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波乱局面で真価を発揮する「リスク最小ポートフォリオ」の検証

「リスク最小」を目指し、主要銘柄のうちベータ値の低い武田やセコムなど7銘柄に投資した「最適ポートフォリオ」その後のパフォーマンスは?日経新聞社で証券分析サービス開発に従事、各種日経株価指数を担当した日暮昭氏が、年初から直近9月30日までの通期と、8月17日から9月30日までの波乱局面の2通りで日経平均株価との違いを考察します。

この夏の波乱局面で真価、リスク最小「最適ポートフォリオ」

武田からセコムまでの7銘柄に投資して日経平均株価と比較する

8月末からの株式相場の波乱はなかなか収まらないようです。9月29日には日経平均が1万7000円を割り込むなど日々の荒い値動きが続いています。株式市場自体のリスクが高まっているように見えます。

こうした局面でこそ、投資リスクを抑え安定したリターンを実現する方策が投資の重要なポイントとなります。

そこで、今回は本年4月の当講座、「実践的最適ポートフォリオを求める」でねらいと構成の仕方をご紹介し、7月の講座、「最適ポートフォリオの運用結果を見る」ではその時点でのリターンを中心にフォローした、リスクを最小にする「最適ポートフォリオ」(以下、ポートフォリオ)について、この波乱局面でその本来の特性であるリスクがどのようであったかを見てみましょう。

所期のねらいであるリスクを抑えてそこそこのリターンを挙げることができているでしょうか。

当ポートフォリオは、昨年末に日本の主要な銘柄のうちベータ値の低い10銘柄を選び、これら銘柄をもとにリスクが最も小さくなるように構成したものです。ベータ値を小さくすることで市場との連動性を低め、かつポートフォリオ全体の収益の変動を小さくすることで、二重の意味でリスクを低く抑えたポートフォリオです。

ポートフォリオはリスクを最小にするような各銘柄の構成比率を一定の数学的処理によって求め、その比率に従って各銘柄への投資額を決めます。ここでは投資総額を500万円とし、1銘柄への投資額は最大で全体の20%としました。

結果として、武田薬品と東武鉄道には限度額の20%の組み入れとなりましたので約100万円を投資、ヤマト・ホールディングスには5%の組み入れで24万円の投資、といった具合に投資額が決まり、武田からセコムまでの7銘柄に投資することになりました。ポートフォリオの構成は下表の通りです。

リスク最小(最適)ポートフォリオの構成

リスク最小(最適)ポートフォリオの構成

日経平均とのパフォーマンス比較

このポートフォリオの設定以来の運用成果を、日経平均との比較で日次ベースで見てみましょう。下表は設定時から直近の9月30日までのポートフォリオの資産価値と日経平均を、設定期を100とした指数で示しています。

日経平均とリスク最小(最適)ポートフォリオの運用成果(2014.12.30=100) ─2014.12.30~2015.9.30─

日経平均とリスク最小(最適)ポートフォリオの運用成果(2014.12.30=100) ─2014.12.30~2015.9.30─

紺色の線が日経平均、赤色がポートフォリオの資産価値です。図中の縦の黒線は波乱局面の始まりとなった8月17日を示します。

直近の9月30日の日経平均は99.6、ポートフォリオは103.5となっています。2015年の9ヶ月間で日経平均はわずかながらスタート期を下回り、ポートフォリオは3.5%のプラスとなっています。

さて、リターンではポートフォリオが日経平均を若干上回りましたが、ここでの本題はポートフォリオのリスクを検証することです。

基準として日経平均と比較しますが、その際に注目していただきたいのは日経平均は225銘柄からなるポートフォリオということです。このように多くの銘柄に分散されたポートフォリオのリスクはほぽ市場全体のリスク、つまり最低レベルにあるということです。

通常、このレベルのリスクを実現するにはやはり100銘柄を超すような広い分散投資が必要になりますが、そのリスクと7銘柄で組んだ当ポートフォリオのリスクを比較するというわけです。

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