本田技研工業はイギリス国内の四輪車工場について、2021年をもって撤退することを発表しました。英国はいま、EU離脱をめぐって大荒れの状況です。もう少しタイミングをはかることはできなかったのか、疑問が生じます。(『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』児島康孝)
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なぜいまそれを言う?判断は正しくとも、印象は最悪のタイミング
ホンダ、2021年で英国完成車工場から撤退へ
本田技研工業は、英国の四輪車工場について、2021年中をめどに撤退することを発表しました。
ホンダの発表から伺えるのは、欧州では今後さらに電動車が重視される中で、電動車の生産は欧州では行わないという判断のようです。
電動車については、北米など他の地域で生産し、欧州に輸出する方向のようです。
これは経営判断なわけですが、現在は今年3月末の英国EU離脱期限の直前です。英国が大揺れの中で、なぜ、このタイミングなのか?これは大きな疑問です。
英国にすれば、ホンダの「冷たい仕打ち」という受け止め方以外にないでしょう。
日本車は欧州で苦戦しているが…
確かに欧州では、日本車は苦戦しているのです。
以下は、フィンランドのヘルシンキの路面電車(トラム)を撮影した動画です。映り込んでいる車をみても、日本車はほとんどありません。
これは、車だけでなく家電製品もそうなのですが、欧州の場合はデザインのレベルが高いので、なかなか日本製品はマッチしないのです。
ですから、日本製の車や家電製品は、デザイン面で劣勢で、欧州ではほとんどみかけないのです。
ですから、ホンダの決断自体は、たぶん、正しいでしょう。
しかし、ブレグジット問題で英国が大揺れの最中に、あえて発表しなくても…という感じがします。
もう少し早めにするか、もう少し後にするか、タイミングをはかることはできなかったのでしょうか。
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