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日経平均1万7372円が変動下限。「理論株価」最新データ分析(~9/18)

毎回好評の「理論株価」シリーズ、今回は大型連休前9/18までの最新データをもとに日経平均株価の妥当水準をさぐります。日経新聞社で証券分析サービス開発に従事、各種日経株価指数を担当した日暮昭氏の解説です。

8月時点で「すでに底値圏」の日経平均、いまの水準をどう見る?

乱高下が続き位置取りが難しい株式相場

株式相場は8月末の急落後も乱高下しつつ下落傾向が続いています。

相場の位置づけが難しい中、直近の9月18日までの1ヶ月間で日経平均は約2,500円、12.5%のマイナスとなりました。

8月の当講座で「『理論株価』で見た日経平均はすでに底値圏=2014年初~8/25最新データ分析」と題して理論株価からの差を基に日経平均の底値のメドの求め方について述べました。

今回は、その後の日経平均の動きも踏まえ、この方式による評価がより一般的に相場の位置づけを行う道具として使えるか、検証して見てみましょう。

下図は前回講座で見た日経平均と理論株価の推移を直近の9月18日まで延長したものです。

日経平均と理論株価の推移(日次終値ベース) ─2014.1.6~2015.9.18─

日経平均と理論株価の推移(日次終値ベース) ─2014.1.6~2015.9.18─

紺色の線が日経平均、赤色の線が理論株価です。9月18日の日経平均は1万8070円、理論株価は1万9208円で日経平均は理論株価を1,100円、6%ほど下回っています。

とは言え、前回講座でも述べましたが日経平均が単に理論株価を下回ったというだけで相場が割安と判断することはできません。

日経平均は理論株価をはさんで上下に変動しており、理論株価を上回ったり下回ったりしているわけで、通常の範囲内の変動であれば相場は割高あるいは割安とは言えません。

この通常の範囲内を超えて変動した場合に初めて相場はオーバーシュートした可能性がある、すなわち売買のチャンスにつながると見ることが出来ます。

そこで、問題は“通常の変動範囲”をどのように決めるかですが、ここでは過去の変動の平均値を通常の変動とします。日経平均が理論株価とかい離してもかい離がこの範囲内に入っていれば通常の変動とみなして割高あるいは割安の判断には至らず、静観するのが妥当ということになります。

では、この通常の変動範囲を相場がどの程度上回るあるいは下回れば行き過ぎと判断するべきでしょうか。ここでは平均変動の2倍を基準とします。

平均変動の2倍を判断基準とするのは統計学でよく行われる方法のひとつで、ここではその基準を借りました。この判断の裏には、世の中の一般的な現象で平均変動の2倍の範囲内に全体の95%が収まるという性質があり、逆に95%の範囲にも入らないのは通常でないと判断できる、という考え方があります。ちなみにここでのかい離率もちょうどこの範囲内に95%が収まっています。

この間のかい離率の平均値は0.05%、変動の平均は4.83%でした。前回講座と値が異なるのは対象期間が9月18日まで延びたためです。

下図は上の図と同期間についてかい離率の推移と平均変動幅の位置を示したものです。

かい離率の推移と変動平均(1倍と2倍)の範囲 ─2014.1.6~2015.9.18─

かい離率の推移と変動平均(1倍と2倍)の範囲 ─2014.1.6~2015.9.18─

中央の黒線はこの間のかい離率の平均値を、平均値をはさんで上下にある青線は平均の変動幅を示しています。さらにその外側にある赤線が平均変動幅の2倍の位置を示します。

Next: 変動範囲下限は1万7372円。かい離率で判断する現在の位置づけ

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