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米国労働人口のなんと51.3%が働けぬ緊急事態。ロックダウン恐慌でGDP40%減へ=In Deep

5月8日発表の米国『人口比の雇用状況』によると、一時的な解雇を含む「仕事をしていない状態」の人たちの割当が51%に達しているとの報道が出ています。(『In Deep メルマガ』In Deep)

※本記事はブログ『In Deep』2020年5月9日配信記事の一部抜粋です。有料メルマガ『In Deep メルマガ』では、ブログでは公開できない極秘ネタも配信中!ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:In Deep
本名:岡 靖洋。1963年生まれ、北海道出身。明治大学経営学部中退。23歳の時に表現集団「self23」の活動を開始。「人生の定年は30歳」という幼少時からの指標通りに、その年齢となった1993年より国内外で隠居行動を始める。人気ブログ『In Deep』を運営。

アメリカ人の半数が職を失った?

日々、ニュースにふれるたびに「この莫大な犠牲は何のためだった?」と思わざるを得ないような報道が続きます。

以下のグラフは、5月8日に発表されたアメリカの「人口比の雇用状況」で、現在、アメリカでは、一時的な解雇を含む「仕事をしていない状態」の人たちの率が51%に達しているとバンク・オブ・アメリカが発表したことが報じられていました。

「2020年5月8日 バンク・オブ・アメリカによる米国の雇用状況」出典:Bank of America

アメリカの就労人口は、約1億5,000万人程度ですが、その半数にあたる人々が仕事を失ったか、仕事に戻ることができない状態が続いているようです。

5月8日に発表されたアメリカの雇用統計による公式の速報値では、4月の失業率は、14%で、2050万人が4月に仕事を失ったとされています。
参考:米失業率、戦後最悪の14%4月の就業者2050万人減 – 日本経済新聞(2020年5月8日配信)

この2,050万人は大きな数値ですけれど、その前日に米ブルームバーグが報じているところでは、

「新規失業保険申請件数は7週連続で300万件超え、合計3,350万件」

ということで、すでにアメリカには、3,000万人を大きく超える失業者が出ているようでして、今回の雇用統計の数値も修正されると思われ、次の雇用統計は、さらに大きな失業率を示すと考えられます。

アメリカでも、この14%という失業率は疑問視されているようで、ロイターは以下のように報じていました。

米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は7日、労働省が8日に発表する4月の雇用統計について、多くの人が積極的に職探しをできていないことを踏まえると、実体が過小評価される可能性があるとの考えを示した。

カシュカリ総裁はNBCの番組「トゥデイ」のインタビューで、4月の雇用統計について、失業率は17%まで上昇する可能性があるが、実際の失業率は最悪の場合23%まで高まっている恐れがあると指摘。「悪化が予想されている明日の雇用統計は、新型コロナウイルス感染拡大による被害の大きさを過小評価している可能性がある」と述べた。

出典:米雇用統計、実体過小評価か 失業率23%も=ミネアポリス連銀総裁 – ロイター(2020年5月7日配信)

先ほどのバンク・オブ・アメリカの発表のように「全体の51.3%が仕事をしていない」状態だということは、失業保険を申請した3,350万人と同じほどの数のアメリカの人たちが、レイオフ(一時解雇)の状態となっていると見られ、そして「その人たちがまた仕事に戻ることができるか」どうかは、職種によってはかなり難しいものとなりそうです。

今後、時間の経過と共に、「アメリカの失業者は、5,000万人を超えてきても不思議ではない」と言えるのではないかと思われます。

Next: アメリカだけではなく、どの国にしても「経済のV字回復の可能性はない」――



GDPが一気に40%下落する?

アメリカだけではなく、どの国にしても「経済のV字回復の可能性はない」ですので、仮にいつか復活したとしても、相当な時間がかかるものとなってしまうのかもしれません。

なお、この失業やレイオフの数値などから、米ブルームバーグの経済分析チームは、「この失業状況は、アメリカの四半期GDPが実質約40%縮小するモデリングと一致する」と報告しています。

GDPが一気に40%下落する……。

こんなことを、ロックダウンを意図した当局者たちは想像していたのでしょうか。

このような、40%などという率でGDPが下がるとすれば、5年や10年で回復するのは不可能だと思われますけれど、すでに、リーマンショックなどまったく比較にならない数値となっているロックダウン・カタストロフは、失業率とGDPの落ち込みの数値だけからは、1930年代の大恐慌も、はるかに超えてきています。

過去の大恐慌を軽く超える大損害

1930年代の大恐慌は、みずほ証券の資料によれば、大恐慌の際のアメリカのGDPの縮小は、1929年から1933年のあいだで27%のGDPの縮小でした。しかし今回のロックダウン・カタストロフでは、最初の年にGDPが40%縮小する可能性があるのです。

大恐慌の時に、失業率が正常に戻るまで、どのくらいかかったかと見て見ますと、おおむね「12年以上」ですね。

「1910年-1960年のアメリカの失業率の推移」出典:世界恐慌 – Wikipedia

大恐慌の時は、ニューヨーク株価の暴落から、4年かけて、失業率は少しずつ悪化していったのですが、今回のカタストロフでは、「たった2ヶ月で大恐慌をはるかに超える失業率を作り出した可能性がある」のです。

各国の当局者と指導者は、「大恐慌超え」を作り出そうとして、そして、本当にそれを作り出してしまった。もはや、大恐慌と比較もできない「人類史で最大の経済カタストロフ」を、こんなに短期間で作り出してしまったわけです。

「何をしたかったん?」と思う人がさすがに増えているのではないでしょうか。

Next: 大恐慌は、最初はアメリカから始まったものではありましたけれど――



日本でも「複合的に」最悪の事態が起こった

大恐慌は、最初はアメリカから始まったものではありましたけれど、1930年当時の日本の状況もまた今と似ているものでもありました。すなわち、「もともと経済が脆弱になり始めているところに襲ってきた恐慌」という点が似ています。

日本は、第一次世界大戦の戦勝国の1国となったものの、その後の恐慌、関東大震災、昭和金融恐慌によって弱体化していた日本経済は、世界恐慌の発生とほぼ同時期に行った金解禁の影響に直撃され、それまで主にアメリカ向けに頼っていた生糸の輸出が急激に落ち込み、危機的状況に陥る。

株の暴落により、都市部では多くの会社が倒産し就職できない者や失業者があふれた。恐慌発生の当初は金解禁の影響から深刻なデフレが発生し、農作物は売れ行きが落ち価格が低下した。

1935年まで続いた冷害・凶作、昭和三陸津波のために疲弊した農村では娘を売る身売りや欠食児童が急増した。

1935年に公共土木事業が打ち切られ、生活できなくなり大陸へ渡る人々も増えた。

出典:世界恐慌 – Wikipedia

これを読みますと、大恐慌の時の日本では、関東大震災などの自然災害も相次いだようで、いつの世でも、「複合的に来る」ものなのだなと思います。

コロナ被害はほぼすべて業種に及ぶ

なお、今回のアメリカで影響を受けている業種に関しては、当初は、観光、飲食、レジャーなどのセクターに集中していましたが、その後、ほぼすべての職種に広がっています。

5月8日の時点で、おおむね以下のようになっていると報じられています。

■アメリカの職種別の失業数

・レジャーと娯楽産業:失業数765万3,000人
・教育および医療サービス:失業数250万3,000人
・小売業:失業数210万6,900人
・専門サービス等:失業数212万8,000人
・ヘルスケアと社会支援業:失業数208万6,900人
・製造:失業数133万人
・建設:失業数97万5,000人
・情報:失業数25万4,000人
・金融:失業数26万2,000人
・輸送および倉庫:失業数58万4,100人

出典:Worst Jobs Report In History: 20.5 Million Jobs Lost As Unemployment Rate Hits Record 14.7% – Zero Hedge

この図式が、今後の日本に当てはまるということではなくとも、ある程度は似た状況となってくる可能性はあると思われます。

Next: このような中で、世界中のさまざまな業種が「消滅」しつつあるようで――



世界中のさまざまな業種が「消滅」していく

このような中で、世界中のさまざまな業種が「消滅」しつつあるようで、イギリスでは、伝統的なパブの多くが閉店の危機に瀕していることが伝えられています。
参考:英文化の象徴「パブ」4割が閉店危機9月までに – 毎日新聞(2020年5月9日配信)

また、米msnは、「アメリカの中小企業の52%が、今後半年以内に事業停止に陥る可能性がある」という調査を発表しています。

アメリカの中小企業の数は1400万社に上りますので、数百万の会社が消えていく可能性があるようです。

今回は、その米msnの記事(翻訳)をご紹介して締めさせていただきます。

■米国の中小企業に暗雲が漂う。全体の52%が事業継続の困難を予測した

新型コロナウイルスは、大部分のアメリカの中小企業を閉鎖する可能性がある。

アメリカ人事管理協会(SHRM)による新しい調査によれば、アメリカの中小企業の52%が、今後6か月以内に廃業するつもりであると回答していたことが判明したのだ。

調査は、375社の企業に対して、4月15日から21日のあいだに行われた。

SHRMの最高経営責任者(CEO)は、以下のように言う。

「私たちは、中小企業のビジネス、労働者、職場への新型コロナウイルスの影響を、過去数か月にわたって追跡してきました。中小企業というのは私たちアメリカ国家の完全な経済的バックボーンです。ですので、アメリカの中小企業が一掃されることを私たちは懸念しています。そのような経済を支える中小企業が、アメリカには、およそ1,400万社あるのです。その大部分が消えるかもしれないのです」

調査によると、中小企業の3分の1強は、今後6か月以上の企業経営を継続できると予測しているが、その14%は、継続に不確実性があるとしている。中小企業の約4分の1は、今後数か月で、収益が増加するか、あるいは変化しないと予測していると答えた。

しかし、全体の52%は、6ヵ月以内に営業を停止すると予測している。

中小企業のうち、10社中8社で従業員の職位が下げられ、調査対象企業の60%が従業員をレイオフした。調査された企業の3分の1は、今後、従業員の給与削減が常態化すると予想している。

出典:Gloom grips US small businesses, with 52% predicting failure – msn(2020年5月6日配信)

ここまでです。なあ、何がしたかったん?

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※本記事はブログ『In Deep』2020年5月9日配信記事の一部抜粋です。有料メルマガ『In Deep メルマガ』ではブログでは公開できない極秘ネタも配信中!ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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In Deep』(2020年5月9日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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