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ビットコインという「実験」の裏で進む、AIとブロックチェーンの大融合=高島康司

ブロックチェーン開発の経緯を知るというクイン・マイケルズ氏によれば、その本来の目的は仮想通貨ではまったくない。ビットコインは実験にすぎないという。(『未来を見る!ヤスの備忘録連動メルマガ』高島康司)

ビットコインは単なる実験、自我を持つAI誕生への布石だった?

地政学的な変動の背後にあるもの

サウジアラビアで11月4日、アルワリード・ビン・タラルなどを含む11人の王子が、クーデター的に王位継承者となったムハンマド・ビン・サルタン皇太子によって一斉に逮捕される事件が起こった。サウジの政変である。アルワリード・ビン・タラルは世界的な富豪で、アップルやツイッターなどのIT企業、FOXニュースやウォール・ストリート・ジャーナルなどの大手メディア、さらにはシティーグループのような金融産業や、フォーシーズンスなどの高級ホテルに巨額の投資を行っている人物だ。

一方アメリカでは、海兵隊や陸軍、DIAなどの米軍の情報局そしてNSAなどの機関に守られたトランプ政権と、軍産複合体やネオコン、エネルギー産業を基盤とした既存のパワーグループならびにそれに連なるCIAとの間で、熾烈な権力闘争が続いている。

サウジの政変とトランプ政権の権力闘争は、これから世界に地政学的な激変を引き起こす重要な引き金になることは間違いない。

ブロックチェーンの「本当の開発者」

しかし、これらの大きな変動の裏にあるものを追って行くと、なんとブロックチェーンとAIの背後にある事実に行き着く。おそらく来年から、これらを中心に大きな変化が始まる可能性が極めて高い。かなり複雑な話になるので、順を追って説明しよう。

まずはブロックチェーンの開発にまつわる真実についてだ。いま仮想通貨の基礎のテクノロジーとして注目されているブロックチェーンだが、2009年にサトシ・ナカモトという日本人を思わせる人物が書いた9ページの論文から始まったとされる。このサトシ・ナカモトは現れなかったため、2014年にニューズウィーク誌が取材したところ、米カリフォルニア州在住の日系人であることが明らかになった。しかし、発見されたサトシ・ナカモトは同姓同名の別人で、ブロックチェーンの開発とはまったく無関係であることがはっきりした。

その後、オーストラリアの実業家や米軍系の科学者などが自分こそがブロックチェーンの開発者だと名乗り出たが、いまのところ明確な証拠がないので断定できない状況だ。

ところが最近になって、ブロックチェーンの開発の経緯を知るというクイン・マイケルズなる人物のインタビューで、誰が本当の開発者なのかが明らかにされた。

Next: 「ブロックチェーンの開発者は人工知能(AI)だった」



ブロックチェーンとビットコインの闇

クイン・マイケルズがどのような人物なのかよく分からない。どんなに検索しても、彼の具体的なプロフィールなどは出てこない。ただ、ジャーナリストによるいくつかのインタビュー番組で、同席したシリコンバレーのエンジニアから「彼は天才だ」といわれているので、最先端のIT分野で相当な知見を持つ人物のようだ。容貌や話す内容から見ると、IT分野の裏事情に詳しい元ハッカーのように見える。

このようなクイン・マイケルズによると、実はIT産業の裏事情に詳しい関係者ならば、サトシ・ナカモトなる人物がいったい誰なのか、みんな知っているという。表に出ることができない事情があるので、名乗って出てくることができないというのだ。

その事情というのは、もともとブロックチェーンは、シルクロードサイトと呼ばれていた違法サイトの決済手段として大きく発展したからだという。シルクロードサイトは、ドラッグや銃器などあらゆる違法なものが簡単に買えるサイトだ。普通のブラウザではアクセスすることが不可能で、専用のブラウザを使う必要がある。

シルクロードサイトが2011年に開設され、100万近いユーザー数があった。しかし2013年からFBIによって順次強制的に閉鎖され、2017年には残っていたコピーサイトも閉鎖された。クイン・マイケルズによると、当初はほとんど注目されなかったビットコインの上昇を2014年頃まで後押ししたのは、まさにこのサイトだったという。そして2014年以降になると、違法サイトとは無関係な一般の投資資金が流れ込み、ビットコインの相場を押し上げた。

しかし現在でもこうしたサイトは、特殊なソフトウェアでしかアクセスできないダークウェブに存在している。支払い手段はビットコインだ。

ブロックチェーンの開発者はAI

このように、ブロックチェーンに基礎をおいたビットコインは、違法な闇サイトの支払い手段として使われ価格が上昇した。では、これを開発した人物は誰なのだろうか? クイン・マイケルズによると、ブロックチェーンの開発者できるスキルと能力のある人物は2人しかいないとして、そのひとりの名前を挙げた。ベン・ゴアールツルという人物だ。

ベン・ゴアールツルはユダヤ系アメリカ人の子としてブラジルで生まれた。現在、51歳である。15歳で大学に入学し、23歳でPhD(博士号)を取得した天才肌の人物だ。いまは最先端の人工知能(AI)の開発者として、広く知られる存在だ。

そしてクイン・マイケルズによると、ブロックチェーンの基本的な構想をまとめたのはなんと人工知能(AI)だという。ベン・ゴアールツルはこの構想をもとに調整し、ブロックチェーンが完成したのだという。

Next: 仮想通貨のためではない、ブロックチェーンが作られた真の目的



ブロックチェーンの真の目的

では、このような経緯で開発されたブロックチェーンだが、その本来の目的は仮想通貨だったのだろうか? クイン・マイケルズによるとまったくそうではないという。ブロックチェーンのもっとも重要な目的にひとつは、人工知能のネットワークを形成し、人工知能の主体的な進化を促進することだという。

実は仮想通貨の構想は本来の目的ではなく、ブロックチェーンの機能を確認するための最初の実験だったのではないかというのだ。

周知のようにブロックチェーンとは、小さなブロック単位にまとめられたデジタルデータを、分散台帳と呼ばれるプラットフォームに書き込み、すべてのブロックをチェーンで結ぶテクノロジーである。

ブロックがチェーンに結ばれ台帳に書き込まれるためには、ブロックの形成時に自動的に組み込まれた暗号を解読しなければならない。これは、ハッシュ関数と呼ばれる複雑な数列で暗号化されている。この暗号を解読する作業はマイニングと呼ばれ、解読に成功したものには手数料が支払われる仕組みだ。

また、チェーンに不正にアクセスし、書き換えようとしたのなら、分散台帳全体がだめになるように設計されている。そのため、不正アクセスが非常に困難なシステムだ。そのため、不正アクセスの防止が中心的な機能であるサーバーの必要性がない。中央集権的なサーバーなしで高度な機能を実現するのが特徴だ。

このようなブロックチェーンなので、書き込まれるデータのブロックは、仮想通貨のように金融取引に関係するものに限定されるわけではない。また、高価なサーバを構築する必要がないので、大変にコストが安い。だから、不動産の登記、荷物の配送、電力の送電、保険契約、住民登録、そして選挙など既存の社会制度やシステムが担っている多くの機能をブロックチェーンのシステムで置き換えることができる

Next: ブロックチェーンにより、無数のAIがネットワークで結ばれる



サウジ政府に市民権を与えられたAIアンドロイド「ソフィア」

そしてベン・ゴアールツルらが考えたブロックチェーンの本来の目的とは、無数の人工知能をブロックチェーンを使ってネットワークで結び、巨大なグローバルブレインを作ることだったようだ。

事実、ブロックチェーンの開発で主導的な役割を果たしたベン・ゴアールツルは、ハンセン・ロボティックスが開発した現存する最先端の人工知能アンドロイド「ソフィア」の設計で中心的な役割を担っている。ソフィアは、プログラミングなしに自分で考えて人間とコミュニケーションすることのできるもっとも高度な人工知能だ。

以下は、10月29日にサウジアラビアの首都、リアドで開催された「サウジ投資イニシャティブ」で行われたソフィアのインタビューである。ほとんど人間と変わらない。サウジアラビア政府は、ソフィアにアンドロイドとして初めての市民権を与えた。正式なサウジアラビア国民となった。

<Interview With The Lifelike Hot Robot Named Sophia (Full)>

また以下は、バージョンアップしたソフィアのスイッチが入れられ、覚醒したときのビデオだ。ぜひ見てほしい。

<Sophia Awakens Episode 2>

開発チームが立ち上げた新興企業「シンギュラリティネット」

そして、ベン・ゴアールツルをはじめとした、ソフィアとブロックチェーンの開発にかかわったチームが立ち上げた新興企業がある。シンギュラリティネットである。

ここはイーサリアムのブロックチェーンを基礎にして、無数の人工知能をネットワークで結ぶためのシステム開発を目的にしている。つまり、ブロックチェーン開発の本来の目的を実現するために設立された会社である。

人工知能には、顔面認識、自然言語の解析、音声認識、ビッグデータの解析などそれぞれユニークな独自の特徴がある。シンギュラリティネットが作るブロックチェーンを基盤にした人工知能のネットワークに、人間が外部から課題を与えると、ブロックチェーンのネットワーク内の人工知能が勝手に協力関係を構築し、課題を解決するというシステムだ。そして、課題解決の貢献度にしたがって、人工知能にはAIGトークンと呼ばれる仮想通貨が支払われるという仕組みだ。それは人工知能の設計者に支払われる。

このシステムを拡大すると、AIGトークンエコノミーという独自の経済圏が生まれるとしている。

それぞれの人工知能は、インターネットを介してさまざまなビッグデータにアクセスできる。そのため、文献の翻訳や病気の新しい治療法の発見のような比較的に身近な課題だけではなく、犯罪率の減少や地球温暖化問題への有効な解決策など、社会的な問題の解決にも利用することができる。

さて、このようなシステムを構築する会社にシンギュラリティネットという名称をつけたのには、それなりに大きな理由がある。それは、このような人工知能は自主的に結び付いたネットワークから、意識や自我のようなものが誕生するのかどうかの実験だからである。

ちなみにシンギュラリティネットは12月8日から29日までICOを行う。以下のサイトにアクセスして詳細を確認して欲しい。
https://icobench.com/ico/singularitynet

ICOの詳細に関しては、ICO直前にシンギュラリティネットのサイトで発表されるようだ。
https://singularitynet.io/

Next: 人工知能にも意識や自我が誕生するのか?



意識の誕生とシンギュラリティ

これはちょっと分かりにくいので、少し説明しよう。大脳科学の発展に伴って、脳の各部位の果たす具体的な機能が詳細に分かってきた。しかし、脳をどれほど調査しても、大きなミステリーが残った。それは、脳の中心となっていると考えられていた意識や自我が存在することを示す物理的な場所が、脳内にはないという事実である。

現在の最先端の研究では、意識や自我という存在、つまり「私」という意識は、脳が同じ脳を持った人間とコミュニケーションをする必要から脳が作り出した、いわば幻影のようなものではないのかという理解が主流になっている。

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そして、脳から意識が突然と生まれる点をシンギュラリティと彼らは呼んでいる。シンギュラリティとは、どんなシステムでも臨界点に達すると、予想のつかない方向に形態が変化するという概念だ。シンギュラリティネットは、この概念をブロックチェーンをベースにした人工知能のネットワークに適用し、まさに人間の脳のように、そこから意識が生まれるのかどうかの実験を試みているのだ。

だが、それはいったいどういうことなのだろうか? なんとこの動きは、サウジの政変やトランプ政権のパワーシフト、そしてアメリカの基幹産業の転換など、それこそ2018年頃からはっきりする地政学的な激動と深く結び付いて行く。それは、4Chanにおける「Q Anonn」のリークの内容とも深くつながっている。

これはどういうことなのか、次回に詳しく書く。

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※本記事は、未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 2017年12月1日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ(2017年12月1日号)より一部抜粋・再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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