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サムスン電子、56%減益へ。社運を賭けた1兆円超え投資でどん底の韓国経済を救うか?

サムスン電子の業績速報値では、第3四半期の営業利益が56%減(前年同期比)を見込んでいる。サムスンは不調にある韓国経済にとって希望の星となれるのか。それは今後にかかっている。(『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』)

※本記事は、『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』2019年10月27日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

半導体価格の下落が大ダメージに。他の製品でカバーできるのか?

半導体価格が急降下

今回はサムスン電子の業績について見ていく。

すでにタイトルで触れた通り、サムスン電子の業績速報値では、第3四半期の営業利益が56%減(前年同期比)の7兆7,000億ウォン(64億4,000万ドル=約6,900億円)を見込んでいるそうだ。

アナリストの予想平均よりは6,000億ウォンほど多いわけだが、大きく減益となった。

これは半導体価格の低下が原因だ。世界経済の失速、ビッグデータを扱う企業の投資の減速といった予想された範囲のものである。

明らかに昨年の半導体価格が高騰していただけである。

ただ需要というのは、高騰後には減速して、数年が経過すれば落ち着くもの。なので、来年からは半導体価格が元に戻るという期待もあるようだ(私は元に戻るとは思えないが)。

スマホ事業は善戦?

さて、アナリストの予想平均よりも大きかったのは、サムスン電子のスマホが善戦しているという。

中国からシェア0%で撤退することになったサムスン電子のスマホ。しかし、ライバルであったファーウェイの失速米中貿易戦争などもあり、サムスン電子のスマホには有利な風が吹いている。

これは次世代通信規格の「5G」でもそうだ。

ファーウェイがアメリカによって監視されている中、サムスン電子は順調に顧客を増やしていくことだろう。

Next: 「次世代有機EL」に社運を賭けるサムスン。ホワイト国除外のダメージは?



「次世代有機EL」に社運を賭ける

そんな中、私が注目しているのが「次世代有機EL」である。

スマホと次世代有機ELは、サムスン電子が数年前から成長を遂げてきた分野だ。

日本の輸出管理の見直しで、高純度のフッ化水素が入手しにくくなったサムスン電子にとって、次世代半導体分野で競うのは正直厳しい

そこで、サムスン電子は10月10日にテレビ向けの次世代パネルの量産に13兆1000億ウォン(約1兆2,000億円)投資すると発表した。

これは先ほどの第3四半期のほぼ2.1倍である。サムスン電子はまだまだ投資に回せる予算はあるようで、次世代有機ELに次の成長を託すといったところだ。

「品薄戦略」で新型スマホは売れるのか?

高付加価値化に目を付けるのは日本企業や米企業と同じであるし、実際、サムスン電子の折りたたみ高額スマホ「Galaxy Fold(ギャラクシー フォールド)」も発売されて、今のところは回収などそういう事態にはなっていない。

日本でもauが独占して販売するとのことで、値段は24万円(税込)で、10月25日に発売されている。ガジェット好きとして興味があるが、売れる要素はあまりなさそうだ。

しかも、品薄戦略もどこまで通用するか。

グローバル市場でも,月1万台しか生産していないとか、そんなはずはない

ただの品薄にしてわざと売り切れさせてプレミア感を出そうとしているだけだ。どうなるかはわからないが、これが100万台売れるとかはまずない。10万台ですらいつ到達できるか。

因みに主力の「Galaxy S10」は欧州で好評らしく、100万台以上の販売があったようだ。

Next: サムスンは韓国経済を救えるのか?



サムスンは韓国経済を救えるのか?

実際、サムスン電子の業績が、不調である韓国経済にとって希望となるのか。

それは今後にかかっている。

半導体価格の下落を、どこまで他の製品でケアできるのか

スマホ5G次世代有機ELといった分野で成長できるのか。

まだまだ先を見通すのは難しい情勢といったところだ。

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image by:Mahony / Shutterstock.com

※本記事は、『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』2019年10月27日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』(2019年10月27日号)より一部抜粋・再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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数年ごとに起きるデフォルト危機。世界経済が後退すれば、投資家が真っ先に資金を引き揚げていく新興国市場。輸出依存が96%という恐ろしい経済構造。ヘッジファンドに玩具にされる韓国市場。中国の属国化へと突き進む2014年。並行してスタグフに悩まされる現実。そして、1100兆ウォンを超え、雪だるま式に膨らむ家計債務の恐るべき実態。経済の問題点とは何なのか?なぜ、また、第四次経済危機が迫っているといえるのか。それは読めばわかる!投資、ビジネス、教養、雑談ネタにも最適な、最も韓国経済の実情を知ることが出来るメルマガ。

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