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安保反対の野党議員に「1票の格差」をぶち壊す覚悟はあるか?=元ファンドマネジャー・近藤駿介

17日午後、集団的自衛権の行使などを可能とする安全保障関連法案が、参議院特別委員会で賛成多数により可決されました。

鴻池委員長の周囲を固める与党議員と採決に反対する野党議員が揉み合い怒号が飛び交うなど、議場は大混乱となりましたが、肝心の議論のほうは最後まで噛み合わないまま――この茶番感はなんなのでしょうか?

元ファンドマネジャーで田沼たかし前衆議院議員の政策顧問を務めた近藤駿介氏は、「民意と議席数のねじれ国会」を解消しないかぎり、日本はこの先も同じことを繰り返すことになるだろうと言います。

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安保強行採決で露呈したのは「民意と議席数のねじれ国会」だ

「神学論争」に終始した不完全燃焼の議論

国民の多くが今国会での成立に反対する中で、安保法案が可決されました。

安保法制の議論を聞いていて残念に感じたのは、「日本をめぐる安全保障環境は変化しているから集団的自衛権が必要だ」vs.「戦争法案反対、憲法9条を守れ」という神学論争に終始してしまい、与野党の議論がまったくかみ合わなかったことです。

与党の主張する「安全保障環境の変化」が、なぜ「個別的自衛権」でなく「集団的自衛権」必要論に繋がるのか?そこに大きな「論理の飛躍」「論理のすり替え」を感じずにはいられませんでした。

いっぽう野党側の「憲法9条を守れ」という主張も、「憲法より前に守るべき国がある」と感じている有権者の目には「思考停止に陥っている」と映ったように思えてなりません。

参議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会(9月11日)出典:首相官邸

参議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会(9月11日)出典:首相官邸

安保で見せたその執念を「1票の格差」是正に向けよ

今回の件であらためて考えさせられたのは、「民意」とは何かということです。

「決めるべき時に採決(多数決)で決める」は民主主義の当然のルールですが、そこには国会の議席数が「民意」を反映しているという前提がなければなりません。

小選挙区において48%の得票率で75%の議席を獲得できたり、絶対得票率でみれば比例代表で16.99%、小選挙区で24.49%に過ぎない自民党が6割の議席を得られたりする「民意と議席数のねじれ国会」を生み出した現在の「選挙制度」こそが、今回の安保法制問題の根本にあったように思えてなりません。

強引と言われようと法案成立を目指した与党と、あの手この手で法案阻止を目指した野党。

彼らが、これまで最高裁から憲法違反、違憲状態と指摘されてきた「1票の格差」是正に同じくらいのエネルギーを発揮してきていれば、今回のような騒動にはならなかったのではないかと思います。

安保法制が事実上決着したいま、国会議員は自らの利害を超え、この「民意と議席数のねじれ国会」を解消しなければなりません。今回見せた執念を「1票の格差是正」問題の解決に向けて欲しいものです。

そうでないかぎり日本はこの先も「神学論争」を繰り返すことになるでしょう。

近藤駿介~金融市場を通して見える世界』(2015年9月17日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動してきた近藤駿介の、教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚を伝えるマガジン。

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