「一緒に住んでいる恋人が、最近あまり料理をしなくなってきた!こんなとき、どうする?」心理テストで分かる、自分の仕事をつまらなくする「お金の罠」って?『セクシー心理学GOLD~最先端の心理学技術』のゆうきゆう先生が解説します。
人生を灰色にしてしまう「お金のため!義務のため!」の思い込み
ごほうびの心理テスト
あなたが一緒に住んでいる恋人が、最近あまり料理をしなくなってきた!こんなとき、どうする?
- 「注意をする」
- 「料理を作ったときにほめる」
- 「料理を作ったらごほうびをあげる」
- 「自分が料理を作る」
選んでから、続きを読んでくださいね。
金銭の過多と「自己実現」の関係
では、解説です。
実はロチェスター大学の心理学者であるキャッサー博士によると、「金銭的に多くを求めている人ほど、自己実現しにくい」そうです。
実際、心理学的に、一番気持ちが持ち上がるのは、「楽しむこと」と言われています。
ビジネスの成功者も、大作家も、有名な俳優も…。すべて、その仕事が楽しいから、成功したのです。決して「お金をもっと稼ぎたい!」とだけ思っていたわけではありません。
とにかく何かが好きで好きで、一生懸命、夢中になってやる。その結果、お金がついてきた…。そういうパターンが大半なのです。
逆に「まずお金!何よりお金!」と考えてしまう人の場合、自分の年収や報酬が、どんなに高くても、満足できません。
すると、
「自分はもっと稼げるはずだ…!今の仕事ではダメだ…!もっと出世しないと…!もっといい仕事につかないと…!」
という考えに陥ることもあります。
いえ、多少の向上心としては意味はありますが、それがあまりに強すぎると、ただ今の仕事に不満を抱くだけになってしまいます。その結果、たいした成果も出せず、ただストレスを抱えたまま生き続けるだけになってしまうわけです。
お金が、気持ちを抑える…?
また、お金をもらったときのことを考えてみましょう。
報酬がアップすると、最初のうちは嬉しいものです。しかし、その喜びは長続きしません。
また心理学では「外的帰属」という考え方もあります。
子供にある作業をさせたときに、「報酬」をあげてしまうと、その報酬がなくなったときに、やる気が急速に失われてしまいます。逆に報酬をあげなかったグループは、その後もあまりやる気の低下はありませんでした。
これは、報酬を受け取ることによって、「報酬のためにやっているんだ」という気持ちができてしまい、そもそもの作業にたいする喜びが減ってきているから…と考えられます。
いずれにしても、とにかく「お金」というのは、必ずしもいい効果を生むとは限りません。
お金は確かに大切なものです。
しかし「お金だけ!お金メイン!」とまで考えず、「楽しめば、お金はついてくる」と考える方がいいわけです。
また報酬の逆に「罰」があります。
この罰も、短期的には効果があります。しかしこれもやはり、あまり長続きはしません。
罰を繰り返していることで、無意識にその仕事と、イヤな気持ちがリンクしていきます。その結果、どんどん仕事への気持ちがマイナスになってしまう危険性もあるわけです。
何にしても、その仕事そのものを楽しみ、好きになることこそが、もっとも長期的に、やる気や前向きなエネルギーを継続するベストな方法なのです。
さて、それを踏まえて(1)~(4)の選択肢を見てみましょう。
Next: あなたの心理状態は?それぞれの選択肢を解説します
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(1)「注意をする」
悪い選択肢ではありません。ただ注意によって衝突してしまう可能性もあります。
くわえて注意ばかりすることで、相手が料理にたいしてマイナスのイメージを持ってしまうこともありえます。たまに注意ならいいのですが、毎回というのは気をつけた方がいいでしょう。
(2)「料理を作ったときにほめる」
方法としては、かなり効果的です。とにかく料理そのものにたいして、喜びを言葉として表現してあげること。
相手は嬉しく感じ、少しずつ料理をポジティブに考えられるはずです。
時間がかかる方法はありますが、これがもっとも効果的に相手の行動を変えていくはずです。
(3)「料理を作ったらごほうびをあげる」
これは、先ほどの考えでいくと、あまりいい方法ではありません。
ごほうびはお金と一緒で、そのものへの喜びを感じにくくさせてしまうのです。
特に、日常生活でよく起こりえることに報酬を与えてしまうと、「それのためだけにやっているんだ」と思ってしまう危険性もあります。
もちろん、たまにしか起こらないこと(出世をしたとか、出産をしたとか)であれば、ごほうびは意味がありますが、日常的な行動では、そこまでごほうびをあげない方がいいわけです。気をつけましょう。
(4)「自分が料理を作る」
すごく献身的で素晴らしい行動だと思います。
ただ最終的に、あなたがすべての家事をやっている未来が見える気がします。これも、たまにならいいですが、あまりに抱え込まないように気をつけた方がいいかもしれません。
Next: あなた自身の仕事についても、同じことが言える
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あなた自身の仕事も同じ
さて、いかがでしたでしょうか。
これは、あなた自身の仕事についても、同じことが言えます。とにかくどんな仕事であっても、大切なのは楽しむこと。
お金のため…。義務のため…。そんな気持ちで自分を追い立てようとしても、決して長続きしません。
くどいですが、最終的にその仕事を「楽しむ」しかないのです。
では、具体的にどうすればいいのでしょうか?方法はシンプル。仕事の中で、楽しい部分を見つけることです。
「原稿を書いてる瞬間は楽しくて、それは好き」
「人と話す仕事で、そのあたりは好きなんだよね」
「人間関係はいい職場で、それは好きなんだ」
というように、とにかく小さくてもいいので「いい部分」を見つけ、そして「それは好き」と心に思ってみてください。
それだけでも、プラスの気持ちが湧いてきます。
恋愛でも、楽しみを
これは恋愛や家族関係でも、同じかもしれません。
家族が生活するため…。相手の条件がいいから…。そんな風に考えて、無理して関係を長続きさせようとしてもムダです。
それは結局、お金と同じ、ただの外的要因です。
それより根本的に、恋人や家族など、その相手を「好き」でなければダメなのです。
逆に言えば、「好き」でありさえすれば、他のどんな条件が微妙だとしても、関係はきっとうまく行きます。
とにかく「好き」であることが大切。
いえだからといって「じゃあ好きじゃないから、ダメなんだ」と思わないでください。
この場合も、仕事と同じ。少しでもいいので、相手の好きな部分、いい部分を見つけてください。
「顔は綺麗で、そこは好きなんだよな」
「頑張ってるところは素敵で、そこは好きなんだよね…」
「ときどき一生懸命で、それは好きかも」
というように、何でもいいので長所を見つけ、そして「そこは好き」と認めてあげることです。
これだけでも、相手との関係はどんどん良好になっていきます。
またこのようにあなたの中に「好き」という気持ちが湧いてくると、相手の中にも、同じくあなたへの好意が湧いてきます。これを心理学では「好意の返報性」と言いました。
とにかく小さくても、あなたが「好き」を見つけること。
倦怠期の方、ケンカばかりしてる方。相手にどんなに文句を言うよりも先に、試してみてくださいね。
今回のまとめ
- 「お金が第一!」と考えると、自己実現しにくくなる
- 大切なのは、楽しむこと
- 仕事でも恋愛でも、相手との生活を楽しみ、「好き」という気持ちを思い出すことが大切
どうか覚えておいてくださいね。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
思い出してみてください。あなたが子供のときに、お金のことを考えたことがあったでしょうか。
もちろん、たまにおこづかいをもらうことはあったかもしれません。でも、そこまで「もっとたくさんのお金を!何万円も!何百万円も!」なんて、思わなかったはずです。それでも…。お金に関係なく、毎日を楽しめていたのではないでしょうか。
もう一度思い出してみてください。お金は、一つの要素に過ぎません。
それがなくても。
今を楽しむことは、いくらでもできるんですよ。
『★セクシー心理学GOLD ~最先端の心理学技術★』(2012年7月18日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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