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アベノミクス相場初の日経平均7日続落 安倍首相発言を嫌気し円高進行(4/6)

日経平均は7日続落、年初来安値をつけた2月12日以来およそ2カ月ぶりの安値。7日続落は2012年11月13日までの7日続落以来、「アベノミクス相場」開始以降では初めてです。(『THE相場観!』)

日経平均は17.46円安の15715.36円、首相発言で円高進行

「アベノミクス相場」初の7日続落

■6日大引け

安倍首相が米ウォール・SJ紙のインタビューで「恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」と述べたことが伝わり、5日の海外市場では1ドル=109円92銭と2014年10月以来の円高水準をつけました。

市場では「一段の円高進行に対する警戒感が引き続き強い。急速な円高進行は日銀による追加緩和期待につながるが、仮に実施されても継続的なドル高円安基調となるか疑問。理論値では1ドル105円が妥当との見方もあり、今期業績への悪影響が懸念される」との声がありました。

日経平均株価 5分足(SBI証券提供)


米ドル/円 5分足(SBI証券提供)

外為市場で一時1ドル110円割れとなった後に一段と円高に進まなかったことが一定の安心感を誘ったものの、4月下旬には日・米・欧の中銀会合を控えるほか、日米企業決算を見極める必要があり、「積極的には手を出しにくい」との声がありました。

米利上げ観測の後退でドルが幅広い通貨で売られているほか、原油安や世界的な株安で、安全資産とされる円が買われやすくなっており、市場では「今後110円を超える円高水準が定着する」との指摘もあります。

海外勢が日本株売りを増やす背景には、為替の円高などによる業績懸念があり、多くの企業の16年度の想定為替レートである1ドル=117円台より大幅な円高水準で、外需関連株を中心に来期業績への警戒感が強まっています。

年度の初めは投資計画の策定や運用担当者の入れ替えもあり、年金基金を含む機関投資家の買いが薄くなりやすいとされ、市場では、財政政策消費増税の延期日銀の追加緩和など政権への注文を口にする関係者が増えています。

テクニカル面では、騰落レシオ99.42%、25日線かい離-6.32%、サイコロ3勝9敗で、明日マイナスで引けると2勝10敗となり目先は反発場面とみています。

Next: きょう動いた10銘柄…サイバーコム、しまむらetc./6日大引け後の材料



きょう動いた株

サイバーコム<3852>
急騰。12日付での東証1部への昇格が決まる。指数連動型ファンドの買い需要を先取りする動きに。

サイバーコム<3852> 5分足(SBI証券提供)

オリエンタルランド(OLC)<4661>
5日ぶり反発。三菱UFJモルガン証は弱気の「アンダーウエート」から強気の「オーバーウエート」に2段階格上げ。目標株価を1万1600円(従来5550円)に。

オリエンタルランド<4661> 5分足(SBI証券提供)

アダストリア<2685>
続騰し半年ぶりの高値水準に。好決算を引き続き材料視。5日のアナリスト向け説明会も好印象となった。

MRT<6034>
急伸後、売り先行の展開となった。5日、ニューロスカイジャパン(非上場)と業務提携基本契約に合意したと発表。

ヘリオス<4593>
高値更新。5日、米国のバイオベンチャーであるユニバーサルセル社との共同研究契約締結を発表した。

ロゼッタ<6182>
5日、前2月期業績予想の上方修正を発表、連結営業利益を従来予想の1億9300万円から2億1200万円に引き上げた。これに伴い、期末一括配当を7.5円から8.5円に増額した。

セリア<2782>
5日、3月の月次状況を発表、売上高は既存店が前年同月比3.3%増、全店がどう11.7%増となった。

アイビーシー<3920>
反発。委託保証金率解除を好感。

サンバイオ<4592>
再生細胞薬SB623の外傷性脳損傷を対象する日本での臨床試験が許可される。

しまむら<8227>
続伸、大和証は「2」継続、目標株価は1万6500円に引き上げ。

6日大引け後の材料

日銀は6日、4月から買い入れを始めた「設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF(上場投資信託)」12億円、J-REIT(不動産投資信託)12億円を買い入れたと発表した。

【関連】円一時109円台、終焉を迎えつつあるアベノミクス相場=久保田博幸

THE相場観!』(2016年4月6日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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2025年に日本では団塊の世代の年齢層がほぼすべて75歳以上の後期高齢者となり、医療や介護、年金などの社会保障費が急増して財政危機の引き金になりかねないと危惧されています。また年金を管理運用しているGPIFが2016年6月に発表した運用報告では、国内株式の評価損が響き、約マイナス5兆円を計上したことでマスコミが騒ぎました。ただこれも株式運用ではなく、債券やそのままキャッシュで運用していたら20年後には200兆円の年金はなくなるのです。将来にいろんな不安を抱えながらの株式投資になりますが、自分の年金くらいは株式運用で増やしていきましょう。それが私がメルマガを通じてお伝えしたい主旨です。

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