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総選挙の結果で日本株はどう動く?与党の過半数割れほか「5つのシナリオ」で影響を予測=澤田聖陽

10月27日に衆議院選挙の投開票が行われる。すでに1週間前時点での情勢が各マスコミで出ているが、現状では与党である自民党に厳しい結果が出そうな情勢である。選挙は直前で状況が大きく変わることもあるので、まだどのような結果になるか分からないが、各シナリオ別の株式市場、為替などのマーケットへの影響を予想する。(『 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 』澤田聖陽)

※本記事は有料メルマガ『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』2024年10月22日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:澤田聖陽(さわだ きよはる)
政治経済アナリスト。国際証券(現:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、松井証券を経て、ジャフコ、極東証券にて投資業務、投資銀行業務に従事。2013年にSAMURAI証券(旧AIP証券)の代表に就任。投資型クラウドファンディング事業を立ち上げ拡大させる。現在は、澤田コンサルティング事務所の代表として、コンサルティング事業を展開中。YouTubeチャンネルにて時事ニュース解説と株価見通しを発信している。

想定される5つのシナリオ

10月27日に衆議院選挙の投開票が行われる。すでに1週間前時点での情勢が各マスコミで出ているが、現状では与党である自民党に厳しい結果が出そうな情勢である。

選挙は直前で状況が大きく変わることもあるので、まだどのような結果になるか分からないが、各シナリオ別の株式市場、為替などのマーケットへの影響を予想する。

以下の5つのシナリオ別に予想する。

1. 自民、公明の与党で絶対安定多数(261議席)を獲得
2. 自民、公明の与党で安定多数(244議席)を獲得
3. 自民、公明の与党で過半数(233議席)を獲得
4. 自民、公明の与党で過半数割れ
5. 野党が過半数を獲得し、自公以外の政権が樹立

シナリオその1. 自民、公明の与党で絶対安定多数(261議席)を獲得

解散前には自民党と公明党で279議席を有しており、それに近い議席を獲得した場合である。

選挙1週間前の情勢では、このシナリオの可能性はかなり低いと考えられるが、仮に自公で絶対安定多数を獲得した場合はマーケットの影響はどうなるだろうか?

政治的に安定することは特に外国人投資家などは好感し、株式市場には本来はポジティブなはずであるが、今回は少し異なると思う。

石破総理は本質的には株式市場からは好意的に見られていない(警戒されている)と考えている。

総理就任後は金融引き締めを急がない、法人増税や金融所得課税の強化等は急いで行うことは考えていないと方向転換を行ってきており、株式市場もそれを好感して上昇した。

しかしながら石破総理の本質は総裁選で打ち出していたように、金融引き締めや増税に前向きだろう。

選挙で絶対安定多数を得るような信任を得た場合、党内での石破総理の求心力が強まり、石破総理の持論である政策の実施が早まる可能性があることを株式市場は好感しないだろう。

また為替についても、ドル/円相場で再度若干円高圧力が高まることにはなり、これも株式市場にとってはあまりよろしくはない(しかしながらドル/円相場については、11月第1週に行われる米国大統領選挙の影響の方がずっと大きく、若干の影響程度だろうが)。

シナリオその2. 自民、公明の与党で安定多数(244議席)を獲得

絶対安定多数獲得ほどではないが、安定多数を獲得した場合も石破総理の求心力は高まり、株式市場はポジティブな反応はしないのではないかと考えている。

選挙前1週間の情勢では、安定多数の獲得についてもかなりのサプライズが起こらないと難しいのではないかと考えるが。

Next: 株価への影響は?自公の与党で過半数(233議席)を獲得すると…

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