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腕時計シェアリング「トケマッチ」突然のサ終。“代表がさらば森田と同窓”で知名度拡大も「貸し手側の利回りが異様」等かねてから多かった疑惑の視線

腕時計シェアリング事業「トケマッチ」を運営していた合同会社ネオリバースが、1月末をもって解散すると突如発表し、利用者を中心に同様が広がっているようだ。

トケマッチのサイトからリンクされた「法人解散によるトケマッチの今後について」との文書によれば、時計をレンタルしているユーザーに対しては、今後書面及びメールにて返却要請をするとのこと。

いっぽうで、トケマッチに時計を預託していたユーザーに対しては、順次時計を返却するとアナウンスしているいっぽう、明確な返却日については回答できかねぬとしている。

“腕時計に働いてもらう”システムとして脚光

高級腕時計を所有しているが、普段あまり付けることがなく“箪笥の肥やし”になっている……といったユーザーと、買うとなると高価な高級時計をレンタルしたいといったユーザーをマッチングさせるサービスとして、以前から注目を集めていたトケマッチ。

腕時計を預ける側のユーザーには、例えばその時計の評価額が60万円以下なら月々9,900円……といったように、評価額に応じた預託使用料がもらえるいっぽう、腕時計を借りたいユーザーは、仮に評価額60万円以下のモデルなら月額1万9,800円……と、評価額に応じたレンタル料金を月々支払うといった仕組みで、トケマッチ側はその差額を儲けとしていた模様だ。

このところは、例えば手元にあるお金を単に貯め込むのではなく投資する、“お金に働いてもらう”といった意識が広く浸透。

それは腕時計も同様ということで、例えば将来の値上がりを期待しての購入だったり、あるいは純粋に趣味のコレクションとして、複数本の腕時計を所有しているような人々の間では、いわば“腕時計に働いてもらう”画期的なシステムとして、注目を集めていたようである。

いっぽうで、ネオリバースの代表を務めていた人物だが、お笑いコンビ「さらば青春の光」の森田哲矢さんと中学校時代の同級生だったということで、過去には某雑誌で対談企画も行ったことも。それ以外にもこの代表は、テレビやラジオにも度々露出していたといい、トケマッチの知名度アップに余念がなかったようだ。

しかしその反面で、このトケマッチというサービスに関しては、借り手側のレンタル料が高めに設定されているいっぽうで、腕時計を預託している側のいわゆる“利回り”が良すぎるといった点が、逆に怪しさを創出しているとの見方があったり、またこのサービスを活用して腕時計をレンタルしたといった声が、各種SNS上でほとんど見られないことを不信がる向きも多いなど、疑念の視線も少なからず注がれていたとのこと。

なかには、金の代わりに腕時計を集めているという違いはあれど、やっていることはポンジスキームそのものだといった厳しい見方もあり、とにかくローンチして間もないサービスということで、しばらくは様子見……という慎重な見方も多かったようなのだが、結果的にはわずか3年でサービス終了という結末を迎えることとなった格好だ。

レンタルされた腕時計の“借りパク”を危惧する声も

このように、ある意味では“案の定”といった展開となっているこのトケマッチなのだが、時計を預けてしまった人にとっては、果たしてちゃんと戻ってくるのかどうかが、今後の大きな懸案事項といったところ。

一応、先に挙げたネオリバースによるリリースのなかには、「預託商品は順次、ご登録住所にご返却させていただく流れとなります」とはあるのだが、その反面で「明確なご返却日につきましてはご回答できかねますことをご了承ください」との一文も。

さらに、預けていた時計がトケマッチ側で確保されている状況なら、同社が誠実な対応をしてくれさえすれば、手元に戻ってくる可能性はまだ高そうだが、仮に預けていた腕時計が他ユーザーにレンタル中だった場合には、いわゆる“借りパク”などといったこともあり得るのでは……との見方もあり、一筋縄ではいかなそうなのだ。

もっとも先述したネオリバースによるリリースには、そういった事情で返却が難しい場合、サービス規約に則って損害賠償を支払うといった一文はあるものの、仮に同社の解散やサービス終了が経営的な行き詰まりが原因のものだとすれば、賠償請求が殺到するような状況となった際に、各人に満足いく額が支払われるかどうかは、正直なところ疑問符が付くところだ。

ちなみにネオリバースによるリリースには、現状ユーザーからの問い合わせに対応できる態勢ではないことが示唆され、今後代理人が決定し次第、各利用者へ個別に連絡するとの記載が。ポンジスキームなど投資詐欺の場合、そのまま金を持って雲隠れ……といった展開がド定番だが、今回のトケマッチも同様なのかは、今の段階ではまだ判断が付かないとはいえ、時計を預けていた側からすれば不安が募るばかりといったところのようだ。

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