離婚しても、お金がなければ幸せにはなれません。母子家庭の養育費はいくら必要でしょう?コロナ離婚が増えている今、元夫に支払わせる養育費を最大化する方法を解説します。(『10年後に後悔しない最強の離婚交渉術』露木幸彦)
行政書士・ファイナンシャルプランナー。1980年生まれ。国学院大学・法学部卒。20~30代の「男女関係の相談」に特化し行政書士事務所を開業し、6年間で有料相談件数7,000件、法律文書作成900件を達成。公式サイトは1日訪問者3,300人。会員数は13,000人と業界では最大規模にまで成長させる。8冊の著書を持ち累計部数は5万部を突破、『ホンマでっかTV』ほかメディア出演多数。
「夫の学歴」で養育費はこんなにも変わる
夫婦が離婚するとき、未成年の子どもがいる場合、どちらが子どもを引き取るのか、養育費をいくら支払うのかを決めます。
今回は妻が親権を持ち、夫が妻に養育費を支払うとして、子どもにいくらかかるのかを考えていきましょう。
第1は「子どもが希望する進路を聞き出すこと」。
どのような学校に進学したいのか…高校を卒業して就職するのか、専門学校や短大、大学に進学したいのかを挙げてもらいます。
第2は「夫の学歴と子どもの希望する学歴を比較する」。
例えば、子どもが私立大学を望んでいるとします。もし、夫が子どもの頃、私立大学に通っていたのなら、夫は自分が親から受けたのと同じ水準の教育を自分の子どもにも受けさせるのは当然です。
養育費の期間は「22歳まで」、金額は「大学卒業に必要な金額」に設定しましょう。
Next: 子どもの学費と夫の収入を比較して、最大限に搾り取る
大学の学費と夫の収入を比較しよう
最後に第3は「夫の支払能力と養育費の兼ね合いを計る」。希望進路に見合う養育費を、本当に支払えるのかどうかです。
例えば、母子家庭の収入は年252万円、消費支出は年191万円(どちらも総務省統計局の家計調査)となっています。私立大学の学費が年130万円(私立大学等の入学者に係る学生納付金等調査結果)の場合、年69万円の赤字です。
合格した大学への入学辞退を避けるために
「赤字=養育費」が理想ですが、例えば、夫の年収が600万円なら、前項の試算では手元に531万円が残ります。一方で、夫の年収が300万円だと、231万円しか残らないので厳しそうです。
受験勉強をがんばって志望校に合格したのに、経済的な理由で入学できず、努力が水の泡になることは避けたいでしょう。子どもに家計状況を伝えたうえで、進路を変更するのはやむを得ません。
最悪の事態に至らないよう、3段階を経たうえで養育費の金額を決めてください。
Next: 離婚で幸せになる秘訣は「周囲の人間を味方につける」こと
離婚でモメる人は味方が少ない
離婚成功の秘訣は周囲の人間を味方につけることです。例えば、「浮気の証拠」を掴むため探偵に依頼したり、「自分に有利に進むよう」弁護士に依頼したり、「早く調停をまとめるよう」調停委員に懇願したりして用意周到に進めるべきです。
私は過去14年間で1万件超の離婚相談を受け持ってきましたが、相談しにくる女性にはある特徴があります。それは会う人、会う人とケンカをし、敵に回し、四面楚歌に陥っていること。
離婚を考えているのだから夫と仲が悪いのは当然です。しかし、夫以外にも実家の両親や兄弟姉妹、職場の上司や同僚、相談先のカウンセラー、弁護士、そして裁判所の調停委員や裁判官との折り合いが悪いのだから困ったものです。
例えば、親身に話を聞いてくれていた母親が「離婚」の2文字を口にした途端、態度が激変したり、医者に診断書をもらおうとしたら、「裁判所に提出するから」と言い出した瞬間から難色を示したり、調停委員に「来月は仕事が忙しいから、再来月にして欲しい」と言ったら「じゃぁ、離婚やめれば」とさじを投げられたり…。
学費で差つく
各家庭によって差がつくのは学費です。
第1に、子どもが希望する進路を聞き出す。
第2に、夫の学歴と子どもの希望する学歴を比較する。
第3に、夫の支払能力と養育費の兼ね合いを計る。
この順番で進めましょう。
『10年後に後悔しない最強の離婚交渉術』(2019年5月20日号, 8月9日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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行政書士の露木幸彦が離婚、夫婦、未婚出産、内縁の法律、交渉術、会話技術を解説 (養育費の回収方法、慰謝料金額の決め方、離婚調停の手続など)スーパーJチャンネル、明石家さんまさん司会のホンマでっかTV,ブラマヨさん司会の世界のこわ~い女たち、小倉さん司会のとくダネ、バナナマン設楽さん司会のノンストップなどに登場、8冊の著書を持ち累計部数は5万部を突破。日本経済新聞、朝日新聞電子版では連載を担当。開業から6年で相談7,000件の実績。