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From 岩谷産業公式サイト

カセットコンロだけじゃない!岩谷産業は“国策”水素自動車関連の大本命

岩谷産業<8088>と言えば、株式投資をやらない人でも一度はこの会社の「カセットこんろ」のお世話になったことがあるのでは?そんな岩谷産業は古くから水素を取り扱い、国策である「水素自動車」関連銘柄の大本命でもあります。

直近の株価は買われすぎの反動もあり冴えませんが、元日本株ファンドマネージャーの若林利明氏は、今後も折に触れて人気する可能性が高く、また保有期間に制約の少ない個人投資家向きの銘柄であると見ています。

岩谷産業は外国人保有比率減少のこれからが狙い目

F.マネージャーの視点を学ぶ。「国策銘柄」への投資スタンス

銘柄選択の基本は利益の持続的伸びですが、その伸びの具体的プロセスが明確にならないまま株価だけ上昇する銘柄があります。

株式市場には、国、社会の流れに沿ったところに利益の源泉を見出すことができる会社が出現します。その流れの中に当該銘柄がイメージ出来ればそこが株価のスタート地点です。一般的に材料株と言われ個人投資家に結構人気があります。

ただし、この動きにも一過性のもの、継続して輝く銘柄、さらに中身を見ると業務の一定部分が関係するだけの場合、全面的に関係する場合と千差万別です。

この種の話に乗りづらいのが機関投資家です。単にストーリーを買うだけでは、すべての投資家が共通の舞台で演技することになります。プロの投資家として説明責任を果たすことを考えると、大衆迎合的な投資として積極的な評価がされない可能性が高いと思われます。

もし、機関投資家が積極的に買うとすれば、当該企業の恩恵を利益の寄与度を中心に具体的に説明にする事が必要となります。

環境関連銘柄、排ガス対策銘柄、防衛関連銘柄等過去にも多くの国策銘柄ストーリーが市場を賑わせました。

みんなと一緒の船に乗りたいとする投資家のニーズを満たすように証券会社、投資関連雑誌は○○関連の文字が踊ります。短期間に株価が上昇、結構な成果が出る場合もあります。

ところが、市場の関心が別のものに移ると潮が引くように投資家の関心が薄れ株価は音もなく崩れます。

岩谷産業<8088> 日足(SBI証券提供)

ここで取り上げる岩谷産業は、典型的な国策関連銘柄です。

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悪い話は2015年3月期で一段落、岩谷産業の見逃せない強みとは?

2007年の12月を起点とし、その後の株価(6月、12月の月末)を直近までプロットしました。

取り上げる理由は、代替エネルギーの“水素”関連銘柄としての期待です。結構言い古されたストーリーですが、トヨタ自動車が水素自動車の市販車の発売を開始しましたが予想外の反響で大幅受注残を抱えることになりました。2015年700台、2016年2000台、2017年3000台と生産計画を作成しています。

トヨタの本格生産により前評判は結構高くなっており、当然これは電気自動車が走行距離、給油時間の点でガソリン自動車と比べ使い勝手の点で相当劣位にあるからです。1台500万円程度であれば需要が出ることは理解できます。

等、テーマとしては申し分ないものです。

関連銘柄として、当社の浮上にはそれなりの意味があります。普及に伴い持続的収益貢献が期待できるポジションにあるからです。

またメーカーと異なり、当社にとってこのビジネスは売り切りビジネスではありません。ガソリン自動車にガソリンスタンドが必要なようにが、水素自動車には水素ステーションが必要となります。

消費者向けエネルギー関連企業、取り分けLPG供給企業としての当社の足跡は誰もが認めるとところです。

無論、水素ステーションのノウハウは海外進出にも生かされることになります。その解りやすさ、既存の業務内容の延長線上に十分なイメージできる会社の最右翼が大手燃料商社の岩谷産業です。

2020年東京オリンピックに向けて東京都は、都バスは可能な限り水素を動力とするものに切り替えることを明らかにしています。

目先の業績をまったく無視することもできませんが、悪い話は、2015年3月期段階でほぼ一段落です。外国人保有比率も2014年3月の12.6%から2015年3月の6.1%へと減少していますが、この現象はこの収益急減を嫌気したものと推測できます。

2014年は相場全体のモタツキ感があるなかストーリー性のある当社株は利益予想が思わしくないにもかかわらず人気化しました。

行き過ぎた分の反動的な下げも出ておりますが水素自動車のストーリーは生き続けております。この類の銘柄は、今後も折に触れて人気する可能性が高いと思われます。

つまり、ポピュラリティーの高い銘柄が、国策の流れに乗れる場合の典型的な例です。内容の持続性を考えると幾つかの波をこえて保有できる資金、つまり個人投資家の制約されない保有期間にぴったりとフィットする銘柄です。

水素自動車関連のシンボルストックとして今後も注目され続けるでしょう。

筆者プロフィール:若林利明
外資系機関投資家を中心に日本株のファンドマネージャーを歴任。現在は創価女子短期大学非常勤講師、NPO法人日本個人投資家協会協議会委員。世界の株式市場における東京市場の位置づけ、そこで大きな影響力を行使する外国人投資家の投資動向に精通する。著書:「資産運用のセンスのみがき方」(近代セールス社)など。

【関連】波乱局面で真価を発揮する「リスク最小ポートフォリオ」の検証

投資の視点』(2015年10月11日号)より一部抜粋

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