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米国の4人家族は世帯年収1,000万円が中央値、日本は急速に豊かさを失っている=田中徹朗

衰退する日本と一緒に沈まないためには、どうすればいいのか。まずは、日本が沈んでいる事実を受け止め、海外の成長に目を向ける必要があります。(『一緒に歩もう!小富豪への道』田中徹郎)

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プロフィール:田中徹郎(たなか てつろう)
株式会社銀座なみきFP事務所代表、ファイナンシャルプランナー、認定テクニカルアナリスト。1961年神戸生まれ。神戸大学経営学部卒業後、三洋電機入社。本社財務部勤務を経て、1990年ソニー入社。主にマーケティング畑を歩む。2004年に同社退社後、ソニー生命を経て独立。

急速に豊かさを失っていく日本で、どうすれば生活を維持できる?

日本は衰退へ向かっている

今回は衰退する日本に住む私たちが、日本と一緒に地盤沈下してしまわないために、どのような行動をとるべきなのか。

この点について少し考えてみたいと思います。

そのまえに、そもそも日本は今、ホントに経済的に衰退しつつあるのでしょうか。

僕はイエスだと思います。

1人あたりにGDPやその成長率、サラリーマンの年収や人口ピラミッド、わが国の財政状態や企業の競争力低下などなど……。

もちろん教育水準や学力のように、いまでもソコソコ高い位置づけにある項目もありますが、総じて衰退期に入りつつあるとみて間違いないでしょう。

米国では世帯年収1,400万円でも低所得者?

象徴的な数字を1つ上げさせていただきますと、以下のような世帯の年収比較です。

驚いたことにアメリカのサンフランシスコでは、年収1,400万円の4人家族世帯を「低所得者」に分類したそうです(筆者注:アメリカ住宅都市開発省の調査による)。

サンフランシスコは極端な例ですが、アメリカ全土をみても、4人家族世帯の年収の中央値は1,000万円を超えています。

日本で世帯年収1,000万円といいますと、堂々上位10%に入る高所得者層です。

上を見ればキリがありませんが、それでもホンの20年ほどの間に、私たちはずいぶんと貧しくなったことがよくわかります。

もちろん主に相対的な意味での貧困ですが。

さらに今後を見渡しても、近々この傾向が変化するとは思えません。

アメリカだけでなく、中国やASEAN、インドなど新興諸国に比べても、私たちは日本の経済的な衰退を、避けられない現実として受け止めるべきではないでしょうか。

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海外に目を向けて成長に乗る

もちろん僕も経済的な豊かさが、すべてでないことは理解しているつもりです。

経済的な豊かさなどハナから追い求めず、いまある環境に満足し、心の豊かさを深めてゆくことのほうが、よほど大切なのかもしれません。

いわゆる「足るを知る」というヤツです。

それでも僕などは、とてもその境地に達することなどできません。

たとえば、リッチそうな外国人旅行者をみると、自分も頑張ろうという気持ちになりますし、どうすれば日本に住みながら、彼らに負けずに済むかと考えてしまいます。

おそらく大半の方は、僕と同じ意見ではないでしょうか。

では、どのようにすれば私たちは、経済的に衰退しつつある日本に居ながら、豊かさを維持することができるのでしょう?

株式会社というものはよくできたもので、株式の保有を通し、その会社が生み出す価値を、私たちは共有することができます。

しかも上場企業の株は誰に対してもオープンであり、投資する意志さえあれば分け隔てというものがありません。

つまり、機会は平等に与えられているといえるでしょう。

たとえその会社に就職するのが難しくても、私たちはその気にさえなればだれでも、その会社の一部を所有することができるのです。

価格変動の激しさや金融ショックへの不安から、株はご免だとお考えなら、実物資産という手もあります。

新興国で富裕層が増えてきますと、富裕層が好む資産は必ず買われます。

ですからアジア諸国のコインやカラーストーンなどを保有することによって、株式投資にも似た効果を得ることができるでしょう。

このような方法で成長するアジア諸国や、いまなお成長を維持するアメリカなどの成長を、自分の資産のなかに取り込むという発想は、基本的な姿勢として重要ではないかと僕は思います。

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image by:ChameleonsEye / ShutterStock.com

一緒に歩もう!小富豪への道』(2020年1月16日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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