老後資金のために「今住んでいる家をリフォームして賃貸にしたい」との相談をいただきました。これ、一歩間違えるとさらに老後資金が減ります。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
老後資金がないから自宅を賃貸に?
ファイナンシャルプランナーとして働く私の元に、「老後資金がないから、自宅を人に貸して賃貸にしたい」というご相談が来ました。
「賃貸に出すために、60歳ですがリフォーム費用を借りられますか?」との内容です。
うーん……。
そもそも、お金を借りてリフォームしてから賃貸業をすると、マイナスからの出発なので、老後資金は貯められません。
せっかく入ってきたお家賃が、ローンの返済で終わってしまいます。
リフォーム費用をかけずに「そのまま貸す」ならアリ
賃貸業、つまり不動産投資は「事業」です。
そして、老後の年金の不足分を賃料で賄うのでしたら、必ず「純利益」を残さないといけません。
つまり正解は、「今の自宅をそのまま貸す」ことです。
もちろん綺麗に掃除して、冷蔵庫裏などの黒くなってしまった部分のみ壁紙を自分で張り替えるくらいのリフォームはした方が良いです。
リフォームするにしても、自分でDIYできる範囲にしないと利益が残りません。
Next: 自分が住んでいる家には、他人もそのまま住める。利益確保を最優先に
利益確保を最優先に
今、あなたが住んでいるのですから、生活はキチンとできているレベルです。人が住める状態の物件でしたら、賃貸料を安くしたら誰かは入る可能性はあるのです。
そして、その賃貸料を使わずに貯めておいて、ある程度資金が貯まったら、今度は業者にリフォームをお願いして家賃を上げて貸し出すと良いでしょう。
そうしたら、収入がアップします。
いま住んでいる自宅の他に住む場所があれば、なるべく早く賃貸に出した方が良いでしょう。老後の不足額を計算して、不足分を賄えるくらいの賃料にするには時間がかかるからです。
老後資金のためですから「利益を必ず残す」ことを考えてくださいね。
リフォームするのは、まず賃貸の募集をして誰も入らなかったら検討すること。順番を逆にしてしまっては「利益」が残りません。
『教育貧困にならないために』(2020年7月15日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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