マネーボイス メニュー

空気が読めないホンダの「英国撤退」発表、EU離脱の混乱で日本が恨まれる?=児島康孝

本田技研工業はイギリス国内の四輪車工場について、2021年をもって撤退することを発表しました。英国はいま、EU離脱をめぐって大荒れの状況です。もう少しタイミングをはかることはできなかったのか、疑問が生じます。(『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』児島康孝)

本記事は有料メルマガ『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』2019年2月22日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

なぜいまそれを言う?判断は正しくとも、印象は最悪のタイミング

ホンダ、2021年で英国完成車工場から撤退へ

本田技研工業は、英国の四輪車工場について、2021年中をめどに撤退することを発表しました。

ホンダの発表から伺えるのは、欧州では今後さらに電動車が重視される中で、電動車の生産は欧州では行わないという判断のようです。

電動車については、北米など他の地域で生産し、欧州に輸出する方向のようです。

これは経営判断なわけですが、現在は今年3月末の英国EU離脱期限の直前です。英国が大揺れの中で、なぜ、このタイミングなのか?これは大きな疑問です。

英国にすれば、ホンダの「冷たい仕打ち」という受け止め方以外にないでしょう。

日本車は欧州で苦戦しているが…

確かに欧州では、日本車は苦戦しているのです。

以下は、フィンランドのヘルシンキの路面電車(トラム)を撮影した動画です。映り込んでいる車をみても、日本車はほとんどありません。

これは、車だけでなく家電製品もそうなのですが、欧州の場合はデザインのレベルが高いので、なかなか日本製品はマッチしないのです。

ですから、日本製の車や家電製品は、デザイン面で劣勢で、欧州ではほとんどみかけないのです。

ですから、ホンダの決断自体は、たぶん、正しいでしょう。

しかし、ブレグジット問題で英国が大揺れの最中に、あえて発表しなくても…という感じがします。

もう少し早めにするか、もう少し後にするか、タイミングをはかることはできなかったのでしょうか。

Next: 印象は「最悪」のタイミング。日本が恨まれる可能性もある?



印象は「最悪」のタイミング

今回のホンダの英国工場撤退の発表は、タイミング的には「最悪」です。

英国ではEU離脱をめぐって、ケンブリッジ大学のビクトリア・ベイトマン博士(女性)がEU残留を主張して全裸になって抗議し、テレビ・ラジオ番組に出演したりしています。

また、これに共感したボリス・レイチェル記者(=ボリス・ジョンソン前外相の妹)が、スカイ・ニュースの番組で上半身裸になったりしています。

ここまでいくか?というぐらい、議論が過熱化しているのです。

そして、エリザベス女王が、ブレグジットの暴動などを回避して避難する計画まで、英国で報じられています。

こうした中で、ホンダが唐突に英国の四輪車工場の撤退を表明

これは、その判断が正しいかどうかというよりも、タイミングが最悪といえるでしょう。

日本が恨まれる可能性もアリ

あくまで印象としては、ホンダがブレグジット後の英国を見捨てて去ってゆく、ということにならざるを得ません。

欧州の状況や、電動車の今後の状況から、それがたとえ正しい判断でも、国際感覚としては、いま英国撤退を発表するのはまずいでしょう。

そこは、もっとうまく立ち回らなければホンダも恨まれますし、日本も英国から恨まれることになりかねません。

続きはご購読ください。初月無料です

<初月無料購読ですぐ読める! 2月配信済みバックナンバー>

※2019年2月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。

2019年2月配信分
  • ホンダの英国工場の撤退発表、なぜこんなタイミング?(2/22)
  • 英国政府のEU離脱案、258対303で否決(2/15)
  • 英国のEU離脱案、下院で再び否決の雲行き(2/14)
  • 実は、数字に「うるさい」海外投機筋(2/8)
  • 急展開!ベネズエラで金の持ち出し騒動(2/1)

いますぐ初月無料購読!


本記事は有料メルマガ『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』2019年2月22日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>

※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込324円)。

2019年1月配信分
  • FRB「利上げ休止」に、マーケットは典型的な反応(1/31)
  • 欧州・日本で、中国の景気減速の影響拡大か(1/27)
  • 乱高下するNYダウ。再び2万4000ドル超に(1/25)
  • アメリカの富裕層が、慈善団体を設立し、巨額の寄付をするわけ(1/20)
  • ロシア機の墜落は、大きな背景はないようだ(1/18)
  • メイ首相の不信任案は、否決(1/17)
  • メイ首相のEU離脱協定案、432対202の大差で否決(1/16)
  • 英国よる7時(日本時間16日午前4時)に採決予定(1/15)
  • JOC竹田会長に、フランス当局が贈賄容疑(1/11)
  • 少し気になる「アメリカ国務省が中国渡航情報を更新」(1/6)
  • NYダウ、660ドル安。2019年は、円高・株安の年に(1/4)

2019年1月のバックナンバーを購入する

2018年12月配信分
  • NYダウは、激しい乱高下。最後の「踏み上げ」があるパターンも(12/28)
  • 【緊急市況】NYダウ1000ドル超の暴騰、日経平均先物2万円に(12/27)
  • 【緊急市況】日経平均が暴落、前場1000円超の下落(12/25)
  • 【緊急市況】クリスマス大暴落で、日経平均先物1000円近い下げ(12/25)
  • FRBボルカー議長(当時)辞任は、なぜ起きた?高金利と経済の関係(12/21)
  • 【速報】NYダウ、「フラッシュクラッシュ」の下側に入る(12/18)
  • ブンデスバンクショック走る!欧州市場が全面安(12/14)
  • (速報)メイ首相、信任される(12/13)
  • (速報)日本時間3時からメイ首相の信任投票(12/13)
  • 【速報】マクロン大統領、最低賃金100ユーロ上乗せなど発表(12/11)
  • 【速報】メイ首相、11日夜の下院「ブレグジット投票」延期(12/11)
  • ファーウェイ(HUAWEI・華為技術)ショックが市場を席捲(12/7)
  • (緊急速報)中国の通信機器大手ファーウェイCFO、米国の要請でカナダ当局が逮捕(WSJ報道)(12/6)

2018年12月のバックナンバーを購入する

2018年11月配信分
  • 円高・株安に中期見通しを変更(11/30)
  • (号外)ドイツ銀行に家宅捜索。株価は「破たんレベル」(11/29)
  • パリが「炎上」。マクロン大統領への抗議デモが大規模化(11/25)
  • 中期の景気サイクル「終わりの始まり」(11/23)
  • 日産ゴーン会長逮捕、これは「クーデター」か(11/20)
  • ブレグジットで英国大混乱、メイ政権はどうなる?(11/16)
  • 【速報3】ブレグジット閣議了承、英議会は不透明(11/15)
  • 【速報2】ポンド乱高下、記者会見中止などで混乱(11/15)
  • 【速報】英国ブレグジットで、日本時間23時にメイ内閣が閣議(11/14)
  • 【NY1】アメリカ中間選挙で、トランプ大統領の自由度に制約(11/9)
  • 共和党は、上院過半数維持も、下院は厳しい結果に(11/8)
  • NYハドソン川で、サウジ姉妹の遺体みつかる、心中か(11/3)
  • サウジ事件は波及する?ソフトバンクの巨額「ビジョン・ファンド」強みと弱み(11/2)

2018年11月のバックナンバーを購入する

2018年10月配信分
  • 【速報】アメリカ・ピッツバーグで、ユダヤ教徒など11人射殺される(10/28)
  • カショギ氏の遺族、サウジ出国し、アメリカへ。不透明感がマーケットに暗い影(10/26)
  • やはり、キーマン動く。サウジ皇太子とムニューシン財務長官が会談(10/23)
  • (号外)サウジ、カショギ氏の死亡確認。18人拘束、高官解任(10/20)
  • カショギ氏事件に、ユダヤ人脈が反応(10/19)
  • ポンペオ国務長官がリヤドに到着。流動的な情勢続く(10/16)
  • NYダウ、下げ止まりの様子。警戒するのは、FRB利下げ(10/12)
  • (号外)IMF世界経済見通し、きょう日本時間午前10時に発表予定(10/9)
  • IMF、世界経済見通しを下方修正か(10/5)

2018年10月のバックナンバーを購入する

2018年9月配信分
  • 日米貿易協議は、無難に着地も、トランプ大統領に微妙な変化(9/28)
  • 安倍首相の総裁3選、NYダウ26000ドルが示すもの(9/21)
  • 不穏な動き続く、シリア情勢(9/14)
  • やはり、日本のデフレは、災害か戦争で終わるのか?(9/7)

2018年9月のバックナンバーを購入する

【関連】道端の1セントを拾うビル・ゲイツと、拾わない貧困層。それこそが格差の起源だ=鈴木傾城

【関連】避けられない「世界同時不況」は2019年に起こる?引き金を引くのは中国か米国か欧州か=高島康司

【関連】「専業主婦」世帯は高確率で貧困に~婚活女性の覚めない夢と、支えきれない男の現実=山本昌義

「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』(2019年2月22日号)より抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』連動メルマガ

[月額330円(税込) 毎週金曜日]
日本に影響を与えてきた欧米勢の勢力図が変化し、国際情勢も激変の時期を迎えています。トランプ政権の前の欧米勢力は、日本の1990年のバブル崩壊以降、日本の衰退を狙ってきました。超長期の経済サイクルである、コンドラチェフ・サイクルが、戦後最悪の大底でもあったことから、日本経済はデフレに陥り、低迷したままであったのです。ところが、トランプ政権の誕生以降、欧米勢の勢力は変化し、日本の今後も、大きく変わろうとしています。このメルマガでは、有料読者に限定して、ちょっと書きにくい話にも踏み込んで、欧米勢の動きをお伝えします。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。