老後に2,000万円の用意が必要という話題が盛り上がりました。これを受けて、ご主人が間もなく定年を迎える50代後半の既婚女性からのご相談事例を紹介します。(『婚活FP山本の実例分析書 ~運命の出会い、その先を見据えて~』山本昌義)
山本FPオフィス代表、CFP。商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て2008年に山本FPオフィスを設立。現在は「婚活FP」を名乗り、婚活パーティ等を企画しながら婚活中の方、あるいは結婚直後の方など比較的若年層の精神面・経済面双方の相談業務をメインにこなす。中立性の確保の点から、一切の商品・代理店は扱っていない。
老後対策!手遅れからの起死回生の一手とは?
いきなり話題になった、老後必要な2,000万円必要という金額に困惑
今回は50代後半の既婚女性から、老後についてお話を頂きました。
「イキナリ2,000万円と言われて困りました。どうしたらいいですか?」
本人はずっとパート扶養で年収100万円。旦那さんは年収500万円ながら、もうすぐ定年。一人娘は独身非正規、貯金は100万円もないとのこと。退職金約400万円で大丈夫と思っていたそうですが…。
いろんな意味で厳しいと言いますか…。何にせよ、全力で考えていきましょう!
今回は、特に若い方には参考として準備不足&定年目前時における現実的な対処法についてお伝えします。
さて、まず最初に『厳しい中でも冷静な自己分析は必須』という基本を実行しましょう。
この場合の自己分析とは、「このままだと将来どうなりそうか」と「自分には何があって、何がないのか」ですね。
まず、簡単に現状と今後の人生を計算すると世帯年収600万円=ほぼ年間支出600万円。定年で年収が半減すると世帯年収は350万円で年間250万円の赤字…退職金は2年持ちません。
また仮に収入減で支出も同額下げられたとしても5年後は年金生活、額は2人で約250万円です。年100万円の赤字なので、退職金は4年で尽きます。
少なくとも、このままでは厳しいのが現実ですね…。
ただ一方、退職金400万円は救いの手といえます。また夫婦双方、少なくとも当面は健康な様子!他にも一部、武器にできそうな要素もありました!
「このままでは厳しい」のなら「厳しい未来に自分を合わせていく」ことが必要です。
ひとまず「今まで通りではダメ」と強く理解して必要な「変化」を受け入れる姿勢を持ちましょう。
Next: 今から準備をするとして、どんな対応策が考えられる?
手段はあるものの、どれをやるにも完全とはいいきれない…
さて、そのうえで大事なことなのですが『方向性を決めての集中的な準備』。やはり、これが大切でしょうね。
まず「簡単で安心・確実な方法」は存在しません…。そのうえで、今回の方向性は以下があるかと。
1:400万円は残し、夫婦で限界まで働く
2:400万円を使って、起業や投資をする
3:400万円を元手に、(地方・海外)移住する
ハッキリ言って、どれもがハイリスクといえます。
1は、亡くなる4年前までは働けない可能性が高く
2は、成功しない可能性も十分に高く
3は、移住先に馴染めない可能性も高いです。
他にもいろんなリスクが考えられますね。ただ、それぞれ夫婦の努力次第で希望も見出せます。
1は、少しずつでも貯金が増える可能性もあり
2は、相応に成功すれば人生大逆転
3は、より生活費を抑えられるかもしれません。
どれが正解、まだマシかは誰にも分かりません。時間的に、全ての可能性を抑えておくことも無理で一つに絞っても不十分な準備になる可能性も高いです。
しかしそれでも、このまま無策で定年を迎えるより最終的に生き残れる可能性は相応に高まるでしょう。
まずは節約に励みながら夫婦で十分に方向性を考え決めた後は、その準備に全力を注ぎましょう!
最後にちょこっと…、突然2,000万円とか言われてもムリ…。定年が差し迫った人ほど衝撃度も大きいですよね。貯金できてない人にとっては「未来の自分」かも…?
少なくとも、嘆いても過去も現在も変わりません。まずは冷静に「自分のいる状況」を理解し現状と、このままの未来を把握しましょう。
そして、方向性を決めて集中的な準備が必要です。何もしなければ、上で見据えた未来を迎えるだけ。どんな方向性・選択肢があるかは個々人次第ですが「今まで通り」の枠を外すと、案外あるものです。
もはや老後は高難度の強敵とさえいえますができうる限り備えて、幸せを続けましょう!
なお、想像以上に「何をしたらいいか」は難題かと。自分のことを客観的に見るのも難しいですよね。
『婚活FP山本の実例分析書 ~運命の出会い、その先を見据えて~』(2019年7月5日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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婚活中の方、ご成婚された方 こんにちは。婚活FP山本と申します。 昨今は空前の婚活ブーム! …引いては婚活が厳しい時代です。 ご結婚に至っても、3組に1組は離婚する時代。 大変な時代ですね。 ここでは、私が実際にお受けした相談内容を元に 男女の心理差や経済的な側面を主として なぜダメなのか?どうすれば良かったか?を分析し 実例として、皆様にお届けさせて頂きます。 なお、私は「現実的な結婚」を支援しています。 そして、実例は男女の本音が登場します。 このため、皆様の夢を打ち砕く内容も多いかと思いますが ご容赦の上でお読み頂き、ご活用下さい。