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2018年トレンドを先取り! 独断と偏見で選ぶ「投資経済 ウラ流行語大賞」=東条雅彦

経済分野のトレンド推移は、通常の「流行語大賞」からはわかりません。2017年を代表するキーワード、逆に注目されなくなったキーワードを整理してみましょう。(『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』東条雅彦)

栄枯盛衰は世の習い、今年1年のトレンド推移を総復習しておこう

検索数で時代が見えてくる

2017年がまもなく終わります。本当にあっと言う間でしたね。今年は一体、どんな年だったのか? 今日は「グーグルトレンド」で確認しながら、2017年を振り返ってみたいと思います。

グーグルトレンドは、グーグルでの検索回数を元にして、最も検索回数が多かった時期を100%としてそれ以外の時期を相対的な値で示してくれます。

まずは、2017年ユーキャン新語・流行語大賞に選ばれた「忖度(そんたく)」と「インスタ映え」というキーワードについて、2016年1月1日から2017年12月23日までの検索傾向を調べました。

<グーグルトレンド「忖度」>

さすが流行語大賞です。2017年に入ってから、急速に検索されています。おそらく「忖度(そんたく)とは?」という形で、言葉の意味を知るために検索した人が多かったのだろうと推測します。ちなみに忖度とは、「他人の気持をおしはかること」という意味です。

続けて、「インスタ映え」の方もグーグルトレンドで調べてみました。

<グーグルトレンド「インスタ映え」>

「インスタ映え」というキーワードは、2017年の後半から一気に伸びてきました。ピークは流行語大賞を取った「2017年12月1日」です。

安倍首相は12月19日、内外情勢調査会で講演し、「地方活性化の鍵はSNSにあります。インスタ映えするとも言われています」と語りました。その前日の18日、安倍首相はInstagramを開始して、フォロワー数を瞬く間に6万人も獲得しました。

キーワード「インスタ映え」については、来年以降も流行が継続しそうです。

というのも、Instagramは写真がメインなので、今までの文字主体のSNSよりも気軽に始められます。スマホで写真を撮って、共有するだけです。友達に共有する情報を文章で書く必要はありません。しかも、共有情報は写真であるため、その国の言語も関係ありません。英語や中国語が話せなくても、世界中の人と繋がることができます。

Instagramの動向は、今後も要チェックだと思います。興味のある人は一度、自分のスマホにInstagramをインストールして試してみてください。Facebook、Twitter、LINEよりも、さらに敷居が低くて驚くと思います。

流行語大賞ノミネート30語

ちなみに今年、ユーキャンの流行語大賞にノミネートされた30語は次の通りでした。

・アウフヘーベン
・インスタ映え
・うつヌケ
・うんこ漢字ドリル
・炎上○○
・AIスピーカー
・9.98(10秒の壁)
・共謀罪
・GINZA SIX
・空前絶後の
・けものフレンズ
・35億
・Jアラート
・人生100年時代
・睡眠負債
・線状降水帯
・忖度(そんたく)
・ちーがーうーだーろー!
・刀剣乱舞
・働き方改革
・ハンドスピナー
・ひふみん
・フェイクニュース
・藤井フィーバー
・プレミアムフライデー
・ポスト真実
・魔の2回生
・○○ファースト
・ユーチューバー
・ワンオペ育児

個人投資家からすれば、「本当にこんなの流行っていたのかなー」と感じる言葉も多いかもしれません。

Next: 2017年を席巻した経済・投資分野のキーワードはこれだ



2017年を代表するキーワード

先程の流行語大賞には、経済や投資に関連するキーワードは相対的に少なく、政治、芸能、スポーツに関連したものが多く見受けられます。

そこで、私の独断と偏見で、経済や投資分野における「2017年を代表するキーワード」を選びました。それが下記の3つです。

  1. 北朝鮮
  2. ビットコイン
  3. ハイテク株

<キーワード1:北朝鮮>

1番目は「北朝鮮」です。2017年に入って、「北朝鮮」関連のニュースが急増しました。Jアラートの警告音に怯えた人も多かったと思います。

ここまで朝鮮半島における地政学的リスクが高まった時期は、現代を生きる私達にとっては初めての体験でした。

<グーグルトレンド「北朝鮮」>

朝鮮半島の地政学的リスクの高まりは、来年以降も継続すると思われます。今後も北朝鮮が核実験やミサイル発射を行う度に、検索回数が跳ね上がるでしょう。

<キーワード2:ビットコイン>

2番目は「ビットコイン」です。今年はビットコイン等の仮想通貨に関係するニュースが本当に多かった1年だったと思います。

グーグルトレンドで調べてみると、案の定、2017年の後半から上昇して、今がピークです。

<グーグルトレンド「ビットコイン」>

ただ、この傾向はおそらく来年以降も続くでしょう。ビットコインは暴騰するにしろ、暴落するにしろ、価格変動がとても大きいので、ニュースで取り上げられやすいという面があります。また、大儲けした人も大損した人も多いので、話題になりやすいと思います。

<キーワード3:ハイテク株>

最後の3番目は「ハイテク株」です。投資家の資金がフェイスブックアマゾンアップルネットフリックスグーグル等の一部のハイテク企業に隔たっている点について、「正しい」とか「間違っている」とか、様々な議論が巻き起こった1年だったと感じました。

<グーグルトレンド「ハイテク株」>

去年に比べて、今年の方が圧倒的に注目度が高くなっています。ハイテク企業については、「AI革命(第四次産業革命)」という長期的なテーマがあるため、今後も注目は続くと思います。

また、仮に一時的に下火になったとしても、必ず、長期では注目が集まるでしょう。

逆に注目されなくなったキーワード

逆に、2017年に入って注目されなくなったキーワードは、「アベノミクス」や「黒田バズーカ」の2つです。キーワードの検索傾向は次のようになっています。

<グーグルトレンド「アベノミクス」>

<グーグルトレンド「黒田バズーカ」>

2013年4月に異次元緩和を行うことを決定して、年間インフレ率を2%程度に引き上げる予定でした。しかし、残念ながら、結果が出ませんでした。政府が2017年12月1日に発表した消費者物価指数は次の通りです。

<消費者物価指数2017年10月分(2017年12月1日公表)>

時の政権は常に「足踏み状態が続いている」とかいう、わけのわからない曖昧な表現で逃げようとします。しかしながら、データは正直です。

インフレ率は概ね横ばいが続いていて、継続的に上昇していく気配は感じられません。つまり、リフレ理論は間違っていたのです(リフレ派のエコノミストですら「アベノミクス」「黒田バズーカ」関連の書籍を書くのを断念している状況です)。そして、理由は不明ですが、その後、リフレ理論が検証されることもなく、そのまま忘れ去られようとしています。

Next: 2018年は何が起こる?予測困難な中で唯一、確定していること



2018年は何が起こる?予測困難な中で唯一、確定していること

今の株高はバブルだと指摘する人もいれば、巨大なバブルが起きる前段階だと言う人もいます。はたまた、政府の財政が悪化し続けているので、もうそろそろ財政破綻すると指摘する人もいます。

でも、経済的な大きなイベントを的確に言い当てるのはとても難しい。確率が高まっているということは言えても、100%だと断言はできません。実体経済は、気象よりもダイナミックな変化が巻き起こります。

そして、その不確実な要素が多い状況で、唯一、確定しているのはハイテク企業が中心になって押し進めている「AI革命」ぐらいしかないと思います。

【関連】2017年を席巻した3大変化「バフェット、AI、仮想通貨」の共通点とは?=東条雅彦

米国では来年から自動運転車のサービス開始へ

AI革命で最もインパクトの大きい分野は自動運転です。自動車での移動コストが、最終的には公共交通機関(電車・バス)並みに低下すると予想されています。

先日の12月22日に、「ウェイモ、自動運転車に保険を適用 来年にはサービス開始へ」というニュースをForbesが報じています。そのニュース記事を一部、引用します。

ウェイモは、自動運転車に対する不安を緩和するため、
保険企業と提携して乗客に保険を適用することを明らかにした。

同社は12月19日、オンデマンド保険を提供する「Trov」と提携し、
数ヶ月以内にアリゾナで開始する配車サービスの乗客に
保険を適用する。

遺失物や運行の中断、医療費などが補償の対象となる。

出典:ウェイモ、自動運転車に保険を適用 来年にはサービス開始へ – Forbes JAPAN(2017年12月22日配信)

ウェイモは、グーグルが自動運転技術を商業化する目的で2016年に設立した会社です。今はその商業化の一歩手前まで来ています。

10年後の未来に「AI革命が起きませんでした」ということにはなりません。

長期投資家は本質的には「株式」を買っているのではなく、「未来への夢」を買っていると私は考えています。AI革命が本格的に起動すれば、先進国のGDPが2~3%程度は上乗せされてくるはずです。

2018年は楽観的なイベントが起きるか、悲観的なイベントが起きるのかはわかりません。しかし10年・20年の長期では、面白い未来が待っているはずです(AI革命によるGDPの押し上げ効果については、別の機会に当メルマガで詳しく取り上げます)。

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ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』(2017年12月24日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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