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本当の意味で楽して稼ぐ株式投資とは?一番大切なリスク管理が自然と身に付く考え方=石川臨太郎

株式投資をするなかで、お金だけでなくさまざまなものを得ることができました。末期がんの宣告を受けた私が、若い甥に伝えたい資産形成のヒケツを書いています。(『億の近道』石川臨太郎)

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株式投資で得たものは、お金だけではない

メルマガ『億の近道』編集部より

この特別コラムは、石川臨太郎氏が治療の合間に書き下ろしたものです。現在闘病中のため、定期的に掲載できるかどうか分かりませんが、気力体力の続く限り書けるときに書きたいとの意思ですので、寄稿があったら掲載するというペースで続けたいと思います。ぜひご愛読下さい。

なお、コラムの感想や石川臨太郎氏への励ましのメッセージなどがあれば、投稿フォームを開設致しましたので、ぜひご利用下さい。

お金→自分の好きなことをする自由→人生の充実

私が株式市場で得たものは、まずお金です。資金を加速度的に増やすことができました。

私は投資でも仕事でも、最小のエネルギー投入で最大の成果、メリットを得ることを考えて行動してきました。

たとえば株式投資についていうならば「楽して稼ぐ」という言い方をしています。これは何も、勉強や努力をしないで棚ぼた式に儲けることではありません。

信用取引を利用して、儲かるときは精神的に高揚しますが、追い込まれていつ追証がかかるか、いつ市場から強制退場を宣告されるか。このような精神的な苦痛を絶対に受けない、精神的に余裕がある楽な株式投資を志し実践することです。

最小のエネルギーで最大の成果を得ることで、自分の持つエネルギーを一番有効に活用できると考えているのです。

株式市場で得たお金を株でさらに増やすばかりでなく、一部を日本のワンルームマンションや香港のファミリーマンションに投資することにより、不安的な株式投資での収益を、安定的な家賃収入に切り替えるということも実行してきました。

香港のマンションは、現地の不動産価格が暴騰し現地通貨建てで買値の3倍になったとき売却しましたが、ワンルームマンションは国内に10室所有していました。

このワンルームマンションは妻の強い希望で、すべて売却することに決めました。

香港のファミリーマンションを購入したのは中国で天安門事件が起きた直後でした。天安門事件の直後に香港に投資する勇気があったのも、株式投資を実行して利益を得ていたことによる安心感からでした。株式投資で利益を得ることで、お金が着実に増加していきました。

2005年は日本の株式市場が非常に好調で、儲けることより損をしないことに重点を置いている、投資家仲間に言わせるとリスクを取らない株式投資家である私の株式投資でも、資産増加額が過去最大のものになりました。

その後にライブドア・ショック、リーマン・ショック、東日本大震災と株式市場に大きな暴落が襲ってきて、私の株のポートフォリオも被弾して、大きなマイナスとなりました。

しかし、現物投資しかしていない私は生き残り、アベノミクスのおかげで株で大きく稼ぐことが出来ました。

Next: 株式投資でお金を得られたことで、本当に得られたものとは…



経済的独立を達成し、ワクワクできる充実した日々

2017年は信じられないほどの楽園相場でした。私の持っている株も大きく上がり、アベノミクス後の株の利益の60%程度は2017年に稼ぎました。

まさに2005年ごろと同じ状況でした。

そこで私は、有料メルマガの10月頃のコラムに『21年ぶりにやってきた勝ち逃げのチャンスを最大限に生かす』ということを書き、アベノミクス後の利益の60%をキャピタル・ゲイン税を600万円以上払って、証券会社から銀行にシフトして、通常の定期預金より利回りの高い1年定期預金などにシフトしました。

この資金を株に戻そうと考えていましたが、満期が12月の満期で、中途で解約すると少ない金利でも100分の一の利息になるので、ケチケチ精神を発動して我慢しているうちに末期がんの宣告を受けました。

不幸中の幸いだと、自分では感じています。

2018年の日本株式市場の状況は、米国株に振り回されて、乱高下を繰り返し、ついには短期間に底なしの下落を続けるようになりました。

過去を振り返ると、不動産投資や金投資など資産運用全ての収益は2003年からの3年間で8,000万円を超えました。この資金を得たことで生活費をサラリーマンとしての給与収入に依存しなくても良くなりました。

つまり経済的独立を達成することができたわけです。

アベノミクス相場では株だけで、9,000万円を増やしましたが、2018年12月だけで、このうちの1,500万円以上を失いました。ただ、誤差の内です。

生活費をサラリーマンとして働いてきた給料に依存しなくて良くなったので、好きなことを実行して、より有意義な人生を送るために勤めていた会社を退職したわけですが、その後の道はけして平たんではありませんでした。

当初の予定では、金融リテラシーを学ぶための講師としてセミナーを行うことを考えていました。しかし一緒に投資の学校をやろうと計画していた勉強仲間が方針を変更して投資の学校の開設を延期したこと。

情報リスクを国や企業や個人がどのように把握して、どのように守っていけばよいかを啓蒙するという、これまたワクワクする仕事にも参画しました。

金融リテラシー教育面については本を書いたり、単発のセミナーを開催したりすることも準備していましたが、実現する前に数々の暴落が日本を襲ってきました。

株式投資も不動産投資もいろいろ乱れ飛んでいる情報をいかに的確に把握して正確に分析するかによって、投資成果が大きく違ってきます。

実は金融リテラシーの一部として、情報リテラシーは非常に大切な能力となります。

このように好きなことを自分で自由に選択することができるようになったのは、生活費を得るために、いままでの会社で苦役のために自分の時間を切り売りしなくて良くなったことが最大の要因です。

そのために毎日ワクワクできる充実した日々を送れるようになりました。

これが株式投資を実行したことによる一番直接的な成果です。

Next: 株式投資をしたことで見つけた、思いがけない気づきとは?



己を知ることができた(自分の性格を知ることができた)

株式投資を実践することで、毎日、自分の欲と恐怖に振り回されることにより、今まで知らなかった自分の弱い性格ともろに出会うことになりました。

まだ余裕資金がほとんどないうちに株式投資を始めて、1か月のサラリー以上の金額をよく知らない東証第二部の株につぎ込んだり、1年間の総所得に近い大きな金額を1銘柄につぎ込んだりする大胆すぎる自分にも出会いました。

また自信を持って投資したのに、値下がりにおびえて直ぐに売ってしまう、臆病な自分にも出会いました。

また欲をかきすぎないで、ほどほどで売っておけば年率40%も儲かったのに、もっと稼ぎたいと強欲をかいたために、その後に値下がりして、儲けるどころか損をしてしまうような情けない体験もしました。

けっこう我慢強い忍耐力のある自分にも出会うことができて、自分のよい面を知ることもできました。

株式投資をするまではまったく知らなかった自分を知ることができ、さらに株式投資で利益を継続的に上げていける投資家になれるように、自分を訓練することもできました。

例えば株式投資で他人の意見を鵜呑みにして投資して失敗し損をしたとき、最初はその銘柄を教えてくれた相手のせいにして恨んだりしていましたが、実は株式投資で失敗して損をしたのは、全て自分の責任だと自分で認められるようになりました。

私も投資判断を間違えたときなど、その判断に影響を与えたものに責任を転嫁して、自分の責任を自覚していない場合もありました。しかし失敗するたびに、自分の責任を何かに転嫁していたのでは、失敗の原因を突き止めて、次回に生かすことはできません

そのように反省してからは、店頭で注文したとき、その注文を間違えて出されて、失敗してしまった場合も、再度注文の内容を確認してもらわなかった自分の責任だと考えるようになりました。

そのように自分の行動の結果を起こったことを自分の責任だと考えるようになってから、重要な事項では再チェックなどを行うようにしています。

しかしネット証券では、大事な場面で、誤発注して痛手を受けることも時々あります。焦りで注文内容を確認しないときに起こります。

ただ誤発注した時は、結果オーライということはしないで、利益が出ていても、損が出ていても一旦は清算して(=買ったものは売り、売ったものは買い戻す)、その後もう一度買うか、売るかしています。

このようにリスク管理が段々身についてくるようになりました。

(筆者注:情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)

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億の近道』(2019年1月8日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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