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置いて行かれる日本、米ハイテク株暴落は金融政策から財政政策への明確な転換シグナルだ

米・欧の中央銀行がそろって金融引き締めから財政政策に転換しようとしているのに対して、日銀だけが2019年も引き続き量的金融緩和の続行を表明しています。(『カレイドスコープのメルマガ』)

※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2019年1月10日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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円高転換によって日銀の債務超過問題が急浮上、デフォルト危機へ

シリコンバレーから崩れる米国市場

2019年の株式市場は、相場の牽引役だった米ITの巨人「FAARG(フェイスブック・アマゾン・マイクロソフト・グーグル・アップルの5社)」に代わって、再びハードウェア関連銘柄が注目を浴びそうです。

といっても、相場の選手交代が進むだけで、ここからさらに高値を目指すことは期待薄です。むしろ、本格的な大暴落に備えるべきなのでしょう。

私は、去年11月1日配信の当メルマガ第276号「米中貿易戦争の真相と、まもなく訪れる世界株式市場の崩壊第二波」で、次のように書きました。

米国の株式市場は、主に、FAMGA(フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、グーグル、アップル)、あるいは、FAANG(フェイスブック、アマゾン、アップル、ネットフリックス、グーグル)、そして石油関連セクターによって支えられています。

ところが、イーロン・マスクのテスラ社の株価暴落の後、堰を切ったように、フェイスブックの株価が一気に20%も下落、ネットフリックスも16%の下落と、米国経済の屋台骨を支えてきたシリコンバレーの骨格がボキボキと音を立てて崩れようとしています。

そして、今回発覚したスーパーマイクロ・コンピューターのマイクロチップ問題…<中略>…そのときが、いよいよ世界恐慌の始まりです。

確かに、NYダウ、日経平均とも10月2日〜3日をピークとして、12月24日〜25日の当面の底値まで18.8〜21.0%も下落しました。特に、3日連休明けの12月25日の1,000円を超える大暴落は、翌年の相場に暗い影を投げかけました。

暴落の引き金を引いたのは、FAANGの一画であるアップル株の暴落でした。10月3日につけた232.07ドルをピークとして、12月24日の146.83ドルまで37%もの下落を演じ、さらに年明け1月4日の142.19ドルと、もう一段の安値を付けています。

当然のことながら、国内のIT関連株も連れ安して軒並み値を下げました。

どのアナリストも、10月初旬のトランプによる中国への追加関税の再表明が引き金となり、2019年には、さらに米中貿易戦争の激化が予想されることが主要因であると分析しています。

米中貿易戦争が、株式市場に思っていたより深刻なダメージを与えるであろうことが明らかとなったのは、12月5日、中国通信機器メーカー華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟CFOがカナダで逮捕されたことでしょう。

「ファイブ・アイズは、どうやら本気で中国を潰そうとしている!」と確信した投資家たちが、いっせいに値嵩株である主要IT銘柄を売ったため、NYダウ・日経平均とも、クリスマスに向けて急階段を転げ落ちるように下落していったのです。

米国の金融緩和政策は完全終了へ

さらに、年明けの1月7日から9日にかけて、ブルームバーグの利上げ見通しに関する記事が二転三転したことから、いっそう市場に不透明感が広がることとなり、ますますリスクオフに傾斜する投資家たちのハイテク銘柄売りに拍車がかかりそうです。

1月7日は「利上げ停止の公算高まる」と報じられ、9日朝には「金融当局は利下げするとは言っていないし、利上げを停止するとも言明していない」に変更され、同じ9日の夕方には、結局「2019年の利上げ回数を2回とする見通しが示された」に落ち着いたわけです。

トランプ政権は、米・連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが、米国経済失速の最大の要因になるとパウエル議長を非難しながらも、本音ではインフレを未然に防ぐためには小幅の利上げを容認しているので、市場は、このリップサービスを見抜いてすでにこれを織り込んでいます。

また、利上げによって新興市場に出ていった資金を米国に還流させることによって、好調な雇用情勢を背景に、国内の景気を冷やさないようにする狙いも見え隠れします。

米国の金融当局は、金融引き締めを鮮明に打ち出すことによって、2008年のリーマンショックから10年の長きにわたって続けられてきた金融緩和政策を完全に終了し、代わって、トランプ政権による財政政策にバトンタッチしようとしているのです。

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