今回はブラック案件・ホワイト案件の続編をお送りします。前回は基礎編として、「リスクには2種類ある」ことや「ホワイト案件の定義」、「ブラック案件を引き寄せてしまう理由」などを見てきました。今回は事例なども交えながら、ブラック案件・ホワイト案件の見分け方等を中心に考えていくことにしたいと思います。(俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編)
プロフィール:俣野成敏(またのなるとし)
30歳の時に遭遇したリストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらには40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任する。2012年の独立後は、フランチャイズ2業態6店舗のビジネスオーナーや投資活動の傍ら、マネープランの実現にコミットしたマネースクールを共催。自らの経験を書にした『プロフェッショナルサラリーマン』及び『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』のシリーズが、それぞれ12万部を超えるベストセラーとなる。近著では、『トップ1%の人だけが知っている』(日本経済新聞出版社)のシリーズが10万部超えに。著作累計は44万部。ビジネス誌の掲載実績多数。『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも数多く寄稿。『まぐまぐ大賞(MONEY VOICE賞)』を3年連続で受賞している。
※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』2017年12月21日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
あなたは見破れますか? 投資のブラック案件とホワイト案件(下)
1. あなたはブラック案件をつかんでいないか?
最初に前回の復習として、ブラック案件・ホワイト案件について簡単に振り返ってみることにしましょう。ぜひ、ご自身に当てはめて考えてみてください。まずは現状認識をすることからスタートです。
【ブラック案件・ホワイト案件をつかむ人の特徴】
ブラック案件とホワイト案件の、それぞれの特徴をピックアップすると以下のようになります。
《ブラック案件をつかむ人の特徴》
- マネープランができていない
- 常に高利回りを求めている
- うまい話にすぐに飛びつく
- 失敗しても、どういう理由で失敗したのかを反省しない
- 失敗を他人のせいにしている
- 痛みを覚えていない
- 学びがない
- マネーリテラシーがない
- 失敗したことをいつまでもクヨクヨする
- いつもどこかにうまい話はないかと探し回っている
《ホワイト案件をつかむ人の特徴》
- マネープランをきちんと組んでいる
- 不必要なリスクを追っていない
- 案件に不明確な部分があるうちは、投資しない
- 同じ轍は踏まない
- 失敗も自分のことと受け止めている
- 常に学び続けている
- 1つの経験を他でも応用している
- リスクコントロールができる
- 気持ちの切り替えが早い
- 学びにお金と時間を投入している
「どうしたらリスクコントロールできるのか?」ということに関しては、前回のメルマガVol.81でもお話した通り、
- マネーレコーディングで現状把握を行う
- マネープランで分析と目標設定をする
- 「目標ー現状=差額をどうやって埋めるか?」を検討する(投資など)
の手順を行えば、負うべきリスクがどれくらいなのかがわかります。
「このままで自分の目標金額までたどり着けるのかどうか?」を判断する材料となるのが、キャッシュストックとキャッシュフローです。
ストックとは「今現在、自分の資産はいくらあるのか?」ということです。対する「毎月、いくらの余剰資金が残るのか?」がキャッシュフローです。
この2つを材料に将来を予想し、「目標との差額を埋められない」となった場合は、そのままこの2つを投資原資とみなします。
投資を検討する際は、リスクとリターンを必ず秤に掛ける必要があります。一般に、リスクとリターンは釣り合っているために「リターンを狙えばその分、リスクも高まる」ことは、前回すでにお伝えしました。ですから「必要に応じた分だけのリターンを得る」ことによって、リスクを許容範囲内に抑えるようにします。これが「リスクコントロール」の意味です。
Next: 「我慢すべきか?」「損切りすべきか?」はどうやって見分けるのか?
【「我慢すべきか?」「損切りすべきか?」はどうやって見分けるのか?】
ところで投資を行っていると、出資したものの運用成績が思うように行かず、時には「被害を最小限に抑えて撤退し、次に賭けたほうがいい」という場面に行き当たることがあります。これを「損切り」と言います。
その一方で、「投資とは我慢比べ」だと言う人がいます。相場には波があり、絶えず上下を繰り返しています。自分の持っている銘柄が下がると、人は不安になって「これ以上、傷口を広げないよう」売ってしまいたい誘惑にかられます。ここで市場が再び上向くまで、その誘惑に耐えられる人は、それだけ「失敗する確率が低くなる」と言えます。
となると、銘柄が下がった時に「我慢すべきか?」それとも「損切りすべきか?」は、どうやって判断すればいいのでしょうか?
考え方の1つとしては、下がった時点で「今からこの投資を始めるとしたら、この値段で買うかどうか?」を自問してみることです。「今、手元に余裕資金があったら、この価格で買い増ししたいか?」と自問し、仮に「買いたいとは思わない」という答えなのであれば、「損切りを行ない、資金をもっとよい投資案件に回す」という選択肢が考えられます。
バフェット氏が今回、IBMの株を売却したのは、まさに「待つ戦法」ではなく、「資金のさらなる有効活用」を選択した結果だと言えるでしょう。
「上がるのを待つか?」「損切りするか?」を考慮する際に、もともと生活に支障のない余剰金で投資を行っていれば、多少の損失が出ても、相場の変化を待てるだけの余裕が生まれます。逆を言うと、相場の上下に一喜一憂してしまうのは、どこかでムリをしている可能性がある、ということです。
「どうしたらホワイト案件だけを引き寄せられるか?」ということに関して、1つは情報を得ようとする際に、「時間とお金を節約しない」ことではないかと思います。一例を挙げると、私たちは高額投資をしている人に対しては、極力「現地視察ツアーに参加する」ようオススメしています。そうすることによって、現地のマクロ事情・ミクロ事情の両方とも深く理解できるようになるからです。少なくとも、情報の感度は間違いなく上がります。
世の中には、投資の勉強をしている人がたくさんいます。けれど結局、効果的な勉強法と言えば、基本的には「自分の経験にお金を払うか?」それとも「他人の経験にお金を払うのか?」の2パターンしかありません。しかもたいてい、自分で経験するほうが高くつきます。それよりは、他人の経験に学ぶほうが安く済むでしょう。
ホワイト案件をつかむ人は、「期間を延ばす(長期投資)」か「原資を増やす(増額によるリターンの増加、分散投資等)」かによって、リスクを調整しようとしている人がほとんどです。
Next: どれがホワイト案件? 選択の参考になる事例集
2. ブラック案件・ホワイト案件事例集
それでは次に、それぞれの事例を見てみることにしましょう。案件の詳細と解説も明記してありますので、ぜひ参考になさってみてください。
※参考:証券取引等監視委員会による検査結果
【ブラック案件1:リミットインベステージ】
《商品の概要、特徴》
- FX投資ファンド
- 「投資信託によってリスクを分散・収益を分配する」という触れ込み
- 一口50万~1000万円
- 毎月の配当:2.5%(年利30%)
《ブラックポイント》
- 「為替運用」という変動利回りの運用を行っているにも関わらず、「固定配当」「高配当」「高頻度配当」を謳っていた
- 配当が高すぎるため、ムリな資産運用をしないと利益が出せない
- 少しの運用損失でも回らなくなる状態
- 一部資金は運用せず、自社の経費に流用
- 営業者への過剰なインセンティブ
《このブラック案件を避けるには》
- 月利2.5%という異常に高い利回り
- 「これだけの利回りを出せる仕組みになっているのか?」を確認する
- 市場の相場と比較をすれば、数字が現実的なものではないことがわかる
(続きはご購読ください。初月無料です<残約9,000文字>)
ブラック案件2:クローバーコイン
ホワイト案件1:シンガポール○○○○
ホワイト案件2:アメリカ○○○○
3. 「投資家は語る」
今週の宿題:ブラック案件か?ホワイト案件か?を見極めてみよう
※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』2017年12月21日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
次回予告
次回は、「2017年総復習」をお送りいたします!
新しい年を迎える時、人は「心機一転、今年こそ頑張るぞ!」と思いを新たにするものです。けれど、大切なのはすべてをリセットすることではなく、失敗から学び、そこからステップアップをしていくことです。
・2017年に一番読まれた記事とは?
・2017年に人々の注目を集めた話題とは?
・投資家として成長するために必要なこととは?
・これから流行りそうな投資詐欺とは?
※来月の1日は年末年始に当たるため、本メルマガは休刊となります。代わりに、2018年1月4日(木)(予定)にVol.83を配信いたします。11日、21日の発行に変更はございません。次回の特集も、どうぞお楽しみに!
今後の特集スケジュール
2018年1月予定
第1回:(Vol.83)投資先としてのハワイ1
第2回:(Vol.84)投資先としてのハワイ2
第3回:(Vol.85)『仮想通貨』書籍発売記念特集1
2018年2月予定
第1回:(Vol.86)『仮想通貨』書籍発売記念特集1(2月1日配信予定)
第2回:(Vol.87)『仮想通貨』書籍発売記念特集2(2月11日配信予定)
第3回:(Vol.88)『仮想通貨』書籍発売記念特集3(2月21日配信予定)
<初月無料購読ですぐ読める! 12月配信済みバックナンバー>
【Vol.81】『ブラック案件・ホワイト案件《前編》』目次(12/11)
イントロ:「ソーシャルレンディングは儲かる」は本当か?
「投資のブラック案件・ホワイト案件」《前編》~なぜ、人によって引寄せる案件が違うのか?~
1. ブラック案件、ホワイト案件とは何か?
◎リスクには「2種類ある」
◎ブラック案件を引き寄せてしまう要因とは
2. 「ホワイト案件をつかめない」原因を探る
◎どうして熱心に勉強してもホワイト案件をつかめないのか?
◎ホワイト案件をつかめるようになるには?
3. 失敗は飛躍するための“チャンス”
今週の宿題:「自分は投資をすべきなのかどうか?」と考えてみよう
ニュースのビジネス的着眼点:迫りくる増税ラッシュに打つ手はあるのか?
編集後記:ワイキキビーチでも、仕事してます!
【Vol.80】『マネープラン《実践編》』目次(12/1)
イントロ:幸運とは「待つものではなく、自らつかみにいくもの」
「敏腕FPが教えるマネープランの基本と実践」《実践編》~事例を参考に、お金との向き合い方を考える~
1. お金が貯まらない真の要因とは
◎“できない”人をマネすれば、当然“自分もできない”
◎「お金が貯まらない人」の特徴
2. マネープランの実例を見てみよう
◎事例1:老後資金を貯めるはずが…
◎事例2:不明金の8万円はどこへ消えたのか?
3. 自分の優先順位をどこに置くか?
今週の宿題:マネープランを自分の味方にしよう!
今週のQ&Aコーナー:「投資で人生を挽回する」って可能なの?
編集後記:暗号通貨への投資は「万馬券に通じるものがある?!」
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
12月分すべて無料の定期購読手続きを完了後、各月バックナンバーをお求めください。
【Vol.79】『マネープラン《基礎編》』目次(11/30)
イントロ:「今年こそ、何とかお金が貯まりますように」…!?
「敏腕FPが教えるマネープランの基本と実践」《基礎編》~避けては通れない自分のお金との向き合い方~
1. 「なぜお金をコントロールするのは難しいのか?」
◎お金をコントロールすることは、誰でもできる
◎本当に難しいのは「欲望のコントロール」じゃない
2. マネープランの実行と課題
◎マネープランを組む上で欠かせない“5つの要素”
◎収入に対する予算の割合を決める
3. 稼ぐための“修行時代の一環”がマネープラン
今週の宿題:まずは、マネープランをやってみよう!
ニュースのビジネス的着眼点:「副業解禁!」同一労働同一賃金もこれに続け?
編集後記:「白バイ先導でダバオ視察なう」!?
【号外】ビットコインの“ハードフォーク”って何?(11/28)
【Vol.78】『情報収集術《番外編》』目次(11/23)
イントロ:「主役になってスポットライトを浴びる」前に、必ず通る“修行の道”
「ジョブマトリクスで“自分の立ち位置”を知る方法」~情報収集とその活用術《番外編》~
1. 「どれが成功へと続く道なのか?」を見極める
◎自分の能力を最大限に発揮するために必要な“4つの視点”
◎地味なことの積み重ねの先に「成功がある」
2. 活躍するための武器を手に入れる
◎華やかな仕事が、自分に向いているとは限らない
◎ジョブマトリクスを活用する
3. 「自分に与えられた“舞台”をどのように活かすか?」
今週の宿題:ジョブマトリクスを使ってみよう
ニュースのビジネス的着眼点:いよいよ迫る「副業解禁元年」!私たちの働く環境はどうなる?!
編集後記:配信ペース変更のお知らせ
【Vol.77】『情報収集術《応用編》』目次(11/16)
イントロ:情報操作は私たちの身近で日々、起きている
「とびきりの情報を手に入れて仕事に活かす!」~情報収集とその活用術《応用編》~
1. 仕事の情報収集とは、世間のニュースを追いかけることじゃない
◎人は「自分のことは見えない」もの
◎生まれながらに持っている能力に着目する
2. “スポットライト理論”に基づいて自己の能力を開発する
◎「何気ない一言から啓示を受ける」
◎本領を発揮できれば、人は人生の主役になれる
3. 世の中は「何かと何かを交換することで成り立っている」
今週の宿題:自分の強みを考えてみよう
ニュースのビジネス的着眼点:仮想通貨は最新技術でも、詐欺の手口は“古典的”
編集後記:「大人気マンガシリーズで賢く学ぶのはいかが?」
【Vol.76】『情報収集術《基礎編》』目次(11/9)
イントロ:「情報ソースが揺れている!」今、私たちは何を信じればいいのか?
「情報化社会でとびきりの情報を手に入れる!」~情報収集とその活用術《基礎編》~
1. 「なぜ、自分は良い情報を得られないのか?」の原因を探る
◎「グーグルの情報は客観的」という勘違い
◎情報収集能力を向上させるための2つのポイント
2. とびきりの情報とは「人を介してしかやってこない」
◎事例1:一流の人に直接、教えを請う方法
◎事例2:現地の人から直接、生情報を仕入れる方法
3. 自分の力をどこに投入すれば、最大リターンを得られるのか?
今週の宿題:自分に必要な情報を見極めよう
ニュースのビジネス的着眼点:再び増税!日本政府が、今度は庶民を対象に出国税を検討
編集後記:「投資のコミュニティですが、こんなこともやっています」
【Vol.75】『新興国投資(下)』目次(11/2)
イントロ:「アジアのトランプ」ドゥテルテ大統領の意外な一面?
「新興国投資でキャピタルゲインを得る方法」(下)~失敗しない新興国投資とは?~
1. これからの新興国投資
◎先進国が停滞する中で、新興国は成長し続けられるのか?
◎次なる「ポストダバオ」の地はどこか?
2. 海外投資でダマされないためのテクニック
◎海外投資でもうダマされない!万能の質問とは?
◎ダマされないためには、相手よりも賢くなるしかない
3. 「投資家とは、1つの職業である」
今週の宿題:新興国への投資を検討してみよう
ニュースのビジネス的着眼点:いよいよAI台頭か? 銀行が「3万3000人リストラ検討中」と公表!
編集後記:「自社でもこれを取り入れられないか?」と考えるクセをつけよう!
『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』(2017年12月21日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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