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党首討論で「モリカケ」不問。なぜ野党まで安倍総理を甘やかすのか?=三宅雪子

5月31日の党首討論で、国民民主党の玉木共同代表は「モリカケ」に一切触れませんでした。討論後には安倍首相とがっちり握手。野党がこれでいいのでしょうか?(『三宅雪子の「こわいものしらず」』三宅雪子)

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プロフィール:三宅雪子(みやけ ゆきこ)
元衆議院議員。玉川学園女子短大、共立女子大学を卒業。テレビ局勤務を経て、2009年群馬4区で民主党から立候補し、比例復活当選。現在は、執筆やネット配信、福祉や介護のアドバイザーなどをしながら政治活動を行っている。

政界に蔓延する謝ったら死ぬ病。野党が追求しないで誰がやるのか

党首討論で「モリカケ」に一切触れず

5月31日党首討論で、国民民主党の玉木共同代表は「モリカケ」に一切触れませんでした。討論終了後、安倍総理は満面の笑みで玉木代表に近づき、がっちり握手。2人はそのまま抱き合いそうに見えたほどでした。相思相愛?

それを見てしまった私。「目が! 目が潰れる!」と叫んでしまいました。この1年の野党、特に国民民主党(現)の議員の頑張りは何だったのか? いきなりの戦い放棄。唖然としたのは私だけ?

安倍総理が死ぬほど嫌いなのは「モリカケ」の追及。それをしなかった玉木氏は、安倍総理にとっては天使のような存在に見えたでしょう。

様々な新事実が出てきて、現在の安倍総理は崖っぷちです。そんな中、あえてその嫌な話題を避け、安倍総理に救いの手をさしのべた野党党首

玉木くん(モリカケ訊かないでくれて)ありがとう!」安倍総理の安堵の表情はそう語っていました。討論が終わった瞬間に即座に玉木代表に駆け寄った様子から、露骨に嬉しいことが感じとれました。

突然にそんな国会三文オペラを我々は見せられることになってしまったわけですが、ショックを受けたのは私だけでしょうか?

野党は「何でも反対」でいい

満面の笑みの玉木代表に対して、偶然に映り込んだ立憲民主党の長妻昭議員の苦虫を噛みつぶしたような表情。あれを撮影していた社があったら賞を取れるのでは? それぐらい象徴的なシーンでした。

30日夜、気落ちしながら、吉田徹さんの著書『「野党」論:何のためにあるのか』(ちくま新書)を読み返しました。

野党とは、英語で「オポジション」と言います。「オポジション」とは原義では「反対勢力」という意味です。

まず、民主主義で野党に期待される役割は、まず権力に与っている与党に対して異議申し立てをすることなのです。

とあります。そうです。かつて「何でも反対…党」と言いましたが、野党は「何でも反対」でいいんです。

野党の役割を考えなおすべき

野党の役割とは何か、もう一度考えて欲しいと願います。与党もどきは、維新だけで十分です。権力をチェックして法案の不備を指摘し、不祥事があったら追及する。それが野党の役割です。

とはいいながら、野党が反対してばかりいたら国会が滞ります。実際、多くの法案に野党は賛成しています。70%以上ですね(この誤解はかなりあります)。

あとですね。言っておきます。今の野党に武器は少ない。その武器(審議拒否など)を放棄してしまったら、素手で闘うんでしょうか? 今の野党に理想論者はいりません。

Next: 政界・永田町に蔓延する「謝ったら死ぬ病」



謝ったら死ぬ病

政界や永田町やスポーツ界にある病がまん延しているらしいとの記事を読みました。その病気の名は「謝ったら死ぬ病」です。いわゆるネット上のスラングですね。己の非を認めたら「負けた」ことになり、死んでしまうとでも思っているような人々のことを指します。

政界と言ってもいろいろですけど、特に官邸内にいるような気がします。スポーツ界ですが、最近では日大アメフト部界隈にいましたね(遠い目)。

結局、ほとんどの不祥事において、トップは責任を取ることになりますから、最終的には謝罪をすることになります。だったら最初から謝ってしまえばいいのに、と思います。

しかし、その簡単なことができない人が本当にたくさんいるのです。言うまでもなく謝って死ぬことはありませんし、むしろ謝罪は問題解決の早道のような気がします。

特に重症なのは安倍総理と麻生さん

重篤な「謝ったら死ぬ病」に罹患している疑いがあるのが安倍総理です。

コトのはじまりは安倍総理が、森友学園に自分たち夫婦が関わっていたら「総理大臣も国会議員も辞める」と断言したことからでした。そして加計学園問題では獣医学部新設計画を知った時期を2017年の1月20日だったと言い切りました。その後次々とその言葉を覆す新証拠が出てきましたが、安倍首相の周辺はあり得ない「アクロバット擁護」で押し切っています。

安倍総理と同じくらい謝罪が嫌いなのは、政権ナンバー2の麻生さんです。

森友問題においての一連の発言は、自殺者が出る前も出てからも酷かったですし、福田前財務事務次官におけるセクハラ問題での言動は国民の怒りを買いました。「アソウさん的」なのは、謝罪を口先で(渋々)しながらも頭は下げないという不遜な態度をとり続けたことです。

罪を認めていないから謝罪ができない

セクハラ問題では、麻生さんは謝罪すべきという声が与党内からほとんど出てきていませんでした。寛大な自民党議員やその支持者たち。

このまま謝罪なしですむんだったら、まさに日本のモラル崩壊ですよね。全てに歯止めが利かなくなります。麻生さんが強気なのは「安倍さんだって嘘をついている。僕だけではない」という思いがあるでしょうね。謝罪するには、悪いことをしたと自ら認めなければいけません

Next: 謝罪では死なないのに、何も悪いことはしていないと思っている?



いまだに何も悪いことはしてないと思っている

「自分が悪い」ことを受け入れない限り、謝ることはできません。安倍首相も麻生さんもいまだに何も悪いことはしてないと思っているのではないですか?

永遠に被害者気分のままです。謝罪すべきなのにできない人は、忠告してくれる人がそばにいない残念な人ですね…。

ミスや過ちを犯さない人などいません。また、謝っても死ぬ人はいません。そんな分かりきったことをあらためて声をあげて言うことが求められているのでしょうか。

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国会ヤマ場

最重要課題とする働き方改革関連法案も、国会成立が確実視される中で、総理は6月上旬からは大好きな「首脳外交」で支持率アップを狙います。そして、国会閉幕後には9月の自民党総裁選への出馬表明をすると見られています――
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三宅雪子の「こわいものしらず」』(2018年6月1日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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3年3ヶ月の与野党国会議員の経験を生かし、三宅雪子独自の語り口で、あたたかみのある中にも、言うことは言う「こわいものしらず」なコラムを展開します。加えて、「教えて!○○さん」「名言・迷言・明言」「永田町コトバ」「ヒトリゴト」「話はそれますが…」など、私的なコンテンツもローテーションでお届けする予定です。

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