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日経平均、一時1000円安へ。米株史上3番目の下げを受け日本株は全面株安(10/11)

本日の日経平均株価は大幅に反落、915円安の2万2,590円。昨晩のNYダウが金利上昇や貿易摩擦による先行き懸念から史上3番目の下落幅となる831ドル安となったことを受け、東京市場も朝方から大きく売られました。(『ハロー!株式』)

恐怖指数(VIX)が急伸。米国株急落でリスク回避の動きが鮮明に

相場概況

本日の東京マーケットは、日経平均株価が915円(3.89%)安の2万2,590円で取引終了です。14:29には一時下げ幅が1047円となって2万2,459円と下値メドとして意識される節目2万2,500円を下回る場面がありました。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

昨晩のNYダウが金利上昇や貿易摩擦による先行き懸念から史上3番目の下落幅となる831ドル安となったことを受けて東京市場も朝方から売りが先行。円相場が1ドル=112.00円前後の円高に振れたことに加え、中国・上海などアジア主要市場が軒並み大幅安で世界同時株安の様相となり、輸出関連中心に終日安い水準での値動きとなっています。

NYダウの本日の下落幅831ドルは本年2月5日の1,175ドル安、2月8日の1,032ドル安に次いで史上3番目の大きさとなります。売買代金は3兆7587億円、上海総合指数は142ポイント(5.2%)安の2,583です。

NYダウ 日足(SBI証券提供)

業種別では、33業種全て下落。特に、石油、機械、精密、電機、非鉄、証券、商社、銀行などの下げが顕著です。

個別銘柄では、相場全般大幅安の中にあってドンキホーテHDが630円高の6,680円と大幅高で昨年来高値を更新。ユニファミマHDが11月上旬から1株=6600円でドンキHDに対するTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表。サヤ寄せする形で買いが膨らんでいます。

一方、ドンキHDはユニファミマHD傘下の総合スーパー「ユニー」の全株式を取得し、完全子会社化します。ユニファミマHDは780円安の1万3,180円です。

ABCマートが520円高の6,790円と大幅高。19年2月期第2四半期累計(18年3~8月)の業績を発表。大阪北部地震や西日本を中心とした豪雨、台風による自然災害などの影響もありましたが、業績が順調に推移しており、好感した買いが入っています。韓国や台湾における積極出店が寄与し、国内は猛暑でスニーカーやサンダルなどが好調です。

独創技術による防災・減災工法の技研製作所が430円高の3375円と大幅高。19年8月期の好業績に加えて増配計画を発表し、好感した買いが入っています。

その他、昨日まで3日連続でストップ高の多木化学が本日も580円高の9,230円と値を飛ばしています。バカマツタケの完全人工栽培に成功したと発表してから買いが継続しています。

子供写真館最大手で七五三が売上の4割を占めるスタジオアリスが138円高の2403円と大幅高。19年2月期第2四半期(3~8月)の大幅黒字を好感した買いが膨らんでいます。5月から「早撮り七五三キャンペーン」、「七五三お出かけ着物レンタル予約」、加えて0~10歳を対象とした「モデル撮影会」などを実施しています。

本日の新高値銘柄は、多木化学、リソー教育、技研製作、ドンキホーテ…等々です。

今日の相場

◎日経平均:2万2,590.86(-915.18)-3.89%
◎TOPIX:1701.86(- 62.00)-3.52%
◎売買高概算:19億5,248万株
◎売買代金概算:3兆7,587億円
◎時価総額:633兆2,551億円
◎値上り銘柄数:56  ◎(年初来)新高値:4
◎値下り銘柄数:2,050  ◎(年初来)新安値:362
◎変わらず:4
◎騰落レシオ(25日):96.35%(前日比2.98%低下)
◎サイコロ(日経平均):6勝6敗 〇〇●〇〇〇●●●●〇● 50.0%
◎カイリ率(日経平均):25日線比-3.31% 75日線比 -0.58%
◎為替
対ドル:112.25(前日比0.82円高)
対ユーロ:129.68(前日比0.27円高)

◎出来高上位
1.みずほ<8411> 194.2円(-4.9円)19,061万株
2.三菱UFJ<8306> 694.1円(-33.5円)10,735万株
3.日経Wイン<1357> 1,157円(+84円)6,649万株
4.サンキャピ<2134> 128円(+8円)4,630万株
5.フィスコ<3807> 356円(+60円)3,603万株

◎売買代金上位
1.日経レバE<1570> 2万560円(-1760円)3,892億円
2.ソフトBK<9984> 9,535円(-590円)1,822億円
3.ソニー<6758> 6,288円(-281円)895億円
4.任天堂<7974> 3万8,650円(-1250円)780億円
5.日経Wイン<1357> 1,157円(+84円)766億円

Next: 本日の経済指標等の結果:企業物価・オフィス空室率・ガソリン価格ほか



本日の経済指標等の結果

◎企業物価

9月の企業物価指数(2015年=100)は102.0と前年同月に比べ3.0%上昇。前年比での上昇は21カ月連続です。

なお、企業物価指数は企業同士で売買するモノの物価動向を示しており、昨今の原油相場の上昇が指数上昇をけん引しています。

◎オフィス空室率

9月の東京都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)の平均空室率は前月比0.12ポイント低下(改善)の2.33%。月次データが残る2002年1月以降では過去最低、1990年まで遡れる12月時点でのデータでは1991年12月(1.79%)以来の低水準となっています。

なお、9月の東京都心5区の平均賃料(円/坪)は2万438円と2009年5月(2万660円)以来の高水準。前年同月比では1443円(7.60%)の上昇。前月比では147円(0.72%)上昇し、57カ月連続の上昇となっています。

◎特定サービス産業動態統計

8月の特定サービス産業動態統計(速報)によりますと、クレジットカード取扱高は前年同月比9.2%増と、41カ月連続のプラスで前月(8.7%増)から伸びが拡大。一方、遊園地・テーマパーク売上高は4.3%減で、2カ月連続で前年実績を下回りました。前月分については確定値は1.3%減と速報値の0.5%減から下方修正されています。

◎ガソリン価格

9日時点のレギュラーガソリンの店頭価格(1リットル当り全国平均)は前週比2.3円高の157.5円。6週連続で上昇し年初来高値を更新。2014年11月25日時点の158.3円以来およそ3年10カ月ぶりの高値水準となっています。

◎ESPフォーキャスト調査(民間エコノミストの予測集計)

9月調査では、民間エコノミストが見込む18年7~9月期の実質GDP成長率は前期比年率0.37%と前月調査の0.60%から下方修正されました。下方修正は2カ月連続です。今回は輸出の下振れが主な要因です。ただし、秋以降は成長の勢いを取り戻すとのシナリオは維持されています。

Next: 気になる恐怖指数の動向は?



恐怖指数

大きな動きがあれば本誌朝刊にて紹介しておりますが、昨晩のNY市場でボラティリティ・インデックス(VIX)が前日比43%上昇の22.96まで急伸し、4月2日以来の高水準をつけました。

VIXはS&P500指数オプションを基に算出され、相場の予想変動率を示しているのですが、投資家の不安心理が高まると上昇する傾向があることから別名を「恐怖指数」と言います。

なお、ボラティリティーとは、有価証券など金融商品の価格変動性を指しており、期待収益率が期待通りとなる度合いを示します。一般的にボラティリティーが高い状態は価格の変動性が大きい状態(相場が大きく動きやすい状態)にあると言えます。

VIXはおおよそ10から20の範囲での動きが通常で、値が低ければ低いほど投資家が不安を感じていないことを示し、20超えは投資家の不安心理が高まった状態であると言えます。

総悲観の目安となる30超で市場の状態は「パニック(恐怖)」、40を超えてくると「メガボトム(大底)」といわれます。

ちなみに、リーマン・ショックに伴う金融危機時の2008年10月には瞬間的に89.53まで跳ね上がり、同年11月には終値ベースの最高値80.86を記録しました。

直近の終値ベースの最高値はダウが過去最大の下げ幅を記録した2月5日の37.32、翌6日には瞬間的に50.30まで上昇しました。この時の相場急落を「VIXショック」とも言います。

東京市場で「VIX」と似た性質を持つ指数としては、「日経平均ボラティリティー・インデックス(日経平均VI)」があります。

日経平均VI 日足(SBI証券提供)

下記にて日経平均VIの最近の推移が確認できますが、リーマン・ショック時の2008年8月には92.03、東日本大震災が発生した2011年3月には69.88まで上昇したことがあります。
※参考:http://www.aqua-inter.com/hint/mktc.html#today

なお、VIXも日経平均VIも、関連したETF(上場投資信託)やETN(上場投資証券)があり、その中の一つ「VIX短期先物指数<1552>」は本日の取引で急騰しています。

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ハロー!株式』(2018年10月11日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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