CNNの世論調査では、アメリカ経済が「良い」という回答が70%台にのぼっています。しかしなぜか、こうした情報はほとんど日本で報じられていません。(『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』児島康孝)
有料メルマガ『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』好評配信中。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
アメリカと比較されると都合が悪い?日本メディアは沈黙を続ける
アメリカ経済「良い」が70%
最近のCNNの世論調査をみますと、アメリカ経済の絶好調ぶりが歴然です。
CNNが2019年5月28日~31日に実施した直近の世論調査(6月発表)では、アメリカの経済が、
・「良い」70%(「とても良い」28%、「やや良い」42%)
・「悪い」29%(「とても悪い」8%、「やや悪い」21%)
となっています。
同じく2019年3月14日~17日に実施した3月の調査では、アメリカ経済が、
・「良い」71%(「とても良い」26%、「やや良い」45%)
・「悪い」27%(「とても悪い」8%、「やや悪い」19%)
となっています。ざっとここ約20年近くの間で「良い」全体が7割を超えたのは、これが初めてです。
以前に7割を超えていたのは、2001年の同時多発テロの前や2000年のデータになります。ですから、今のアメリカ経済は絶好調と言えます。
これは世論調査なので、「経済」と言うよりも、「景気」という方が正しい英訳かもしれません。日本のお得意パターンであるエコノミストが景気や経済について回答したアンケートではなく、一般人を対象とした世論調査だからです。
かつてはアメリカも厳しかった
この数字をみて、「アメリカ国民は楽観的なので高めに数字が出るのではないか?」という人もいるかもしれません。
しかしアメリカは、これまでは厳しかったのです。
CNNの世論調査でも8年前の2011年9月23日~25日では、なんと、アメリカ経済が、
・「良い」10%(「とても良い」1%、「やや良い」9%)
・「悪い」90%(「とても悪い」50%、「やや悪い」40%)
となっています。
2011年は1月だけが例外で「良い」全体が24%でしたが、それ以外はずっと「良い」全体は10%台でした。「悪い」全体は、当然、ほとんどが80%台から90%となります。
2012年から2013年も、「良い」全体は20%台から30%台が中心です。当然、「悪い」全体はざっと70%台から60%台が中心ということです。
Next: 国民がしっかりと実感、2017年頃から米国経済は急速に改善している
どんどん良くなってきた米国経済
同様に、それぞれの年で最初の世論調査のデータの推移を拾ってみましょう。
<2013年3月15日~17日>
・「良い」31%(「とても良い」3%、「やや良い」28%)
・「悪い」69%(「とても悪い」32%、「やや悪い」37%)
<2014年1月31日~2月2日>
・「良い」36%(「とても良い」1%、「やや良い」35%)
・「悪い」64%(「とても悪い」28%、「やや悪い」36%)
<2015年2月12日~15日>
・「良い」48%(「とても良い」4%、「やや良い」44%)
・「悪い」52%(「とても悪い」18%、「やや悪い」34%)
<2016年2月24日~27日>
・「良い」46%(「とても良い」4%、「やや良い」42%)
・「悪い」53%(「とても悪い」25%、「やや悪い」28%)
(※2016年11月:トランプ大統領が当選)
<2017年1月12日~15日>
・「良い」57%(「とても良い」8%、「やや良い」49%)
・「悪い」43%(「とても悪い」13%、「やや悪い」30%)
<2018年1月14日~18日>
・「良い」69%(「とても良い」20%、「やや良い」49%)
・「悪い」29%(「とても悪い」9%、「やや悪い」21%)
データをみますと、2017年ごろから、一般国民のレベルで経済の改善が急速に進んだように見えます。
これは一般国民が見る経済・景気ということで、日本経済の分析でよくある各種調査データとは異なり、アメリカ国民の生活レベルの実感を反映していると言えます。
注目すべきは「とても良い」と「とても悪い」
アメリカ経済の世論調査で大いに注目すべきは、「とても良い」とか、「とても悪い」という回答です。
質問文は以下になっており、
これに対して「Very good」「Very poor」と、はっきり回答しています。
改めて直近の2019年5月28日~31日の調査を見ますと、アメリカの経済が「とても良い」が28%にのぼっています。対して、「とても悪い」は8%です。
数年前の2017年1月と4月は、「とても良い」が両方とも8%に限られ、「とても悪い」は13%と14%でした。
これが大きく変化しているわけです。
ですから、明らかにアメリカ経済が良いとか景気が良いという認識が、一般国民の間に、確実に広がっているということです。
Next: 絶好調のアメリカ景気。なぜ日本メディアは無視する?
なぜか大半の日本メディアは「完全スルー」
こうしたアメリカ経済の絶好調ぶりについて、なぜか、日本の大手メディアはほとんど報じません。これはもはや、情報鎖国?というような感じです。
もし日本で街頭アンケートをとれば、逆の数字に近いのではないでしょうか。日本経済が「良い」「悪い」の数字は、一般感覚では、アメリカと逆の感じがしますね。
トランプ大統領の政策は間違っている、彼が大統領になれば世界恐慌が起きる!と大騒ぎしていたからでしょうか?
それとも、日本の金融政策や経済政策の「労働生産性の低さ」を、アメリカとの比較で示したくないからなのでしょうか?
<初月無料購読ですぐ読める! 6月配信済みバックナンバー>
※2019年6月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。
- FRBは「利下げ」へと動き始めた!理由は、予想外の低インフレ(6/21)
- デフレ論議とタイムラグ。松方デフレと大英帝国のデフレとは(6/16)
- やはり、1940~1950年に似ているのか。オマーン湾でタンカー2隻が攻撃され、爆発・炎上(6/14)
- マイナス金利をめぐる、おかしな議論が横行。それって名目マイナス金利?実質マイナス金利?(6/7)
- 米国の金利推移のグラフと、超長期のコンドラチェフサイクル。眺めると、この先の動きがわかる可能性大!(6/3)
有料メルマガ『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』好評配信中。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込324円)。
- 米朝ハノイ会談決裂で、担当特別代表が銃殺か。これは、米朝関係は、予想外に緊張していることを示している。(5/31)
- ペルシャ湾でのタンカー攻撃は、水中ドローンが使用された(5/24)
- イランとアメリカの戦争が、あまりにも危険な理由(5/17)
- NYダウ617ドル安。こういう時にわかる、ポジション調整の重要性(5/14)
- イランと北朝鮮、軍事的に連動の可能性も(5/10)
- 英国・保守党が地方選挙で大惨敗、メイ政権に打撃(5/4)
- メイ首相は、実は「中国派」だった!(5/3)
- 北朝鮮の200万ドル要求が、米国で物議に(4/30)
- ロシア・北朝鮮の首脳会談は、成果がなかったようだ(4/29)
- ドイツ銀行、コメルツ銀行との交渉打ち切り。イラン問題が影響?(4/26)
- 英国・北アイルランドで暴動、女性記者死亡(4/20)
- ケイン氏、FRB理事に指名の場合は辞退せず(4/19)
- 渦中のLIXILグループが530億円の巨額損失、潮田氏は辞任へ(4/18)
- 本田悦朗・駐スイス大使が辞職、突然の日銀総裁就任はあるのか?(4/12)
- S400配備の行方は・・エルドアン大統領が訪ロ、プーチン大統領と会談(4/9)
- 米空軍の偵察機RC-135が活動を活発化(4/5)
- 英ポンドは急落も、昨夜9時からは反転上昇(4/3)
- 北朝鮮、「人工衛星」打ち上げの可能性(4/3)
- 早朝に不思議な英国ポンド急落、本日の推移は要注意(4/2)
- トルコ地方選・エルドアン大統領側が大敗の模様(4/1)
- トルコの異常な金利は、何を意味するのか?(3/30)
- ニュージーランドドルと、トルコリラが暴落。危険な、これらの通貨とは・・(3/29)
- ニュージーランド・ドルが急落、今後の利下げ見通しで(3/27)
- 今度のイールドカーブ・フラット化は、本物(3/24)
- 意外な投資先、ノルウェ―・クローネ(3/22)
- 北朝鮮、在中国・ロシア・国連の大使を帰国させる(3/20)
- 北朝鮮に、再び不穏な動きが(3/19)
- スペインの北朝鮮大使館襲撃、反体制派が関与か(3/18)
- ドイツ銀行、コメルツ銀行との交渉を発表(3/18)
- トランプ大統領、EU離脱問題で、メイ首相を批判(3/15)
- ベネズエラは、戦争準備体制入りか(3/13)
- 英国下院、メイ首相のEU離脱修正案を否決(3/13)
- あす午前4時前後、英EU離脱の修正案の採決予定(3/12)
- (続報)未明にポンド急伸、英国とEUが離脱案修正で合意(3/12)
- (速報)未明のポンド急伸、英国とEUが、ブレグジット修正で合意の見通し(3/12)
- 上海総合指数が急落、米中の交渉が不調なのか?(3/8)
- クラフト・ハインツ株の暴落にみる、日本経済の危うさ(3/3)
- 米朝首脳会談、制裁解除の「一部」「全面」とは(3/2)
- インフレ率上昇は、本物?演出?デフレの行方(3/1)
- 誰も言わない、南海トラフ地震と日銀保有株のリスク(2/26)
- ホンダの英国工場の撤退発表、なぜこんなタイミング?(2/22)
- 英国政府のEU離脱案、258対303で否決(2/15)
- 英国のEU離脱案、下院で再び否決の雲行き(2/14)
- 実は、数字に「うるさい」海外投機筋(2/8)
- 急展開!ベネズエラで金の持ち出し騒動(2/1)
- FRB「利上げ休止」に、マーケットは典型的な反応(1/31)
- 欧州・日本で、中国の景気減速の影響拡大か(1/27)
- 乱高下するNYダウ。再び2万4000ドル超に(1/25)
- アメリカの富裕層が、慈善団体を設立し、巨額の寄付をするわけ(1/20)
- ロシア機の墜落は、大きな背景はないようだ(1/18)
- メイ首相の不信任案は、否決(1/17)
- メイ首相のEU離脱協定案、432対202の大差で否決(1/16)
- 英国よる7時(日本時間16日午前4時)に採決予定(1/15)
- JOC竹田会長に、フランス当局が贈賄容疑(1/11)
- 少し気になる「アメリカ国務省が中国渡航情報を更新」(1/6)
- NYダウ、660ドル安。2019年は、円高・株安の年に(1/4)
『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』(2019年6月25日号)より抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
無料メルマガ好評配信中
ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!
[無料 日刊]
FRB緊急利下げへ」「日銀マイナス金利」をヒットさせた腕を生かし、海外投機筋、米・欧・日の中央銀行の最新情報をメルマガで!まぐまぐ殿堂入り、MONEY VOICE掲載メルマガ。為替FX・株式・資産運用のヒントに、一味違うメルマガ情報。※号外広告あり