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日経平均は近く失速か。アナリスト達の企業収益見通しから読み解く=馬渕治好

日経平均株価は10月1日、1月23日につけた年初来高値(2万4124円15銭)を更新。上昇の続く展開ですが、この先はどうなっていくのでしょうか。今週の展望について解説します。(『馬渕治好の週次メモ「時の花」』)

※本記事は有料メルマガ『馬渕治好の週次メモ「時の花」』2018年10月1日号の一部抜粋です。毎週いち早く馬渕氏の解説をご覧いただくには、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。市場急変時には号外の配信もあります。

馬渕治好の週次メモ「時の花」2018/10/01号より

日経平均:短絡的な警戒感が出やすい

<今週(2018/10/1〜10/5)の日経平均予想>

2万3,900〜2万4,400円
(先週の予想:2万3,700〜2万4,300円)
(実績値:2万3,778.04〜2万4,286.10円)

国内株価は先週も概ね続伸し、日経平均株価が2万4,000円超えとなった。

ただし今週は、これまでの上昇に対して短期的な警戒感が出やすい。加えて、引き続き内外長期筋の幅広い現物株買いは出ていると考えられるものの、先週のNT倍率(日経平均÷TOPIX)の上昇からは、海外短期筋の日経平均先物買いが勝っていると推察される。

これはかえって、先行き短期筋の先物の利食い売りが、当面の日経平均の上昇を抑制する可能性があることを示唆している。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

今週は、10月5日(金)の9月分の米雇用統計など材料は多いが、それよりも国内株価は自律的なスピード調整の色合いを強め、主として日経平均が2万4,000円台を固めるような展開となろう。

為替:緩やかな米ドル高・円安が持続しそう

<今週(2018/10/1〜10/5)の米ドル円相場予想>

113.30〜114.50円
(先週の予想:112.00〜113.20円)
(実績値:112.43〜113.69円)

今週は毎月恒例の米国での主要経済統計の集中発表日に当たる(9月分のISM製造業及び非製造業指数、雇用統計など)。ただし、総じて「堅調な米国経済」といった大枠の見方に沿ったものとなろう。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

先週のFOMCでも、先行きしばらくは緩やかな利上げ(FOMCメンバーのコンセンサスは、2018年内にあと1回、2019年に3回の利上げ)を持続するとの見解が示されており、世界の株価などが落ち着き、投資家がリスクを取りやすい状況においては、緩やかな米ドル高・円安がしばらく持続しよう。

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気になる資料:企業利益の長期成長率(年率)の推移

今期、来期などの、(各証券会社等のアナリストによる)企業収益見通しについては、各種情報会社などが集計している。上図は、ファクトセット社が、さらに長い期間における、日本企業のアナリスト予想を集計したものだ(※ただし、厳密に期間が揃えられているものではなく、3年間の予想があればそれを、5年間の予想があればそちらを用いる、という形だ。また、ファクトセット以外の情報会社でも、同種の集計は行なわれている)。

この長期予想利益成長率をみると(上図はTOPIX採用銘柄、つまり東証一部全銘柄について集計)、2012年3月から同年11月にかけての景気後退期においては、その前にアナリストは長期利益見通しを引き下げていた(左の丸印、なお、一旦景気後退が進んで見通し通り減益となれば、低い利益水準から大きく利益が戻るので、丸印の後は、大幅に利益成長率見通しが上振れしている)。

また、2016年初からの世界同時株安や同年6月のブレグジット・ショックの局面では、そうした混乱を受けて、アナリストが長期見通しを下方修正している(右の丸印)。

長期的には警戒局面へ?

足元については、今来期について、アナリストの多くが堅調な企業収益を見込んでいるが、長期見通しについては慎重さが増しており、前述したような丸印の2局面に並ぶ低成長率の予想となっている。

こうしたアナリストの長期展望が正しければ、当面はまだ足元の企業収益の堅調さや割安な株価を裏付けとして、国内株価の上昇が期待できるが、徐々に長期的には警戒局面に入っていくのだろう。

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※本記事は有料メルマガ『馬渕治好の週次メモ「時の花」』2018年10月1日号の一部抜粋です。毎週いち早く馬渕氏の解説をご覧いただくには、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した項目もすぐ読めます。

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馬渕治好の週次メモ「時の花」』(2018年10月1日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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