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ノルウェー年金、日本国債を売って日本株さらに爆買いへ!?etc.=櫻井英明

先週半ばに「ノルウェー年金、日本国債4300億円売却」が報じられたと思ったら、土曜日には「ノルウェー政府年金基金が、日本株投資拡大」とのニュースが届いた。(『「兜町カタリスト」』櫻井英明)

世界最大級の政府系ファンド、ノルウェー年金が日本株を買い増し

日本国債を売却して、他国債ではなく日本株に乗り換え?

ノルウェー年金、日本国債4300億円売却」というのは先週半ばの報道。昨年10~12月に多額の日本国債を売却したという話。「低金利で投資妙味が減ったことで他国債に乗り換えた」との解釈だった。

土曜の日経朝刊では「世界最大級政府系ファンドのノルウェー政府年金基金が、日本株投資拡大」。2015年末の日本株保有額は約5兆9500億円。14年末から約1兆100億円(24%)増加したという。日経平均株価の上昇率が「9%」だから、自然増加だけではなく、意図的に買い増したということになる。

ただ…ミソは各年末の為替レートで計算したというところ。2014年末119円31銭、2015年末121.92円でそれほど差はない。万が一「年間平均」でいくと、2014年105.94円、2015年121.04円。15%超の誤差があるから面白い。

もっとも保有株上位はトヨタ、三菱UFJ、ファナック、三井住友など。面白いポートフォリオではない。

「最終決定はご自身のご判断で」本当に決定しているのは――

投資に関する最終決定はご自身のご判断において行われるよう」の決まり文句。どんなレポートを見てもそう書いている。

当たり前のことだし当然でもある。しかし、この「自身の判断」って一体どう行われるのだろうとふと思った。長いセンテンスのレポート、万言で構えた講演。

しかし最終決定は1ワード、1センテンスのような気がする。

プレゼン資料の分厚さを誇る研究所は多い。しかし、その多くのプレゼン資料は一般人にとっていかに邪魔なことか。印刷するコストがもったいないとさえ思えてくることもある。

そもそも相場は時間とともに移ろうもの。瞬時微分した資料を大量に抱えても意味がないような気がする。あるいは長時間の講演会。たくさんの言葉が飛び交う。出席者もメモを必死にとってはいる。しかし、最終決定をするのはこれらの分厚いレポートや講演なのだろうか。

どうも心に響いて残った一言が、投資の最終決定要因であるような気がする。

例えばIRにしても、確か中期計画や目先の進捗率を重視する向きも多い。でも、場合によっては「トップの顔色・声の大きさ」なんてことが、妙に記憶に残っていたりする。

極論すれば「好き」か「嫌い」。この言葉を裏返せば「買い」か「売り」。相場はそんなに賢くはないので難解な解釈は邪魔になるが、必要悪みたいなものなのかも知れない。

Next: 市場関係者・岡本さんからのメール~決算短信を読みものとして楽しめるか



市場関係者・岡本さんからのメール

同感したのは市場関係者・岡本さんのメール。上記のようなことを考えていたら、「キーワード、大切な言葉」という活字が目に浮かびあがってきた。

決算短信を読みものとして楽しめるか。
決算短信は分析したり、利益率がどうのこうのなんて数字遊びをしていたら相場が分からなくなります。
難しいことは必要なく、短信を読み物にできるか。
投資している銘柄、投資を考えている銘柄、話題となっている銘柄の短信を読み物として楽しむ。
お奨めは、ノートとペン。
キーワード、大切な言葉を殴り書き。
書くことって潜在意識に訴えてくれます。

あとは相場から学ぶ。
その時々の相場で買われているテーマ、材料を調べる。
長年やっていれば、その蓄積で知識が増加します。

材料テーマで最も強いものは国策関連。何か政策のニュースが出たら、関連銘柄を調べる。
結局、ファンダメンタルズからの投資は過去の記憶、蓄積してきた知識がものを言い、
それらが勘を磨いてくれます。

出典:『今日の岡本「大人しいもの、押しているものを狙って行けばいいと思います」』2016-03-14

【関連】ドラギ追加緩和の狙いと“あり得る”米3月追加利上げ/日本景況感に黄信号

「兜町カタリスト」』(2016年3月14日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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