現在の日本は、なぜ景気の停滞感が漂っているのでしょうか。もうバブルの頃の景気には戻らないと思っている方は多いのですが、実は令和元年の今は、平成元年の頃よりも豊かになっているのです。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
初任給は上がり、日用品も安い。なぜ景気の停滞感は抜けないのか
大卒初任給は平成元年よりも増えている
新しい時代「令和」が始まりましたが、この時代をどんな風にお考えですか?
平成元年の頃は、まだバブル景気でした。
もう「バブルの頃の景気には戻らない」と思っている方は多いのですが、実は令和元年の今は、平成元年の頃よりも豊かになっているのです。
ひとつの指標として、大卒の初任給を見てみましょう。
平成元年の初任給は16万900円です。
(令和元年の初任給はまだ結果が出ていませんが)平成30年の大卒初任給は、21万100円です。
※いずれも男性の平均
もちろん物価は上がっていますが、通信機器については、現在の方が比較にならないほど低価格で手に入ります。
平成元年の頃は、パソコンがある家庭はごく少数でした。携帯電話も存在はしましたが、かなり大きく、警察やマスコミで使われていたくらいです。
衣料品・家具ほか日用品はかなり安くなった
パソコンやスマホ等の通信機器や、ユニクロのように安くても高品質な衣料品、ニトリのような低価格でも高性能な日用生活品は、平成元年にはありませんでした。
食料品は高くなりましたが、すべての物価が上がったわけではありません。
では、どうして景気の停滞感が抜けないのでしょうか?
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「格差社会」になってしまった
それは、平成初期よりも格差が進んだからです。
大卒の初任給は上がりましたが、そもそも正社員になれない人もいるわけです。
今後、格差はどんどん開いていくと思います。
先日にマネーボイスに書き下ろした記事でも紹介しましたが、「ユニクロ」を運営するファーストリテイリング社は、一気に4万5,000円も初任給アップです。
人口が減っていくにつれ、人材確保に企業はコストをかけています。
格差社会の負け組にならないためにも、資産運用は必要です。
『教育貧困にならないために』(2019年5月3日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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