迫るウォン安の恐怖。トルコとの20億ドル「通貨スワップ協定」が拍車か
2週間前は1,150ウォンを超えた程度だったが、KOSPIが売られると同時にウォンも投げ売りされた。これも11日から下がっているのですぐわかる。1,156、1,161、1,169となっているが、これはトルコとの20億ドルの通貨スワップ協定も影響しているとみている。
通貨スワップ協定というのは、互いの国の通貨を固定レートで交換するものだが、重要なのは固定レートなので、ここからウォン安になっても、交換しておけば韓国にメリットがある。
ただ、ハードカレンシーの国ならまだしも、トルコのリラのような、ウォンよりも通貨安になりそうな不安定な通貨では逆にウォンに交換されて、トルコ側に利用される可能性も高い。
とはいえ、20億ドル規模(2,210億円)とそこまで金額が多いわけではないので、無視できる範囲ではある。期限は3年で、両国が望めば延長もできるとしている。
「日韓通貨スワップ協定」は実現しない
また、日本人にとっては日韓通貨スワップ協定はどうなるかも懸念事項だろう。
これは、現政権では可能性はないとみている。1年後には存在しない政権のために、日本が動く必要はないからだ。
そもそも、文在寅大統領は徴用工訴訟を始め、元慰安婦訴訟などで、今までとは真逆の判決を地方裁判所に出さしているが、これも最高裁の判断ではないので無意味である。ほっとけば良いだろう。
サムスン電子の副会長「仮釈放」は韓国政府の人質か
もう1つ、大きな動きとして、サムスン電子の副会長である李氏が13日にソウル拘置所から仮釈放された。
207日での出所らしいが、懲役2年6ヶ月のはずが、なぜ早くに出てきたのか。これこそ、韓国政府との裏取引と思われる。すなわち、ワクチン購入代金や秋の短期外債に必要なドルを出せということだ。命令に逆らえば、また拘束する。韓国政府のために働いて、ドルを出せば外に居られるということだろう。
しかし、これはサムスン電子にとってはひどい話だ。副会長が人質にされたまま。実質、サムスン電子のトップが韓国政府に逆らえない構図となれば、サムスン電子が韓国からの脱出も考えにくい。
さらにいえば、中国企業のシャオミが、スマホシェアでサムスン電子を抜いて1位となった。前述の通り、半導体価格の鈍化でサムスンは失速しており、スマホでは中国企業に抜かれた。また、次世代半導体では台湾のTSMCが、来年の7月に3ナノメートル半導体を初量産するという。
サムスン電子は稼ぎ頭の「半導体」「スマホ」で崖っぷちに立たされている。副会長が牢屋にいる間に、情勢は大きく変化してしまった。
最後はTSMCのニュースを紹介しよう。
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