にすれば、「少しはアレンジしてくれよ」でしょうが、1つ誤字があると、投稿すべてに同じ誤字があるので笑ってしまいます。
民進党のネット対策は遅れていると言われていました。なんとかする前に解党になってしまいました。「希望の党」は、小池さんがその方面には詳しいです。「立憲民主党」はツイッター開設初日にフォロワー8万人からスタートです。幸先いいですが、ネガキャン、フエイクニュースにも備えなければ…。
Next: 被害者が加害者になる「フェイクニュース」に騙されない方法
「フェイクニュース」の時代
アメリカの大統領選挙を機に、でしょうか。フェイクニュースという言葉が日常的に飛び交うようになりました。人を騙そうというフェイクニュースと恣意的でない誤報はまったく違いますが、日本では(諸外国もかもしれませんが)この2つが同列に語られています。
まず、この基本のキがわからなければ、フェイクニュースに簡単にひっかかってしまうでしょう。「悪意もしくは何かの目的をもって」「恣意的にニュースを加工し」「広く拡散し」「間違いと指摘されても、(めったに)改めない」。これがフェイクニュースの特徴です。
フェイクニュースの何が困るかというと、被害者が加害者になってしまうことです。私が1人で騙される分には、自業自得とも言えるでしょう。しかし、騙されてそのフェイクニュースをリツイートなどで拡散してしまうと、意図せずして被害者から加害者になってしまいます。だから、フェイクニュースには万全の注意や備えが必要です。
エビデンス(証拠・根拠)の「確認癖」をつけよう
私の口癖に「エビデンス」があります。ツイキャス(ツイートキャスティング=ネットのプラットホームの一種)でニュース配信をするようになってから、気をつけていることです。ネットは、その影響力や訴求力が大きい割に、書き込む側には「感覚的」に、その発信が日本中どころか世界中にまで行くという意識がありません。よく考えると、地上派のテレビよりもずっと広く遠くまで届くんですよね。
しかし、書き込む側はつい気楽に考え、思ったことをよく考えずに投稿してしまいます。どこかで聞きかじって確認していないこと、ネットの噂、勘違い。幸い悪気がある人は私のツイキャスにはめったに来ません。しかし、それでも、特に政治にまつわることは、ソースの提示を求め、不正確なことはすぐに削除をしています。
一方、「また聞き」や「未確認情報」を「思い込み」で情報発信しているグループも存在します。結果的にデマを拡散しているのでデマッターなのですが、集団の中に問題意識がある人がいないので、デマとわかっても反省なく、同じことを繰り返します。困ったものです。
信頼できるソース(大手メディアのニュースなど)がない場合は拡散しない。また、信頼できるソース元のニュースであっても、日付を確認する(私もこれにはうっかりと騙されことがあります)。テレビの画面キャプチャーの改ざんも多いので、信頼できるアカウントのものに限るなどなど気をつけ、確認癖をつけて、フェイクニュースの加害者にならないようにしましょう。
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『三宅雪子の「こわいものしらず」』(2017年10月6日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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