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日本のデフレを終わらせるのは「災害」という悲しさ。世界にバレ始めた日銀の無力感=児島康孝

やはり日本のデフレは、災害か戦争で終わるのでしょうか。北海道地震は震度7で、極めて大きな被害をだしています。非常に残念な事態ですが、災害による破壊と再建の需要が、いびつな日本のデフレを終わらせようとしているかのようです。(『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』児島康孝)

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「デフレ継続型」の政策を続ける日銀。現状を打破するのは災害…

北海道を襲った「震度7」の地震

やはり日本のデフレは、災害か戦争で終わるのでしょうか。

北海道地震は震度7で、極めて大きな被害をだしています。非常に残念な事態ですが、災害による破壊と再建の需要が、いびつな日本のデフレを終わらせようとしているかのようです。

北海道の土は、本州に比べて、ふかふかしています。おそらく火山灰が多く含まれ、柔らかいのでしょう。このため、普段は畑や牧場で良質の農畜産物を生産しています。

しかし、今回の地震では、これが災いしたようです。札幌市内でも、家屋が地盤ごと傾いたような被害が出ています。

阪神大震災では、傾斜地でこうした被害はあっても、平地では家屋がそのままつぶれたケースは多いものの、地盤ごと家が傾くというケースはあまり見かけませんでした。

北海道の場合は、冬の気候の厳しさもあるので、家屋がしっかりしています。住宅の密集度も低めなので、あくまでも揺れの大きさとの比較では、相対的に、被害は抑制されたようです。

ネットの海外の反応でも、中国や他のアジア諸国でもし同規模の地震が起きれば、もっと被害は大きかったはず、というコメントが多く見受けられます。

デフレを長引かせる日銀政策

日銀による中途半端な金融政策で、日本のデフレは終息していません。

本来、日銀は、短期金利をもっと下げ、長期金利を上げるべきなのです。しかしながら、ちぐはぐな金融政策を続けています。

つまり、日銀は、短期金利を利下げし、長期金利を利上げすれば、デフレ脱却へと向かうところを、この逆の金融政策を行っています。

日本の現状(デフレ基調)で、短期金利がマイナス0.1%というのは、効果が薄いです。少なくとも、ドイツ(EU)のマイナス0.4%ぐらいにしないと、金融緩和がまったく足りません。

一方で、長期金利はプラス0.1%付近(10年物国債)で、こちらは低すぎます。ドイツはプラス0.38%付近、アメリカはプラス2.92%付近です(10年物国債利回り)。

Next: 「デフレ継続型」の政策を続ける日銀。それも災害か戦争で終わる?



低すぎる長期金利は、10年後の日本を映す鏡

長期金利は、例えば、10年後の日本を映す「鏡」でもあります。

もっと金利が高くないと、将来もデフレのままであることを「確約」しているようなものです。

日銀のオペレーションをみますと、短期の国債はあまり買わずに、長期の国債を大量に買っています。

長期金利は自然に任せるべきで、人為的に低くすると、良くありません。

機関投資家などは、ある程度の長期金利がないと運用できません。また、一般の国民も、定期預金などで利息を受け取ることができません。

短期金利と長期金利が、混同されている

よく、日銀が金利を下げると、「預金に利息がつかなくなる」という批判が出ます。

しかしながら、長期金利がある程度の高さにあれば、5年とか10年の定期預金に利息は付くのです。

繰り返しになりますが、短期金利を利下げし、長期金利を利上げすれば、いびつな状態は改善されます。

しかしなぜか、日銀は、短期金利はあまり下げずに、長期金利を下げるという、「デフレ継続型」の金融政策を自ら行っています。

「神の手」が作用か

こうした「デフレ継続型」の日銀の金融政策の効果で、いつまでも、デフレが終わりません。

しかしながら、デフレも永遠に続くわけではありません

欧米のように、中央銀行の景気・経済の刺激策が効果を上げてインフレ率が回復するか。あとは、災害や戦争で強制的にデフレが終わるかです。

Next: 景気刺激策でのデフレ脱却は望み薄…。日本がインフレへ向かうには?



復興需要でデフレ終息か

今回の北海道地震を見ましても、やはり日本の場合は、残念ながら、災害か戦争によってデフレが終息する方向に向かっている気がします。

設備や家屋が破壊されたことによる、再建の需要と補正予算などがデフレを緩和します。

非常に、残念なことですね。

しかし、デフレもいつかは終息する以上、こうした終わり方しか仕方がないのかもしれません。

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「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』(2018年9月7日号)より抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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日本に影響を与えてきた欧米勢の勢力図が変化し、国際情勢も激変の時期を迎えています。トランプ政権の前の欧米勢力は、日本の1990年のバブル崩壊以降、日本の衰退を狙ってきました。超長期の経済サイクルである、コンドラチェフ・サイクルが、戦後最悪の大底でもあったことから、日本経済はデフレに陥り、低迷したままであったのです。ところが、トランプ政権の誕生以降、欧米勢の勢力は変化し、日本の今後も、大きく変わろうとしています。このメルマガでは、有料読者に限定して、ちょっと書きにくい話にも踏み込んで、欧米勢の動きをお伝えします。

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