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【俣野成敏×午堂登紀雄対談】老後の資産形成、こういう人が失敗する

数多くのベストセラーを出すビジネス書作家・投資家として活躍中の俣野成敏さんと、米国公認会計士で講演家としても活動されているお金の専門家の午堂登紀雄さん。このお二人が、老後のための資産形成、現役時代の働き方、情報収集術までを語り尽くした特別対談をお届けいたします。お二人の有料メルマガをご購読いただいている読者限定で公開する対談を、今回は特別に一部だけ公開。はたして、どんな熱いトークが繰り広げられたのでしょうか?

※今回掲載した2倍以上のボリュームの“対談中編・後編”は、俣野成敏さん午堂登紀雄さんご両人のメルマガにご登録いただくと読むことができます(それぞれ完結した内容となっています)。2月中に登録すれば初月無料期間内に対談も全文読める大チャンスです。

失敗の元は「見えない不安」? 将来を明るくするスペシャル対談

資産形成がうまくいかない人の特徴

―――俣野さんと午堂さんは、これまで将来の資産形成の方法について悩んでいる方々と多く出会われて、色々なケースを見て来られたと思うのですが、まずはそのご経験から「こういう人は失敗する」というパターンを教えていただけますか?

俣野:まずは、公的年金をアテにしてる人じゃないですか。今後は払われるのが70歳になりそうですしね。結局のところ、年金制度を潰すことはできないので、支出を抑えないといけない。そうなると、支給対象者を絞るしかないっていうのは、分かり切った流れなんですけどね。

世の中の物事には、A面とB面があると思うんです。

公的年金の話で言えば、A面は「労働人口が減っていて、若い人も減っている。だから、元気なシルバー世代にもいきいきと働いてもらおう」ということで、企業に雇用延長や再雇用を求めていく……これがA面なんです。

ところがB面はどうかというと「年金の財源がまずいから、働く期間を延ばそう」ということなんですよね。我々としては、報道とかメディアではA面しか取り上げないという認識を持って、B面にある思惑や本質を考えるのが非常に大事だと思いますけどね。

午堂基本は自己責任だと思うんですよ。年金のこともそうですが、お上に頼ろうとするから、裏切られた時にどうしようもなくなってしまう。「自分と自分の家族を守れるのは、やっぱり自分しかいない」という自己責任意識を持って、対策を考えないとダメでしょうね。誰かが何とかしてくれると思ってると自分で考えなくて済むんですが、それだと思考停止になってしまうんですよね。

もうひとつダメな例としては、周りの他人を見ながら動く人。「周りの人がやってるから、自分も資産形成を始める」とか「周りがやってないから、自分もやめよう」という人は、たいていうまくいかないものなんです。

以前のことなんですが、民主党政権下で日経平均が8,000円台まで下がったんです。こういう時こそ投資をすべきだから、旧知の出版社に「株の本を出しましょうよ」って話したんですが、先方は「今のような時は、この手の本は売れないんですよ」って言うんです。でも、その後に日経平均が上がって1万5,000円を越えてくると、どの出版社も慌てて投資の本を出すんですけど、それじゃ遅いってことなんですよね。

ゴールデンウイークや盆暮れ正月と同じで、みんなが休みのタイミングでどこか行くと、渋滞の渦に巻き込まれてしまう。今話題の仮想通貨だってそうで、みんなが参入して来た時には当初とは違った取り組み方になると思うんですよね。

では、どうやってみんなより先に知るかというと、情報のアンテナを常に立てなきゃいけなくって、ちょっと面白そうだなと思ったら、まずは調べてみる。「自分には関係ない」「怖い」「何だかよく分からないから止めとこう」とかいう言い訳で、逃げないことですね。「よくわからないから」っていうのは、思考停止と同じなんです。だからチャンスをつかめない。

Next: 不安の正体をしっかり調べれば「なんとなく怖い」はなくなる



「見える不安」は怯えなくていい

俣野:まさにそうですね。不安には「見えない不安」と「見える不安」の2種類があるんですけど、「見える不安」に関しては対策が取れるから、怯えなくていいんですよ。

例えば「年金がなくなるかもって言われてるけど、どうなるんだろう?」って思うだけだと、午堂さんの言うところの思考停止になって、それは急に「見えない不安」になってしまうと。

それに対して「見える不安」はどういうことかというと、「じゃあ、老後にはいくら必要なんだろう」「老後っていつから始まるんだろう」といったことがわかると、計算ができるようになるんですよ。例えば70歳でリタイアするとすれば、人生100年時代ということで残り30年。それで「月々いくら必要か」っていうのがわかれば、あとは掛け算をするだけ。そうすれば、額の多少は人それぞれとはいえ、老後に必要な金額が出るじゃないですか。その時点では、どうしたら良いかはわからないかもしれませんが、金額が出ることで「見える不安」に変わるんですよね。

「見える不安」に変わったら、世の中には頭のいい人がたくさんいるので、その人の本を読んだりして色々と調べることで、手立てが見つかってくる。……こういう風なステップを踏めばいいんですよね。とにかく「見えない不安」に怯えている人が、すごく多いように感じますね。

午堂:「なんとなく怖い」って思ってる人って、結構多いですよね。

俣野:そう、漠然とした不安。でも、いくら資産を持っているという人でも、不安がゼロという人はいないんですよ。仮想通貨でも、成功して「億り人」になったとしても、その保管場所をどうするのかってことで、不安に苛まれてる人も多いわけですし。でも、その不安自体が明らかになれば、対策が取れるんですよね。

午堂さんの著作にも、検索術について書かれた『グーグル検索だけでお金持ちになる方法-貧乏人が激怒する2020年のマネー戦略』がありますが、あれも結局のところ「検索するキーワードを見つける能力が研ぎ澄まされれば、よりいい情報を得られる」ってことですもんね。漠然とした言葉で検索しても、漠然とした情報しか得られない。これと同じで、自分が思っている不安をもっともっと深堀りして、その正体を顕在化させることが大事。「こりゃ困った」の「こりゃ」をハッキリさせることなんですよ。

午堂:私もFXとか不動産投資とか色々やってるんですけど、そのことを周囲の人に言うと「危険なんでしょ?」「怖いんでしょ?」って、漠然としたイメージだけで言って来る人が、あまりにも多いんですよ。それこそ「やったことないのに、危険とか安全とかが分かるの?」って話じゃないですか。それで結局、自分で調べたりやってみたりといったことをせずに、「私には無理です」と諦めてしまう。それって、将来の選択肢を狭める思考の1つですよね。やってみたら意外と大したことなかったってことは、結構多いのに。

俣野:そうなんです。まずは一歩踏み出して、自分が抱えている不安を、ふわっとした状態でもいいから顕在化させると。それができたら、その不安を解消するための準備をなるべく早く始めること。それもある程度算段が付いたら、不安要素は結構下がってるんじゃないですか。そうなれば、「じゃあ、現役時代の今をどう充実させていくか」っていうのが見えてくるんですよ。老後の見通しが立ったとはいえ、現役時代が空しいんじゃ、どうしようもないですからね。

Next: 老後のことを計算してから、現役時代のことを考えるのが賢明



まずは老後の不安をやっつけること

―――順番としては、まずは老後のことを計算して、それから現役時代のことを考えるほうが賢明ということですか?

俣野:その方が計算しやすいんですよね。自分の資産を増やすにしても、「明日倍にする」という話になると、これはかなり難しいというか、それこそギャンブル性が高くなる。ところが「30年かけて倍にする」という話なら、そこまでは難しくはない。どちらの方が確実性が高いかを考えると、後者ですよね。だから、まずは遠い不安を顕在化させて、それをやっつけてしまうと。

それに遠くにある不安のほうが、やっぱり尾を引くんですよ。「今日だけ不安」っていうよりも「30年間不安」っていう方が、キツくないですか? だとしたら、まずは遠くにある不安を顕在化して解消した方が、心を穏やかに過ごせると思うんですけどね。

午堂:そうですね。私としては「老後までにいくら貯めようか」という発想よりも、「老後でも毎月稼ぐ方法を探ろう」と考えた方が良いと思うんです。仮に「1億円貯めました。でも定期収入はありません」となると、その後は貯金を取り崩すだけですよね。自分が何歳まで生きるかなんて誰も分からないわけで、その間貯金が減る一方っていう状況は、かなりの恐怖になりますよ。それこそ「長生きするのが怖い」「早く死んじゃったほうがイイんじゃないか」みたいな(笑)。

もちろん、ある程度の蓄えは保険として必要ですが、老後も稼ぎ続けられる手段を、現役時代のうちから準備しようという方が、考え方としては健全だと思います。仮に貯金300万円しかなくても、今月は20万円入ってくる、来月も20万円入ってくるっていう方が、生活設計をしやすいと思うんですよ。

複数の収入源を持つことが重要に

俣野:そういう意味では、普通サラリーマンは1か所からの収入に依存していますけど、これからは複数の収入減を持つというのが基本になると思います。ただ単にタンス預金や普通預金で資産を貯めましょうという発想だと、午堂さんも言われた通り減る一方なんですよ。だけど、資産形成というものを覚えておくと、お金に働いてもらえるようになる。要するに、収入源が1個増えるんですよね。昔はそれこそ「昭和の一本足打法」じゃないですけど、ひとつの会社からどれだけ生涯収入を得るかを考えれば良かったんですが、今はどちらかというと少額でもいいですから収入源を増やす方がいい

午堂:しかも、今はそれがやりやすいですよね。ネットのおかげで、初期投資ゼロでも稼ぐ仕組みが作れますからね。

俣野:午堂さんと僕は年齢が同じなんですけど、我々が社会人になった頃って、まだまだパソコンもひとり1台じゃなかったですからね。Windows95がようやく出てきた頃で……。

午堂:ネットもダイヤル回線で「ピーヒャララー」でしたからね(笑)

俣野:そうそう。昔はそんな状況だったから、ネットで起業だなんて考えもつかなかったけど、今は本当に「個人で何か始める」ということの敷居が低くなりましたよね。

午堂:メルカリだって、写真を撮ってピッて上げたら、すぐ売れちゃいますからね。昔はこんな稼ぎ方なんてなかった。

俣野:自分でバザーをやるくらいしかなかったですからね(笑)

Next: どうすれば「情報収集」がうまくいくのか?



典型的な「情報収集術」に感じる違和感

―――情報のアンテナを高くして知識を得ていけば、何でもやりようがあるという時代になりましたからね。

俣野:そうですね。ただ「情報のアンテナ」という言葉がありますが、午堂さんも情報収集術についてはよく質問されたりすると思うんですけど、僕としては世の中で広まってる典型的な情報収集術というものに、どうも違和感があるんですよね。

午堂:あぁ、確かに。「ネットじゃなくて紙の新聞を読めば、自分の興味以外の情報も入ってくる」なんて言われてますけど、実際のところ興味のない情報なんてすぐに忘れるじゃないですか(笑)。

俣野:そうそう。情報さえ集めればシンクロが生まれるみたいな、そんなイメージを持っている方って多いんですが、むしろ余計な情報を入れると迷いが増えると思うんです。必要ない情報っていうのは、むしろノイズでしかないっていうか。

―――情報を得る段階で、ある程度の絞り込みが必要ということですね。

俣野:まぁ、あとは「情報ソースが何なのか」ということですよね。

僕はもともと金融畑じゃないのにマネースクールをやってるんですけど、それが何故できているのかというと、情報のリソースとして「これは」というパートナーがいるからですよ。それこそ僕は、そのパートナーを見つけたことで「これでもう俺は、金融の勉強をしなくて済んだ」と思ったぐらいで。彼らには徹底的に金融のことを聞きまくるし、事象があれば使う。そうやって彼らと話していると、自分の金融リテラシーも上がっていくんですよね。つまり調べるとか勉強するというのではなく、自然に身に付いているというか。

私の場合は、ただ単にそれを勉強で終わらせるのではなく、出版を皮切りに、有料メルマガの発刊、そしてマネースクールにまで発展させています。最近出版されたばかりの『トップ1%の人だけが知っている「仮想通貨の真実」』は、超一流の仮想通貨の技術者との共著です。最初は自分自身に知識がなくても、自分が世の中に貢献できるポイントに徹底的に注力したら、何屋さんにだってなれるというのがこの時代の魅力だと思います。

これって、語学学習とかもそうですよね。教科書を広げて勉強するより、しゃべる相手が英語を使うから、こっちも英語がだんだんうまくなるっていうのがあるじゃないですか。そういうのがあるんで、僕としては情報の幅を広げるよりも、どこにフォーカスを当てるのかを決めることのほうが重要だと思うんですけどよね。

午堂:よく言われている情報収集術といえば、ビジネス書自己啓発書とかを手あたり次第に読むっていう人もいるじゃないですか。じゃあ、それでその人の何が変わるかっていうと、変わらないんですよね。

それは何故かっていうと、目的意識がはっきりしていないから、全部情報が流れちゃうんですよね。「自分はこうなりたいんだ」っていうビジョンがあって、そのうえで読むべき本を選べば、そこから得るものはたくさんあるんですけど、「漠然と儲けたい」「楽して儲けたい」ぐらいの意識だと、読んでる内容も具体的な情報として飛び込んで来ないし、ましてはシンクロも起きないと。

だから自分なんかは、情報収集に関しては「儲かる方法」と「コスト削減方法」の2点に絞っています。……あと最近はそれに「子供の教育」も加わってますけどね。「どこのスクールが良いのか」みたいな(笑)。

Next: 目的のない情報収集は時間の無駄になってしまう



何のために情報収集するのか

―――つまり、目的意識を持って情報収集するのが大事ってことですね。

俣野:逆を言うと、目的意識もなく情報収集なんかしちゃいかんってことなんですよ。

午堂:情報がたくさんあればいいのだったら、ウチの父親なんて毎日丹念に新聞を読んでテレビも見てますけど……って話になりますよね(笑)。

俣野:僕は今はもう新聞を紙で読むことはほとんどなくなったのですが、オンライン会員向けのメールサービスで新聞記事の見出しだけは見ています。その見出しを見れば、大体の内容の察しはつくし、もしそこで欲しい情報があれば、それだけ拾いに行くと。要するに、自分が欲しいキーワードは何なのかってことなんですよ。新聞を1ページごとめくっていくことには、あまり意味が見いだせないというか。

もちろん以前は興味がなくても、繰り返し取り上げられているニュースがあって、それで印象に残るっていうこともあるじゃないですか。そういった情報が、もし自分の目的と合致してるようであれば、そこもまた深堀りする感じですかね。

午堂:僕も似たよう感じで、普段見てるのってネットニュースがいくつかだけ。それもまずは見出しだけ見て、興味があったら自分で検索して調べていくって感じですね。だから森友・加計問題とかは全部スルーだし、相撲界の問題も芸能人の不倫のニュースなんかも全然入ってこないんですよ(笑)。

俣野:しかし、世の中のバッシングって年々ひどくなってますよね(笑)。芸能人の色恋沙汰が、みんなの生活にどれだけ影響があるのかって思いますよ(笑)。

午堂:そんなことを気にしてる暇があるんだったら、自分の将来のためにやるべきことがあるだろって話ですよね。


……と盛り上がるお二人の対談ですが、MONEY VOICEでお読みいただけるのはここまで。今回、2月末までに俣野さん午堂さんそれぞれのメルマガへご登録いただくと、このボリュームの約2倍もある対談の「中編」「後編」を読むことができます(それぞれ完結した内容となっています)。お二方のメルマガともに「初月無料」ですので、この機会にぜひご登録ください。

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 『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門

午堂登紀雄(ごどう ときお)

米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部 国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事業創造支援機構代表理事。
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俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編

俣野成敏(またの なるとし)

30歳の時に遭遇したリストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらに40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』及び『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』のシリーズが、それぞれ12万部を超えるベストセラーとなる。近著では、日本経済新聞出版社からシリーズ2作品目となる『トップ1%の人だけが知っている「仮想通貨の真実」』を上梓。著作累計は38万部。2012年に独立、フランチャイズ2業態5店舗のビジネスオーナーや投資活動の傍ら、マネースクールを共催。ビジネス誌の掲載実績多数。『まぐまぐ大賞(MONEY VOICE賞)』1位に2年連続で選出される。
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