コインチェック事件で仮想通貨の問題点が浮き彫りになってきた。ある情報によると、量子コンピューターの開発に成功すれば暗号通貨を簡単に盗めてしまうという。(『房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』房広治)
※本記事は有料メルマガ『房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』2018年2月18日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。
アメリカ、イギリス、香港など主要金融センターで著名な日本人投資家。留学中に外資系銀行に就職し、わずか10年で日本のインベストメントバンキングのトップに。投資家転向初年度に年率リターン90%以上の運用成績を出し、ファンドマネジャー・オブ・ザ・イヤーとなる。
より強固な暗号へ。コインチェックを踏み台に進化する仮想通貨
スプレッド(売り・買いの価格差)で利益を出す取引所
コインチェックの事件でいくつかの問題が浮き彫りになった。
報道によると、コインチェックは、顧客のアカウントを分別管理できておらず、また、仮想通貨をそれぞれ時間のかかるブロックチェーンで決済せず、約7%あるスプレッドをどんどん貯めて「利益」を出そうとしていたらしい。
これは、金融の分かっている人間からすれば、初歩的なミスで、2017年12月には、日本でNo1になったコインチェックが信頼を回復するには時間がかかる。
仮想通貨のスプレッドは平均7%あり、コインチェックのように社内で売り買いを成立させてしまえば、手数料を入れて10%ほども儲かるという、金融ビジネスとしてはとてもマージンの多いビジネスである。
故に、100社以上が取引所の登録を計画していた。先進国やヨーロッパの中では、ISなどテロリスト集団がビットコインを使っていると思っており、マネーロンダリングを防止できないため、仮想通貨はいかがなものかという風潮である。
日本の金融庁も、コインチェック事件を機会に、大手金融機関には、ビットコインやイーサリウムなど匿名性がありマネーロンダリングができてしまう仮想通貨ビジネスとは距離を置いたほうがよいとメッセージを出しているようだ。
量子コンピューターで仮想通貨が盗み放題に
また、今年は北朝鮮が量子コンピューターを開発してしまう可能性を指摘する声もある。これは、コインチェックのNEMの流失が北朝鮮の仕業というレベルの噂と同じで、信憑性にかけるが、メッセージは明快である。
ビットコイン等が利用しているECDSA(楕円曲線暗号)は80セキュリティビット程度である。また、ECDSAは量子コンピューターが「ショアのアルゴリズム」を用いると非常に簡単に解けてしまう。
すなわち、量子コンピューターを作るのに成功したものが、ビットコインを盗もうとすると簡単にできてしまうのである。
Next: 第二世代の暗号通貨が生まれる? 量子コンピューターへの対抗手段は
やがて来る「第二世代の暗号通貨」
これに対しての対策はある。AES256というアメリカが以前公募したセキュリティ暗号を使うのである。
AES256を電子署名の暗号として使えば、量子コンピューターを使っても、解かれる恐れがない。AES256のアルゴリズムは、いくら高速の解析をしても、まだ解かれたことがないのである。
ビットコインやイーサリウムなどECDSAを使ったものが第一世代暗号通貨とすれば、第二世代暗号通貨はAES256を使ったものとなるのは、容易に予想できる。
※本記事は有料メルマガ『房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』2018年2月18日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にご購読ください。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。
<有料メルマガ購読ですぐ読める! 2月配信済みバックナンバー>
・コインチェックの余波(2/19)
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
1月配信分
・580億円相当のXEMハッキング(1/31)
・Michael WolffのFire&Fury/トランプ大統領の弁護士(1/6)
・お金の歴史、ビットコインのすごさ(1/5)
12月配信分
・ビットコイン(12/24)
・ロヒンジャ問題(12/15)
・天皇交代(12/4)
11月配信分
・モンゴルの復活(11/26)
・アメリカは遺伝子療法に期待(11/5)
10月配信分
・イーロンマスクとリチャードブランソンが協力(10/25)
・特殊な投資の例(10/17)
・ビットコイン(10/10)
9月配信分
・インドと中国は2030年までにガソリン車の登録廃止(9/27)
・世界で一番高い薬(9/20)
・AI再考(9/13)
8月配信分
・トランプ大統領は4年もたない(8/27)
・イギリスは2040年までに全電気自動車化(8/25)
・パキスタン(8/19)
『房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』(2018年2月18日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
有料メルマガ好評配信中
房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」
[月額880円(税込)/月 不定期]
世界の金融市場・投資業界で活躍する日本人投資家、房広治による、ブログには書けないお金儲けの話や資本市場に通用するビジネスマン・社長のあるべき姿などを、余すことなく書きます。