毎日毎日「桜を見る会」のニュースで持ちきりです。次から次へと疑惑が出ており、今回もお咎めなしだったら、「政治資金規正法」も「公職選挙法」も形骸化です。(『三宅雪子の「こわいものしらず」』)
※本記事は有料メルマガ『三宅雪子の「こわいものしらず」』2019年11月22日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
元衆議院議員。玉川学園女子短大、共立女子大学を卒業。テレビ局勤務を経て、2009年群馬4区で民主党から立候補し、比例復活当選。現在は、執筆やネット配信、福祉や介護のアドバイザーなどをしながら政治活動を行っている。
ニューオータニが価格設定?安倍首相の発言に振り回される面々…
説明責任を果たさない安倍首相
毎日毎日「桜を見る会」のニュースで持ちきりです。次から次へと疑惑が出てきています。
安倍総理が地元後援会の支持者を約800人招いていた問題。「桜を見る会」の前夜の夕食会の価格設定の問題。
総理は「疑惑に答える」と明言しました。普通は予算委員会で野党の質問に答えるという意味だと思いますよね。しかし、驚くべきことにそうではありませんでした。
官邸のぶらさがり取材でお茶を濁そうとしたのです(結局、委員会で菅官房長官などが対応に大わらわ)。
官邸内での20分のぶらさがり取材だけで「疑惑に答えた」と幕引きのつもりだったようです。官邸内はフリー記者も入れず、なじみの官邸記者だけですから、厳しい質問も出ません。
あそこで取材を受けて、それで説明責任を果たしたとは言えません。
世論は安倍首相に甘い?
人気女優の麻薬取締法違反逮捕さえ、「スピンだ!」という説もさかんに出ました。私見ですが、仮に、スピンだとしたら土曜でなく平日午後なのではないでしょうか。
なぜならば、夕方と夜の報道番組、そして朝刊に出ますからより効果的です。こればかりは真相はわかりませんが、陰謀論を嫌う方はスピンと聞いただけで「またか」とウンザリするようです。
不正選挙と同じです。疑う人は何を言っても疑う。どちら側も完全に証明できない。
TBSの映像は、誰かのリークなのか独自取材なのかわかりません。「桜を見る会」のニュースは毎日何かしらやっていますから、この状況ですと、いつ逮捕されてもスピンだと言われるでしょう。
この件にエネルギーを割いても逮捕が違法でなければ問題はないですから、その分、本丸の疑惑に集中したほうがいいのではないかと思っています。
と思っていたら、鳩山元総理の沢尻エリカさんの関連の投稿でまた盛り上がってしまったよう。
11月18日(月)の段階で自民党は、総理入り「桜を見る会集中審議」を拒否しています。官邸内ぶら下がりで説明が十分という理屈ですね。
世論調査では、今のところ思ったより安倍総理に甘い結果となっています。説明を求めるが9割でもおかしくないのですが、そうなっていません。
※参考:首相説明「納得できぬ」68% 「桜を見る会」世論調査 – 朝日新聞(2019年11月18日配信)
モリカケからすっかり「総理は特別」に慣れてしまったのでしょうか…?
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安倍首相の発言に振り回される面々
真面目な皆さんは、「政治資金規正法違反だ」「公職選挙法違反だ」とお怒りです。当然ですよね。
しかし、日本はモリカケを見ての通り「アベさんがいいと言ったら問題なし」「アベさんに合わせてルールが変わる」という嘆かわしい状況が続いています。
周辺や官僚が気の毒なのは、安倍総理の発言に自分らの発言をあわせるという難しい答弁を強いられることです。
露骨な昇進を見ていたら「頑張ろう」という気持ちになるんでしょうね。
繰り返されていることですが、安倍総理の場当たり的な発言に、皆が振り回わされることになっています。
ニューオータニが価格を決めた?
「ニューオータニが夕食会の価格設定をした」は、まさか官僚が考えた答弁だとは思えませんが、どうなんでしょう。
そもそもニューオータニは主催者ではありません。主催者でないものが価格設定をすることがあるのでしょうか?ディナーショーなどはホテル主催です。
安倍さんのこの発言で、ニューオータニに矛先が向くことになりました。野党が事情を訊くたけに参考人招致を言い出していますが、そうしたのは安倍総理であり野党ではありません。
これまでの総理の発言すべて整合性を取るのはかなり難しいでしょう。
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政治資金規正法も公職選挙法も形骸化
今回ばかりは「詰んだ」と誰しもが思っていました。私もです。
「詰んだ」というのは、追い込まれた、逃げるのは無理、何かしら(辞任など)の責任をとらざるをえないだろうということですね。
しかし、850人もの招待は大変問題ではありますが、法的責任は問いにくいように感じます。
どちらかというとモラルの問題ですね。「やりすぎ」です。
与党時代の野党にもわずかながら枠がありました(民主党政権は招待客を前年から減らしています)。これまで功績というものの定義がそもそも曖昧でした。2021年はこの定義をはっきりさせるとか。
しかし…まさかの「ニューオータニが」発言が飛び出して、今後どうなるのか予想がつきません。
今回もお咎めなしだったら、「政治資金規正法」も「公職選挙法」も形骸化ですね。
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『三宅雪子の「こわいものしらず」』(2019年11月22日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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