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韓国「半導体株」に暗雲、投げ売りを始めた海外投資家たち。迫るウォン安と金融危機

韓国株市場で半導体を中心に海外投資家の投げ売りが発生。DRAM(半導体記憶装置)の価格下落が見えたことがきっかけとなり、サムスン電子とSKハイニックスが暴落している。韓国経済には半導体しかないことを、世界はよく知っているということだ。そして株価だけでなく、ウォンにも異変が起きている。(『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』)

※本記事は、『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』2021年8月15日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

韓国株の投げ売りが発生

まずは、この2週間の韓国市場動向を見ていただきたい。9日あたりから、海外投資家の投げ売りが発生している。

日付:KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

02日:3,223.04 1,150.9 1,037.80 426.79 -2,022億
03日:3,237.14 1,148.3 1,036.11 429.98 6,626億
04日:3,280.38 1,143.6 1,047.93 436.05 9,142億
05日:3,276.13 1,143.7 1,059.54 437.74 720億
06日:3,270.36 1,142.1 1,059.80 433.29 520億

09日:3,260.41 1,144.3 1,060.06 431.65 -2,082億
10日:3,243.19 1,149.8 1,052.07 428.56 -6,379億
11日:3,220.62 1,156.4 1,051.95 424.74 -16,030億 ←サムスン電子・SKハイニックス暴落
12日:3,208.38 1,161.2 1,054.11 422.37 -18,761億
13日:3,171.29 1,169.9 1,040.78 416.06 -27,014億

外国人の売りが増加した原因は、アメリカの調査会社トレンドフォースが「10-12月期のPC用DRAM固定取引価格は7-9月期より最大5%ほど下落する」と予想したことがきっかけだ。

ワクチン接種が進むと、学校や職場へ復帰する。そして、ノートパソコンの需要が減少するとみている。さらに私は、マイニングの電力消費量の減少なども関連しているとみている。

半導体が転べば韓国経済は沈む?

中央日報によると、SKハイニックスは11日に6.22%(7,000ウォン)下落の10万5,500ウォンで取引終了。サムスン電子は-2.2%ほど下落して7万ウォン台。サムスン電子優先株を含む3銘柄の時価総額はこの日だけで15兆ウォン以上も減ったようだ。

しかし、これはまだ序盤である。サムスン電子の株価は13日にも暴落を見せており、最後には7万4,400ウォンまで下がった。5日で-8%の暴落である。

そして、外国人の投げ売りが2日連続で凄まじい額となっている。さすがに個人投資家で支えきれず、KOSPIも3,171と3,200台を割った。

これは、韓国経済が半導体しかないことを、外国人がよく知っているということだ。半導体価格の下落予想ニュースは、サムスン電子に大打撃となった。

ただ、これは先週末(13日)までの状況なので、今週はどうなるかはわからない。引き続き、サムスン電子やSKハイニックスが売られるのか。注目したいところだ。

そして、KOSPIだけではなく、ウォンにも異変が起きている。なんと、1,170ウォン近くまで下がっているのだ。

Next: 迫るウォン安の恐怖。日韓通貨スワップ協定はあるか?

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