90年代の初頭から大手証券でデリバティブ運用の仕事をしてきた、Mr.デリバティブこと堀川。今回はオプション取引がどのようなものかを解説します。(『億の近道』堀川秀樹)
フェアラインパートナーズ(株)代表取締役。日興証券にて個人営業から、デリバティブ開発課にて225、TOPIX型裁定取引、国内外の先物売買モデルの開発・運用に従事。投資工学研究所ではダブルα戦略、スタイルインデックスの開発等を行う。日興退社後は兜町のディーラーを経て、ひまわり証券にてシステムトレードの開発、225先物&オプション取引の啓蒙活動に尽力。同社の投資顧問事業をゼロから立ち上げる。日本の個人投資家に「225先物取引」「225オプション取引」「システムトレード」を普及させたことから業界で「Mr.デリバティブ」と呼ばれる。11年7月フェアラインパートナーズ株式会社代表取締役に就任。東京MXTV STOCKVOICE「ワールドマーケッツ」ラジオNIKKEI「レバレッジ・ヴィレッジ」出演中。
1万円が400万円に大化けすることも…オプション取引の面白さ
90年代から大手証券でオプションに携わるMr.ディリバティブが解説
はじめまして、Mr.デリバティブこと堀川と申します。90年代の初頭から大手証券でデリバティブ(派生商品)運用の仕事をしてきまして、特にネットで先物オプション取引が行えるようになった2004年ころからは先物オプションを軸に運用を行ってきました。
リーマンショックや東日本大震災、アベノミクスなど大きく相場は上下に揺れ動きましたが、そんな時にポジションを持ち、市場の動きを全て体感してきたわけです。マーケットは経験すればするほど面白いものだとつくづく思う次第です。
さて、今回はオプション取引がどのようなものか、簡単にお話ししたいと持っております。
投資家の皆さんが一番興味のある点は、どんな魅力がある取引なのか、どの程度儲かるのか、という点でしょう。
まずは魅力についてお話しします。
日経225オプション取引は1か月(ほとんど4週間)の勝負が基本になります。信用取引の1か月版みたいな感じです。
毎月第2金曜日の寄り付きはSQと言われる行事があるわけですが、オプションプレーヤーはこのSQ値が幾らになるのかが最重要ポイントとなっています。次のSQ値が幾らになるのかを想定して売買を行うわけです。
主に使われる手法としては、大まかなレンジを想定しての勝負ができると言うことです。
例えば11月SQ値は2万3,638円だった訳ですが、あるオプション取引を行う投資家が、1か月後の12月SQ値が仮に2万5,000円までは絶対にいかないと考えていたとすると、その投資家は2万5,000円のコールオプションを売るという行為に出ます。
実際そのコールオプションは20円(11月SQ算出時点)の値段がついていたので、楽に2万円は儲かったわけです。
株式投資は「幾らまで行く」と思って投資しますが、オプション取引では「幾らまで行かない」という投資がカネになるということです。
もう一つの魅力は少額の資金で投資ができることです。
大化けの魅力は株式もありますが、オプション取引では2万円の投資が2,600万円になった当社のお客さんもいますし、アベノミクスでは1万円が400万円にも大化けしたこともありました。
それがわずか数日で起きてしまうのですから、株式市場以上に大化けする時のスピードが早い、オプション取引は面白いと言えます。
株式は連想ゲームで銘柄を選ぶとも言えますが、オプション取引は、自分の相場観をポジションとして組んで、方向を当てずに勝てるポジションが組めることも魅力のひとつです。
方向はわからないけど、「ここからどっちかに大きく動く」なんて相場観をポジションとして組むことが出来るわけです。
この先1か月の日経平均は、上は2,000円幅は上昇しない、下も2,000円幅は下落しないなど、大まかなレンジを想定して、単純に相場観ではなく、頭で考える運用ができるのも面白いところです。
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『億の近道』(2019年12月6日)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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